こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は63話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
63話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- シルビア・ペデリアン
しばらくロクサナを見つめた後、カシスはカーテンを閉め、部屋を出た。
「お兄ちゃん!」
待っていたかのようにシルビアが目の前に現れる。
「もしかして起きたの?じゃあ、私も入っていい?」
彼女は好奇心を抱いた幼い目を輝かせていた。
シルビアは以前からロクサナに会いたがっている。
カシスが三年前にアグリチェで会ったロクサナの話をチラッとシルビアに話してあげて以来、ずっとこの調子だ。
「いいや、まだ寝ている」
カシスの言葉に、シルビアはガッカリした様子に。
けれど、すぐに彼女は明るく笑いながら歩みを運ぶ。
「それじゃあ、待ちながらお花を準備しないと。歓迎の意味を込めて」
カシスは、そんなシルビアを見て小さく微笑んだ。
ロクサナも「ペデリアンの中にいる間に、シルビアのように明るく笑えるようになったらいいな」と考えながら。
「ふぅ・・・」
私は心の中に溜まる深い息を唇の間に吐き出した。
温かいお湯に浸かった体が、柔らかく緩む感覚に。
溜まっていた疲れが一気に取れるようだった。
馬車でもずっと寝ていて、ついさっきまでベッドで寝て起きた人間が何に疲れたかと言うと、特に言うことはないのだが・・・。
今までこんなにたくさん寝たのは初めてで、自分自身もちょっと不思議だった。
今まで足りなかった睡眠時間を満たせたんじゃないだろうか?
風呂に腕を置いて、ゆっくりと目を閉じて開けた。
入浴の世話をしてくれるという使用人たちを断って、一人で入って来て良かった。
そうしてふと口の外に嘲笑が流れる。
すぐに死んでもいいと思っていたくせに、こんなに満足な気分でお風呂に入っているのだから。
ここの浴室は、さっき私がいた部屋に劣らず大きく清潔だった。
浴槽のお湯から漂うほのかな香りが室内に漂っている。
花の香りに近いその匂いを嗅ぐ間、ふとさっき会ったシルビアの顔が思い浮かんだ。
「ああ、目が覚めたのですね」
目が合うや否や、彼女は私にニッコリ笑った。
その無邪気な微笑みに私はギョッとする。
シルビアは、あたかも舞う鳥のように軽い足取りで私に近づいてきた。
「このお花はどうですか?」
それから、いきなりこのようなおかしな質問をする。
星のように輝く瞳には、好意と喜びが溢れていた。
「お兄ちゃんがもっと休ませておくようにと言うので、起こさずに部屋の前に花だけ持ってこようと思ってたんですよ」
ヒバリのように囀るシルビアをじっと見下ろす。
「目が覚めてすぐに花を見ると、気持ち良くなりますよね?」
彼女の顔には皺の欠片もなかった。
言葉遣いや目つきがとても親しみやすくて、一瞬、彼女と私は本当はずっと前からの知り合いではないかと考えさせられるほど。
「それで庭に立ち寄って一番綺麗な花を選ぼうとしたのですが、実際に貰う人を考えると、私が大事にしていた花の美しさがどうも色褪せて見えるのです」
シルビアは、私が思っていたよりもずっと明るくて可愛い。
私は黙ったまま、そんな彼女をじっと見下ろすしかなかった。
「そうしている間に、とても悩んでしまって思ったより時間がかかっちゃいました」
そして、耳元でハツラツとした声が徐々に消えていく。
シルビアはようやく何かに気づいたように口をつぐんだ。
「あ、ごめんなさい」
彼女は当惑を表していた。
「私の紹介を先にしなければならなかったのに、とても取り留めがなく騒いでしまいました」
シルビアは私が不快感を感じていないか心配していたが、少しも気分は悪くない。
「えーと、もしかして私が誰だか知っていますか?」
当然知っていた。
和合会の時、私はもう彼女の顔を見たから。
たとえそうでなくても、シルビアの銀髪と金色の瞳を見ると、カシスを連想するしかなかった。
「今回のユグドラシルに、お兄ちゃんと一緒に参加したのですが・・・」
「シルビア」
彼女の名前を口に出したのは無意識だった。
私の話を聞いて、目の前にいる少女が一瞬たじろぐ。
しかし、それも束の間のことで、シルビアはさっきよりもさらに明るい笑顔を顔に描いた。
シルビアが想像以上にロクサナに好意的ですね。
さすがは主人公!
彼女との出会いは、ロクサナに良い影響を及ぼすのでしょうか?
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