こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は143話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
143話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 無礼で無謀なお願い
「いいえ、殿下。まだ大公家を出ることはできません。私にはやることがあります」
「やること?今はそのような事を考える時ではない。出ないと言うのであれば無理にでも出させる」
エレナの拒絶の言葉に、シアンは強硬な態度を示した。
エレナの命がかかっていることだけに、譲歩する意思はなさそうだ。
「殿下もお分かりでしょう。大公家を崩すために私は全部を注いでいるんですよ」
「だからこそ引き止めている。君はもう私でさえ出来なかった事をやり遂げたのだから」
か弱い女性の身で200年以上も聖世を享受してきた大公家を根こそぎ揺さぶったことだけでも、尊敬されるべきだった。
「だからこそ残らなければならないのです。根こそぎ抜かないと、大公家はすぐに生き返ります」
大公家に少なからぬ打撃を与えたが、決定的な「一発」が足りなかった。
財政的な損害が累積した今、大公家の根幹を揺るがし、二度と立ち直れないようにしなければならない。
そのためには時間が必要だった。
「残る?あの危険な場所に?」
「はい。そのために殿下にお目にかかれるようにお願いしました」
シアンは強張った顔でエレナを眺める。
気持ちとしては手段と方法を選ばずに止めようとしたが、我慢した。
(仕方がない。時間を稼ぐにはこの方法しか・・・)
如何によっては、シアンの立場を考慮しない利己的心と映る可能性も濃厚だ。
けれど、すぐに決心を固めたエレナはようやく口を開いた。
「皇太子妃の選出式をお願いします」
「・・・!」
その言葉にシアンの表情が固まる。
「無礼で無謀なお願いだということは分かっています。それでもお願いします」
「・・・」
「私には時間が必要なのです。また、これにより大公家を分裂させる名分を作ることもできます」
エレナは一寸の揺るぎもない視線で皇太子妃選出式を行わなければならない必要性を強調した。
「ベロニカは3年以上社交界に出てきませんでした。それは皇太子妃選出式に参加する準備がまだ整っていないという意味でもあります」
シアンは黙々と彼女の話を聞いていた。
「ベロニカを除けば4大家門のラインハルト家のアヴェラが有力な皇太子妃候補になるでしょう。簡単な相手ではないので、競争を繰り広げるためには私を立たせるしかありません」
つまり、皇太子妃の選出式が行われる間、大公家はエレナを抱えるしかない。
もちろん大公家で無理をしてまでベロニカを立てることもできる。
しかし、そのように公式な選出式を経ずにベロニカを皇太子妃に選任しようとした場合、4大家門の反発にぶつかる公算が大きかった。
いくら大公家だと言っても4大家門とぶつかるリスクを負うことは望まないだろう。
言い換えれば、皇太子妃の選出式を口実にエレナは大公家に滞在する時間を稼げることになる。
そして、皇太子妃の選出式に必要な評判を築かなければならないという理由で、自由に社交界活動もできる。
「私は大公家を分裂させるつもりです」
「分裂?」
「公女という自らの地位を利用して貴族たちを背けさせようと思います」
エレナはこれまで従順な態度を取ってきた。
しかし、ベロニカの復帰が差し迫った今、これ以上遅滞する理由はない。
ベロニカの地位を利用して大公家を分裂させることこそ、エレナが握っている最高の切り札なのだ。
「君は・・・」
シアンは表情を曇らせながらエレナを目に留めた。
自分の気持ちもわかってくれない上、皇太子妃の選任に大きな意味を置かない彼女に内心残念な気持ちがした。
いや、残酷とまで思ってしまう。
それにもかかわらず彼女を憎むことができない。
むしろ自分の無能さに腹が立っていた。
「君は私を困らせる才能があるな」
「申し訳ありません。困ったお願いをしてしまい」
エレナはどうしても頭を上げられなかった。
説得しながらも、心の中で何度も躊躇いを繰り返す。
いくら大公家を没落させる計略だったとしても、シアンと結びつくことだけは避けたかったから。
「皇太子妃は私の伴侶だ。また帝国の国母になる女性でもある」
「分かっています」
一時エレナはその場にいた。
皇太子妃を経て皇后に就いたのはセシリアだったが、即位後間もなく毒殺されたため、皇妃のエレナが皇后も同然だった。
「率直に言うと君の頼みを断りたい」
「・・・」
エレナは言葉を慎んだ。
頼んだのはエレナだが、それを受け入れるのはシアンだ。
彼の意思を尊重するのは当然のことだろう。
エレナとしては皇太子妃になることはトラウマでしょう。
皇太子妃になってからの良い思い出はないのでは?
それでも大公家を没落させるためにお願いをするエレナ。
シアンは彼女の提案を受け入れるのでしょうか?
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