こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は67話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
67話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 平和なひととき
ロクサナがペデリアンに滞在してから数日が過ぎた。
シルビアがプレゼントしてくれた花は、その間に枯れてしまう。
ロクサナの体から流れる毒の影響を受けて。
『今日は一緒にお庭に行きましょう』
シルビアは、毎日ロクサナの元を訪れていた。
彼女は驚くほど親しみがある。
まるで久しぶりに顔を見た友達のように、会うたびにロクサナに色々な話をした。
頬をほんのりと赤らめて、両目を星のように輝かせるシルビアは非常に可愛らしい。
そんな彼女を目の前にしているたびに、ロクサナは少し不思議で奇異な、言葉では正確に説明できない気分に。
そしてシルビアに、「今日は一緒に庭園を散歩しましょう」と誘われた。
「そうね・・・、あんまり気が進まないわ」
「でも三日間ずっと部屋にいましたよ。今日は日差しも暖かいから、外に出たら気分転換になると思います」
カシスはじっと見つめたが、彼は腕を組んで様子を見ているだけ。
シルビアはどうやら、ある程度のことでは拒否しないことに気づいたようだった。
そうしてロクサナは数日ぶりに部屋を離れることに。
「もう少し奥に入ってみませんか?私が一番大切にしている花園をお見せします」
シルビアは明るく笑いながらロクサナの手を引く。
暖かい温もりが感じられる瞬間、ロクサナはぎくりとした。
しかし、彼女は接触した手を振り切らず、シルビアに導かれるまま、足を運ぶ。
カシスはその姿を影から見ていた。
シルビアがロクサナに対して暴走するなら静止する考えだったが、今のところはロクサナもシルビアの行動を大目に見ているようだ。
シルビアは、最初にロクサナを見た時からとても浮かれていた。
これまでずっとペデリアンの中にだけいて、同年代の友人と接したことがないから、当然だといえば当然だろう。
彼女はカシスが最初にロクサナについて語ったときから、日々期待を膨らませているようだった。
ロクサナもシルビアのことが嫌いではないようで安心する。
「クイーン・メリロッテです。ロクサナにも必ず見せたかったの」
甘い香りが真っ先に五感に触れる。
シルビアの眩しい笑顔の後に、黄金色の花が満開の花園に咲き誇っていた。
ロクサナの手に花びらが落ちる。
カシスがロクサナの体から出る毒を抑えていたので花は枯れなかった。
「クラネタリアに似ているけれど、こっちの方が可愛いわね」
「クラネタリア?そういう花があるんですね。初めて聞きました」
ロクサナが花を気に入っているようで、シルビアの表情も明るくなる。
「アグリチェの庭には四季折々咲いていたわ」
「その花も、こんな良い香りなのですか?」
「そうね・・・、免疫のない人間が近くで五分以上嗅げば死ぬけど」
「え?」
「毒性の強い麻薬の花よ」
「はい・・・?」
「それでも香りはいいわ。よりによって花が私の部屋の窓の前にあったから、毎日嗅いでいるうちに飽きてしまったけれど」
シルビアは目を丸くする。
彼女はロクサナの言葉にどう反応すればいいか分からずに瞬きした。
そして視線が合った時、ロクサナが目を閉じてニッコリ笑う。
「何だ、冗談だったのですね?」
シルビアもロクサナの後を追って笑った。
しかし、カシスはそれが冗談ではないことを知っている。
目の前に広がる景色を眺めた。
「これでいいのだろうか?」と思うほど平和なひととき。
「もう帰ろう」
カシスの口からこぼれた言葉で、ロクサナは彼の方を振り返った。
息が止まるほど濃い黄金色の空気が彼の体中を包み込む。
甘い香りの中心で、今ここに何よりもうっとりとした美しさが目に飛び込んできた。
けれど、それは蜃気楼に似ているところがあって、ちょっとでも油断して視線を逸らすと、あっという間に跡形もなく消え去ってしまいそうな気がする。
だからなのだろうか・・・?
目が合った瞬間、カシスは今目の前にいる女性を永遠に閉じ込めておきたいと・・・、初めてそう感じた。
暗くて強烈な欲望で、彼自身でさえ驚くほどに。
窓の外で日が暮れた。
やがてドアが開き、ロクサナが待っていた人物が中に入ってくる。
「お帰り」
彼女の優しい挨拶にカシスはハッとした。
当然のことだ。
ここは彼の部屋なのだから。
いつ訪れてもいいと言ったのは彼だったので、ロクサナを招かざる客だとは思っていない。
ただ、ロクサナの前に置かれたものは、あまり嬉しくない状況だが。
「誰がお酒を持ってきた?」
「誰かしら」
ロクサナには、「必要なものがあれば何でも話してほしい」と言ったが、それは彼女の害にならないと判断された限度内だ。
もちろん、お酒が禁止項目に決まっていたわけではないが、それでも使用人にある程度話している。
「私が望んでいるのに実現できないことがあるとでも?」
ロクサナはカシスの考えを読み取ったかのように微笑を浮かべる。
彼女の言う通りだった。
ロクサナに求められることを最後まで断れる人はいないだろう。
「言ったじゃない、あなたがおかしいのよ」
カシスはロクサナの向かい側の席に座った。
こうなった以上、彼女がお酒を飲むのを止めるつもりはない。
「ここからの眺めも悪くないわね」
庭園よりも落ち着いた感じがしたが、別館の裏側の景色も奥ゆかしい趣がある。
「気に入ったのなら部屋を変える」
「大丈夫よ。今みたいに、見たいときに来ればいいのだから」
二人はしばらくの間、会話もなくお酒を飲む。
そうしているうちにまた視線が絡んだ。
そして、すぐにカシスは立ち上がった。
ロクサナは近づいてくる彼をじっと見る。
彼が自分を用心深い手つきで抱き上げるまで。
慣れた体臭が嗅覚を刺激する。
ロクサナはこれといった拒否をせず、大人しくカシスの胸に抱かれた。
彼の手は、まるで陶器に薬を塗り重ねるよう。
まるで、少しでも気を緩めたら、いつでも割れてしまうガラスの破片を扱っているようだった。
カシスはそのまま足を動かし、ロクサナを彼女の部屋に運ぶ。
降ろした場所はソファの上。
ロクサナはさっき庭へ散歩に行って帰ってきた直後、すでにお風呂を終えてパジャマに着替えた後だった。
カシスに抱かれてからソファに降ろされる間に、粗末に閉じていたパジャマの前端がそっと開き、その間から胸の膨らみが。
しかし、ロクサナは身なりを整えもせず、ただカシスをじっと見上げていた。
次の瞬間、彼女の白い足がカシスの膝の上に降りる。
滑らかなつま先が硬い太ももを通ってゆっくりと滑り始めた。
露骨な含意を盛り込んだ奇妙な動き。
そのように太ももをくすぐって下がった足がさらに野生的に動こうとした瞬間、強い握力を持った手が途中でそれを防いだ。
冷たい気運のある細い足首に熱い暖かさが密着する。
部屋の中に溜まった空気が一層濃くなった。
ロクサナを見つめているカシスの金色の瞳は、夜の森のように暗く沈んでいた。
鮮烈な欲望が触れ合う手に乗って、ロクサナにまで届いてしまうと思えるくらいに。
そして、カシスの銀色の髪の毛が傾いた彼の頭に沿って、目の前で乱れた瞬間。
「・・・カシス」
ロクサナは思わず口を開けた。
けれど、すぐに足の甲に燃え移った熱気で、それ以上の言葉をつぐむ。
カシスはもう一度息を合わせ、ロクサナの足の甲に焼き印を押すように残熱を広げた。
立て続けにつつくカシスの唇は熱く、ロクサナはまた唇を震わせた。
「ん・・・」
しかし結局は、その間に何も言わずに息を呑むだけ。
ロクサナの足の甲に乗って足首付近まで上がってきたカシスは、そこで満足せず、目の前の白い聖地に自分の痕跡を刻み込もうとするかのように貪欲に唇を開いた。
けれど結局そこまで。
やっと二、三回息を整えるほどの時間が経って、太ももに近かったカシスの唇はもう近づかず、ゆっくりと距離を広げる。
「・・・やりすぎたようだね」
カシスは衝動に駆られて完全に制御を失う前に自分を止めた。
「夕食の時間になったら呼びにくる。その時まで休んでて」
カシスはいまだに彼の中で騒ぎ立てているもの全てをまとめ、後ろを向く。
ロクサナは、カシスが部屋を出て行くまで遠ざかる彼の後ろ姿を見ていた。
そして、ついに一人になった時、耐えきれずカシス触れていた足をソファの上に乗せて手で包む。
彼に触れられた箇所が裂傷を負ったようだった。
直接触れたのは足だけなのに、熱が滲んだかのよに、全身が熱い。
確かに悪ふざけをするようにカシスに触れたのは自分なのに、続く状況に動揺を隠すことができなかった。
「なんなのよ・・・」
ソファの上にひっくり返るように仰向けに。
そしてすぐに上気した顔を隠すようにクッションに深く沈んでしまった。
シルビアとロクサナが対照的で面白いです。
今のところは良い関係ですよね♪
自分から仕掛けておいて動揺するロクサナが可愛いです(笑)
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