こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は139話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
139話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 闇の中の守護天使
「あなたは私の敵ですか?」
エレナは遠回しではなく、露骨だと思うくらいにレンの腹を探った。
一時は、帝国の「飛ぶ」名士たちを追い抜いて社交界を平定したエレナだ。
時には単純な話法が効果的であることを知っていた。
(私のことをどこまで知っているのかを知ることが重要よ)
それにはレンを刺激して望む感情的な答えを導き出さなければならない。
「おい、何をそんなに堂々と聞くんだ?俺が敵と言ったらどうするつもり?」
「敵なら選択しなければなりませんね」
「選択?俺じゃなくて君が?」
「どちらもです。明らかなのは、これが最後の食事の席になるということでしょう」
レンは怖がっているふりをして震え出す。
「ああ、体が震えているよ。君、俺を脅しているの?」
「面白い冗談ですね。先輩に脅されたとしても、先輩は脅される人ではないでしょう?」
「照れるね」
レンはニッコリ笑うが、エレナはふざけるつもりはない。
「話を逸らさずに、私の質問に答えてください」
「君の目には俺が敵に見える?」
逆に質問をされたエレナは、一瞬の躊躇いもなく答えた。
「はい」
「うわあ、傷ついた」
レンは前髪を後ろに垂らしながら低く笑う。
傷ついたというよりは、まるでこの会話を楽しんでいるかのように見えた。
「何がおかしいのですか?私は真面目に答えたのですよ」
「俺も真面目さ」
「それじゃあ答えてください。敵か否か」
エレナは折れても曲がらない話し方でレンを急き立てる。
答え次第で、どこまでレンが知っているかを把握するつもりだった。
「敵じゃない」
「それじゃあ___」
「闇の中の守護天使?」
一瞬、理性を失いかけたエレナは唇をギュッと噛んだ。
超人的な忍耐力を発揮しなかったら、唇の間からどんな単語が飛び出すか、彼女自身にでさえ不可能だった。
「厚かましいですね。そんな言葉を口にするなんて」
「事実さ。闇の中の守護天使。これよりもっと適切な例えは思い浮かばないよ」
レンは何が嬉しいのか、ニヤリと笑って一人で拍手する。
しばらくその姿を無表情に見ていたエレナが、淡々と口を開いた。
「信じられる時こそ信じられます」
「それは駄目だ。お互いを信じて信頼しあわなければならない」
「そんな先輩は私を信じていますか?」
「俺?もちろん信じてるよ」
「そう言いながら私に信じろと言うのですか?」
「うん」
レンは腕を組んだまま当たり前のように切り返す。
その果てしない振る舞いにエレナは呆れた。
「また振り出しですね」
エレナは静かに椅子から立ち上がる。
対話の主導権を握るためにも票を切る必要があった。
「どこに行くの?まだ食事中だけど?」
「意味のない会話で時間を消費したくありませんから」
エレナは自分の体を動かして、再び仮面をかぶるような仕草までする。
すると、レンは背中をもたれて足を組んで座った。
「俺たちがこれから話す会話が、君にどれだけ役に立つのか分かっているのか?絶対に後悔するぞ?」
「あまりにも先走っていますね。私に役に立つかどうかは私が判断します」
そう告げて、エレナが背中を向けようとした時。
「俺の負けだ!」
レンが両手を上げて、ニヤリと笑う。
「何を負けたと言うのですか?」
「全部さ。けれど、おかしいな。俺は負けるのが大嫌いなのに君に負けるのは嫌いじゃない」
エレナは椅子に座らずにレンをじっと見つめる。
「座らないの?」
「座るかどうかは話を聞いて判断します」
レンは両腕を静かに下げて、意味深な微笑を浮かべた。
「敵の敵は味方だ」
「・・・!」
「これより確実なことはあるか?」
あまりにも平気で話すレンに対し、エレナは軽く答えられなかった。
遠回しに言ったが、今レンが言った「敵の敵」という存在が簡単に類推可能だったからだ。
(大公家)
他の人はともかくエレナは知っている。
レンが大公家に向けて抱いている憎悪心がどれだけ深いのかを。
過去の人生でベロニカに成りすましていたエレナを執拗に苦しめ、脅迫したのは大公家への悪感情が絶対的だったからだ。
つまり、二人が共通の敵を定めたのが正しければ、レンはエレナの正体について早くから知っていたということになる。
「その反応を見る限り、確かな証明ができただろう?」
レンはより濃い笑みを浮かべ、憎たらしく笑った。
「どこまで知っているのですか?」
直接言及しなかっただけで、レンは握っていたカードをすべて公開したわけだ。
それでも確かめようとするのは、もう少しはっきりさせたいエレナの願望だった。
「どこから話そうか?本当のルシアは北部地方に住んでいるということ?それとも、今このサロンの主人が君ってこと?それでもなければ、そのカツラを脱いだ瞬間、滝のように流れ出る金髪が魅力的だということ?」
「それで結構です」
エレナの声は予想以上に淡々としていた。
もう変装が無意味だと気づき、眼鏡を外す。
カツラの中の金髪まで知っているということは、ベロニカの身分も知っているという意味だった。
敵の敵は味方とも言ったのだから、エレナが身代わりだということも。
ついにレンから答えを聞き出したエレナ。
大公家という共通の敵がいますので、二人は共闘関係を築くのでしょうか?
エレナはレンのことを信用することができるのでしょうか?
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