こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は181話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
181話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side リアブリック②
「ノートン子爵の行跡は?」
「昨日ウォルフガング伯爵令嬢の結婚式に参加するために首都に来たのですが、ここに来るとは・・・」
アルディールはノートン子爵の行跡を欠かさず確認する。
しかし、今日領地に戻るという予想から脱して、大公家を直接訪問するとは夢に思っていなかった。
「ちょうど大公殿下も不在ですので、子爵様が直接お会いした方がいいと思います」
ルミナスも頷いて同意する。
偶然首都に立ち寄ったついでに大公家を訪問したと見るには、時期上適切ではなかった。
ノートン子爵の性情からして、突然大公家を訪れたのにはそれだけの理由があるのだろう。
「今離れにいるんですって?お会いしましょう」
「それがですね。大公殿下に謁見するまで誰にも会いたくないと仰っております」
「何ですって?」
リアブリックの表情が見事に歪んだ。
誰にも会いたくないなんて。
これはリアブリックに合わないという意思を迂回的に示したのと同じだ。
(会わないと言うのなら、会ってくれる時まで訪ねていかなければならないわ)
自尊心が傷つく行為だが、それを隠す立場ではなかった。
本当に怖いのは今の席を失うことであって、一瞬の自尊心などは重要ではない。
この償いは危機を免れてからでも遅くないのだから。
リアブリックは真っ直ぐ離れに向かった。
外部貴族たちが訪問する時に泊まる離れの規模はそれほど大きくなかったが、大公家に相応しい品格を備えた場所だ。
「リアブリック子爵が会いに来たと伝えてください」
リアブリックがそう言うと、離れの護衛を務めたノートン子爵の騎士が表情を固める。
「誰にも合わないと言ったはずです。無礼と承知で?」
「無礼なことを知りながらも訪れるほど切羽詰まったことなのです。リアブリックに会って欲しいと伝えてください」
貴族のリアブリックが礼儀正しく頼むと、騎士も強くは出れなかった。
しばらく待つように言葉を残し、騎士は離れの中に。
そして戻ってくると。
「会いたくないそうです」
「もう一度聞いてください。金鉱の税率と関連したことだと。絶対に損することはないと」
「ですから___」
「告げてください」
リアブリックが声を低くして冷ややかに話すと、驚いた騎士が再び離れの中に入っていく。
離れの中で大声が行き交い、騎士が苦虫を噛んだ表情で戻ってきた。
「見たくないそうです。これ以上私を困らせずにお帰りください」
文句を言われたのか、騎士の態度と話し方から冷たさが滲んでいる。
(なんでこんな風に出るの?)
リアブリックは視線を逸らして離れの2階を見上げた。
ここまで低姿勢を取ったにもかかわらず会わないということは、彼女の失脚に深く関与しているという傍証でもある。
「明日また会いにくると伝えてください」
「来ないでください。またいらっしゃっても、お目にかかることはないと仰っていました」
ノートン子爵がしっかりと周知させたのか騎士は少しの余地も与えなかった。
リアブリックは2階の離れをしばらく睨みつけて振り返る。
離れから遠ざかると同行したアルディールに命じた。
「他の貴族の動向を調査して報告しなさい。特にボロニー伯爵とフアン男爵の動線を見逃さずに」
「はい、子爵様」
執務室に戻る間、リアブリックの表情は終始暗かった。
聡明で非凡な頭脳で世の中を牛耳っていた彼女がここまで焦ったのは初めてのこと。
「ここで崩れるわけにはいかない。絶対に・・・」
リアブリックは信じていた、まだ猶予はあると。
手遅れになる前に貴族を分裂させれば、最悪の事態は避けられると。
しかし、そのような信頼が崩れるまでにかかった時間は1日もかからなかった。
翌日、せいぶのボロニー伯爵と南部のフアン男爵が予告もなく大公家を奇襲訪問したのだ。
2階のテラスに座ったエレナは、ゆったりとティータイムを楽しんでいた。
暖かい日差し、最高級の紅茶、特別に気を使ったデザートまで、すべてが完璧だ。
しかし、本当にエレナを楽しませる喜びは別にある。
テラスの下を見下ろすエレナの視線に、大公家を訪れたボロニー伯爵が見えた。
「今日ね、リブ」
エレナの口元に濃い笑みが浮かんだ。
先に訪問したノートン子爵と今訪問したボロニー伯爵、午後に大公家に到着する予定のフアン男爵まで、緻密なくエレナの采配だった。
リアブリックの世論が良くないこの時期、東部と西部、そして南部貴族の首長格に相違ない3人が訪問し、フランツェ大公と談判するためだ。
「リブ、あなたが私に言ったのでしょう?」
エレナはティーカップを持ち上げて紅茶を一口飲んでテーブルに置く。
「窮地に追い込まれたネズミは猫を噛むというから、時間を与えずに首を噛まなければななないって」
リアブリックは、「考えは慎重に、行動は迅速に行うことが重要だ」と教えた。
エレナはその言葉通りに従い、短時間でアヴェラが握っていた社交界の主導権を奪ったのだ。
徐々にリアブリックの息の根を締めるエレナの計略も、すべては彼女の教えに起因している。
ついに3貴族が集結!
エレナの復讐がついに始まりますね。
リアブリックへの復讐は、大公家からの排除なのでしょうか?
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