こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は２００話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた！
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ：主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック：大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公：ベロニカの父親。
クラディオス・シアン：皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン：過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ：ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード：氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿：過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ：ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
２００話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- １対８
「アデル！」
ルーカスの目が赤く充血した。
親愛なる同僚を目の前で失った悲しみを何に比較できるだろうか。
「あと８」
ヒュレルバードは霜のように冷たく冷静だ。
奇襲で２人を制圧したが、依然として状況は良くない。
彼らが決心してエレナを狙うなら、行動に制約がかかるしかなかった。
（これ以上奇襲は通じない）
ルーカスは第１騎士団内でも認められる強者だ。
公然と「次期騎士団長」という言葉まで出るほど指揮力も優れている。
今もそうだ。
同僚を失ったという事実に耐えられない奮起を感じながらも、決して軽挙妄動はしない。
「ヒュレルバード、私は君を甘く見ていたようだ」
「・・・」
「草原部族の子供たちがどれほど野卑なのかを知るべきだった。こんな実力を隠していたなんてね。ローレンツ卿も君の手で殺したのだろう？」
「・・・」
ヒュレルバードはあえて答えなかった。
沈黙を肯定と捉えたのだろうか、ルーカスの殺気がさらに激しくなる。
「今日君を殺して、死んだ騎士たちの魂を鎮めよう」
「出来ればですね」
「出来ないと？」
ヒュレルバードは意図的に挑発的な言葉を飛ばし、ルーカスに向かって突進した。
まだ馬車の中に隠れているエレナの代わりに、自分に集中させるためだ。
（頭を狙う）
ルーカスを除去すれば、騎士たちを統制する人はいなくなる。
当然エレナを狙うこともなく、そうなれば残りの騎士の各個撃破も可能だった。
「挟み撃て！」
ルーカスは馬から飛び降りて命令する。
空間が狭い森の中であるため、馬に乗って戦うのは不利だった。
１対８の乱闘戦が繰り広げられた。
どちらも引き下がらない真剣勝負。
一瞬のミスで命を失ったとしても、何もおかしくないほど殺意に満ちていた。
似たり寄ったりだった勝負は攻防が長くなるほど一方に傾く。
次第に守勢に追い込まれたのはヒュレルバードだった。
一身のように動く８騎士の猛攻に後退し、防御に徹するしかなかったのだ。
危機に追い込むほど、気が狂った騎士たちの攻撃が激しくなる頃。
ヒュレルバードは手強いふりをして意図的に隙を見せた。
それを捉えた騎士が剣を突き刺すと、待っていたかのように彼は反応する。
空気を切る音より早くヒュレルバードの剣が軌跡を描いた。
「くっ！」
「ブロック！」
腹部を切り裂かれた騎士ブロックがよろめきながら前に倒れる。
まだ死んでいないが、あまりにも出血が大きいため生きることは難しいだろう。
「はぁ、はぁ・・・」
ヒュレルバードが荒い息を吐く。
「あと７」
体力が枯渇していたが、ヒュレルバードの眼光はこれまで以上に鋭い。
「くっ！怪物なのか？」
ルーカスは歯軋りをした。
ヒュレルバードの強さは本物だ。
なぜこれだけの剣術を持った騎士が今まで無名に留まっていたのか疑問だった。
その理由はエレナにある。
ヒュレルバードを隣に置くために直属の騎士に任命したエレナは、意図的に彼の存在を隠した。
いつでもこのような日が来ると予想したため、切り札として残していたのだ。
「魂を鎮めると言ったのに、慰める魂が増えましたね」
「こ、この・・・！」
ヒュレルバードの皮肉にルーカスの顔が真っ赤になる。
ただの平民出身の騎士であるヒュレルバードに、大公家の剣と称される第１騎士団所属の騎士４人が命を失った。
これ以上の恥はないだろう。
「手段と方法を選ばず貴様らだけは・・・。あ！そういうことか？」
ルーカスの頬がピクピクする。
何か違和感があったが、今になって何なのか分かったのだ。
ルーカスは生臭い笑みを浮かべ、あごで流浪馬車を指差した。
「わざと私を刺激して挑発した理由は、もしかしてあの偽の公女のせいなのかな？」
「・・・」
「やはりか。偽の公女から私たちを引き離そうと・・・。どうする？君が強いのは事実だが、もう分かってしまったからね」
的を射たにもかかわらず、ヒュレルバードは顔色一つ変えない。
しかし、ルーカスは自分の考えに確信を持った。
また、ここに来る前にリアブリックが言った言葉を思い出す。
その時になってようやく優先順位が何なのかを理解した。
「全員でヒュレルバードの足を縛れ。殺せなくてもいい。ここから一歩も動けないようにするんだ」
ルーカスは歯を剥き出しにして笑う。
「私はその間に偽の公女を殺す」
ヒュレルバードは素早く反応して阻止しようとしたが、残りの騎士たちが前を塞いだ。
ルーカスは嘲笑しながら流浪馬車に近づく。
「貴様の相手は私たちだ」
６人の騎士が道を塞ぎ、息を呑む暇もなく攻撃を仕掛けてくる。
ルーカスが抜けた分、制圧は難しいが進路を阻む程度ならやり遂げる自信があった。
落ち着きを失わなかったヒュレルバードの瞳に焦りが滲み出てくる。
執拗に食い下がるため、なかなか離すことができなかった。
「お嬢様、逃げてください！」
１対８で互角程度に持ち込むヒュレルバードが強過ぎます！
ここまで強いとは・・・。
ですが、ルーカスに意図がバレてしまいました。
エレナはルーカスから逃げ切ることができるのでしょうか？
