こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は90話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
90話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- オルカとの遭遇
しばらくしてジャンヌと別れた私は、さっきまで交わした会話についてじっくりと考える。
彼女の言葉とは別に悩まなければならないことも。
何よりも、カシスの能力は私が思っていたよりも遥かに強いようだ。
反作用で誰かを殺せる能力とは、逆に自分の能力を発揮した時、それだけ強力な効果を生み出せるという意味だった。
もちろんカシスの力については以前見たこともあり、また何度も直接経験したこともあるので、ある程度は知っている。
彼が生気を吹き入れると、体に温もりがあり、力が湧き出ることも、ナイフで切った傷が癒え、体にある毒が中和されるという事実も知らなかった。
けれど、全てのことには大体限度というものがあるのではないだろうか?
カシスの治癒能力は非常に非現実的なものだが、彼の治癒能力が非常に高いとは思わなかった。
そのため、カシスがどれだけ努力しても、今の自分を生かすことはできないと。
しかし今、カシスが決心すれば救えない人がいないなんて言葉を聞くとは・・・。
ジャンヌの言葉はとても意味深長に感じられた。
しかも、その時シルビアの息が完全に失われたと言っていた。
けれど、彼女は今生きている。
それじゃあ死んだシルビアが一体どうやって蘇ったというのだろうか?
今カシスが私にしていることも単なる回復ではないかもしれないと考え、私は目元を少し動かす。
「ロクサナさん?」
その時、私の耳に突然、美声の声が聞こえてきた。
声が聞こえてきた方向に動揺せずに視線を向ける。
「どうも、お久しぶりですね。今まで体調が悪かったと聞きましたが。幸いにも今は元気なようですね」
オルカ・フィペリオンの華やかな笑顔が視野に入る。
誰もが武装解除してしまいそうな、ガラスのように澄んでいて透明な笑顔。
もちろん彼の心を知っている私には通じないが。
「白の魔手師ですね」
私はオルカの挨拶に平然と答える。
私の後ろには別館から付いてきたオリンがいて、オルカの後ろにはイシドールが立っていた。
イシドールの役目は護衛ではなく監視だろう。
今までは来賓として礼遇し、そのようなことはしていなかったが、パンドラの事件以降、信頼を失った影響だろう。
「あ、私が誰なのかご存知なのですね。もしかして、あの時に青の貴公子が私をそう呼んでいたのでしょうか?」
オルカは私が自分の事を知っているという事実にすごく嬉しそうに目を輝かせた。
「正式にご紹介させていただきます。私はオルカ・フィペリオンです。オルカと呼んでください」
「そうですか。白の魔手師という呼称で、もう十分だと思いますが」
オルカは親しみのある態度でニコニコと話した。
けれど、私はただ一度礼儀的に笑ってから拒否する。
すると、彼の顔に誇張された失望が浮かんだ。
「この前は私が失礼しました。あの時の恥ずかしい言動は忘れてほしいです」
しょんぼりしながら謝る姿が本当に最もらしく見えた。
見た目がとても清純だからか、あの中に狸が百匹ぐらい入っているという事実を知らなければ、誰もが自然と憐れむだろう。
「心に留めていませんから、お気になさらず。その話をするために私を訪ねてこられたのですか?」
「いいえ、日当たりが良くて散歩をしていたのです。そんな時にこうやってロクサナさんとばったり会えるなんて、まるで運命のようですね」
見え透いた嘘だ。
オルカが私にこんなにも関心を持っているのは、やはり毒蝶のせいか。
ふと3日前に庭で見た熱望のこもった瞳が脳裏を掠めた。
「もしよろしければ同じ魔手同士で、有益で楽しい会話を___」
「できません」「不可能です」
「したいのですが、やっぱりダメみたいですね」
オルカが頭文字を言うや否や、イシドールとオリンが同時に彼の言葉を遮る。
オルカも最初から期待していたわけではないようだ。
再び沈鬱な表情を見せるオルカを、イシドールとオリンが警戒するように睨みつけていた。
その姿を見て少し妙な気分に。
やっぱり私はペデリアンの人たちにか弱いイメージで烙印を押されているようだ。
カシスが他の人々の視線などは少しも気にせず、私を病人扱いしたからだろう。
しかし、一方から考えてみると、そこに私の意志が全くなかったとも言えない。
もしかしたら私も彼らに好かれる無垢で哀れな姿を無意識のうちに見せていたのかもしれない。
それでも、このように堂々と保護される立場になると、おかしな気分になった。
「自らを魔手師と称するには見聞が広くありませんので。むしろ後ろのウィンストン卿と話し合った方がより有益かと」
私の話に、オルカが意外だと言わんばかりにイシドールの方を振り返る。
「ウィンストン卿?あなた、魔手師だったのですか?」
「いいえ」
イシドールは、私がなぜそのような話をしたのか理解できない様子だ。
私は彼を見ながら首を横に傾けた。
「ジャンヌ様の話によると、魔物に対する見聞が広いとお聞きしましたが?」
「それほど見識はありませんが、ご希望でしたらある程度はお話し相手になることはできそうですね」
目が合った瞬間、私の意図した事を読んだのか、イシドールは小さく頷きながらオルカに言った。
もしかしたら、カシスの能力でロクサナを回復することが可能?
もちろんリスクもあるでしょうが・・・。
オルカと遭遇しましたが二人きりではないので安心ですね。
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