こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は100話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
100話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 仮面舞踏会
「も、申し訳ありません!」
使用人が直ちに膝をついて謝罪した。
私は冷たい目つきで足元の使用人を見下ろす。
靴と手袋を選んでいた使用人たちも、突然の状況に驚いて固まっている。
「ベルティウムではお客様への接待をこんな風にしているのね。装身具一つきちんと付け替えることも出来ず、あまつさえ体を傷つけるなんて」
頭を下げていた女性が、私の言葉にもう一度謝罪する。
「も、申し訳ありません、お嬢様。私が未熟なせいで、お嬢様の大事な体を傷つけてしまいました。どうかお許しを・・・」
「血を拭くものをちょうだい」
隣で装身具を整理していた使用人が素早くハンカチを手渡してきた。
そのハンカチで血の出ている耳を押さえて止血する。
耳に触ったら血が出るようにわざと出した傷だったので、これ以上彼女たちを責めるつもりはなかった。
「気分が下がったわ。身なりはこの辺にして」
無表情な顔で席を立つと、私の言葉に使用人たちがまだ着用していないイヤリングとブレスレットを片付ける。
「他のものは必要ないから、あらかじめ選んでおいた手袋をちょうだい」
「はい、準備しておきました」
私は手袋をはめた後、装身具を着用していた女中に言った。
「今回は見過ごすわ。次は気をつけるようにして」
「許して下さりありがとうございます、お嬢様」
彼女は私の言葉に安堵したように感謝の意を表した。
私を見上げる顔には喜びと安心の感情が見られる。
それは周囲にいた他の使用人も同じだった。
しかしそれを見た瞬間、さっき外で感じたような奇異な感覚が再び私を通り過ぎる。
私は眉間に皺を寄せて部屋を出た。
「宴会場までは私がご案内させていただきます、ロクサナ様」
部屋の外でダンテが私を待っていた。
彼も私のように宴会に相応しい礼服に着替えている。
ダンテの表情はさっきよりも疲れているように見えたので、さっきノエル・ベルティウムの部屋で見た光景を思い出す。
「ベルティウムはかなり面白い場所ですね」
「そうですか?ノエル様が聞いたら喜ばれると思います」
「ええ、ここまで虚と実の境界にぎりぎりに跨っている場所は見たことがありませんから」
隣で歩いていたダンテの視線が私の横顔に落ちる。
彼は私の言葉に驚いたような気もするし、また少し慌てたような気もした。
「もちろん、私のために用意された贈り物は虚像ではないのでしょう?」
そんな彼を見つめながら、私は唇の先を持ち上げて微笑する。
そのように笑っていても、私の言葉に込められた内容は警告に近かったし、ダンテも私の冷たい目つきを通じてそれに気づいたことは明らかだった。
「こんなに期待しているのだから、せっかく見たのが偽物なら失望も本当に大きいでしょうね」
「それは・・・」
固く閉ざしていた唇を、ダンテはすぐに開く。
「ロクサナ様の眼目で直接判断しなければならないと」
そうして彼と私は黙って視線を交わした。
「その通りね。私が直接判断するわ」
私が先に彼から顔を背け、その後ダンテと私は何の会話もなく宴会場に向かう。
そうしてホールの巨大な扉の前まで到着したとき、ダンテがエスコートしていた私の手を置いて丁寧に挨拶した。
「私はここまで許されております。では、どうぞ中で楽しい時間をお過ごしください、ロクサナ様」
その後、音もなく扉が開き、私はダンテを後にして明るい光の中に一歩踏み出す。
完全に中に入ると、背後から静かにドアが閉まった。
私は目の前の光景を見て、足を止めた。
宴会場の中では軽快な音楽と明るい笑い声が入り混じって波のように強烈にうねっている。
「あははは!」
目の前では数十組の男女がペアを組んで明るく笑いながら踊っていた。
彼らはみんな顔に仮面をかぶっている。
「ベルティウムの仮面舞踏会へようこそ!」
その時、踊るように流麗な動きで近づいてきた誰かが私の前に片膝をつく。
「今日の主人公である美しい淑女の方にプレゼントを」
その様子も、その言葉も、全部が芝居をしているかのように滑稽に誇張されていた。
彼は黒い燕尾服を着て、頭全体を包むオウムの仮面をかぶった男性。
彼が私に差し出したのは蝶の形の仮面。
無表情のまま受け取ると、オウムの仮面をかぶった男が立ち上がって再び誇張した挨拶をした後、人々の波の中に包まれて消えた。
いよいよ始まった仮面舞踏会。
ロクサナが感じている奇異な違和感の正体は?
虚と実の境界は?
ノエルが用意しているものが気になりますね!
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