こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は127話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
127話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side リアブリック
「な、何ですって?」
明け方、服装すらきちんと身に着けず、執務室に来たリアブリックの顔は真っ青だった。
大公家の実務を引き受けて以来、今日のように動揺し、声が震えるのは初めてだったのだ。
「もう一度言いなさい。何が起こったの?」
「そ、それが・・・」
「その舌を抜く前にハッキリと言いなさい!」
リアブリックが追及すると、アディールはドキッとした。
それにもかかわらず簡単に口を開かないのは、報告する面目さえないから。
「栽培地が焼けて、何も残っていないそうです・・・」
「・・・」
焦点を失ったリアブリックの瞳は、魂が抜け出た人のように見えた。
いつも理性的な思考を重視する彼女だったが、この瞬間だけは理性を維持する才能がなかったようだ。
「落ち着いてもう一度話してみなさい」
「以前、正体不明の武装集団が栽培地を襲撃しました」
「まさかあいつらが?」
「・・・同一人物と想定されています」
リアブリックは唇を強く噛んだ。
どれだけ強く噛んだのか。口の中いっぱいに血の味が漂う。
(失敗したわ。ラインハルト家のウォルフォード卿が失敗した時、直接出るべきだったのに・・・)
一瞬の判断ミスが、結局取り返しのつかない結果を産んでしまった。
「被害は?」
「正確な規模は分かりませんが、これ以上の栽培は不可能だと思わなければいけません・・・」
アディールは言葉を濁すばかりだった。
栽培地が焼けてしまったので、長期的にアヘン流通による輸入は消えたと言っても良いだろう。
リアブリックは気が気でなかった。
栽培地が全て消失してしまった。
時間は戻せないため、後続対処を探すのが最優先。
そうしなければならないのは理解できるが、問題は「頭では分かるが、体がもたない」ということ。
「影の騎士団たちは一体何をしているの!」
怒りの矛先は、栽培地を死守する影の騎士団に向かう。
影の騎士団は、対外的に活動する第一騎士団や第二騎士団とは違って、影で暗黙的に大公家の命令を履行する騎士団。
公式的な活動は知られていないが、その強さだけは疑う余地がなかった。
「目撃者の話では、命を懸けて戦ったが力不足だったと」
「・・・はあ」
リアブリックの唇の間からため息が漏れる。
収拾しなければならないのに、どこから収拾すればいいのか分からないのだ。
栽培地の消失で、長期的に大公家にかかる金額が頭に浮かぶ。
ただでさえLの手腕によって、スラム街の土地購入に莫大な支出が発生した。
また、天然大理石の供給契約を時価の5倍で結び大損もしている。
それだけではない。
エレナが購入した芸術品の出費は、リアブリックの予想を遥かに上回るほど多かった。
まるで水を得た魚のように消費したのだ。
リアブリックも歯を食いしばって大目に見ていた。
フランツェ大公が承諾したことでもあるが、芸術品というのは時間に比例して価値が上がるから。
ところが、最近の芸術界の動向は不安だった。
ラファエルがベラドナを発表した時点から、芸術界に地殻変動が起きている。
定型化された芸術品が流行し、過去の芸術品を排斥する形が目立っていたのだ。
そのため、売ろうとする人は多いが、買い手がなくて価値がぐんぐん下落している。
(あまりにも安逸だったわ。信じて任せたらダメだったのに・・・)
遅ればせながらエレナの作品購入を阻止したが、既に莫大な損害を被った後だった。
「大公殿下が来られました」
「・・・!」
適当な打開策が見つからず、戦々恐々としていたリアブリックが、驚いて椅子から立ち上がる。
姿を現したフランツェ大公は軽装だった。
あまりにも重大な事案なので、別途報告を受けるや否や彼女の元を訪ねてきたのだ。
「た、大公殿下」
「私の聞いた話は本当ではないのだろう?」
「栽培地に関する話でしたら事実です」
リアブリックが頭を上げられずに言い返すと、フランツェ大公の手が頭上に上がる。
ブルブル震える手が、彼の怒りがどれほどかを推測させた。
「こんな風に仕事を片付けるのか?」
「・・・申し訳ございません」
リアブリックは頭を下げたままだった。
アヘン事業は彼女が直接管理しただけに、弁明の余地がないのだ。
(許されないかもしれない)
フランツェ大公は信じて任せることも多いが、一度失敗すると見向きもしない。
また、失敗を受け入れる性格でもなかった。
リアブリックは息を呑んだ。
今日が、大公家最後の日になるかもしれないと。
栽培地の消失は、想像以上にリアブリックを困らせることになりましたね!
そして、シアンたちが戦った影の騎士団がそれほど強いとは思っていませんでした。
シアン側の被害は少なかったと言えるでしょうが、それでも彼は満足していないはず。
激怒したフランツェ大公は、リアブリックにどのような処分を下すのでしょうか?
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