こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は191話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
191話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 皇室
皇居、ネミネシア庭園。
本宮の裏庭に位置するここは皇帝だけのための空間だ。
よく整えられた庭園のあちこちには、過去の先代皇帝たちの銅像と碑が建てられており、帝国の栄光と歴史がそのまま記憶された場所だ。
そこに現皇帝リチャードが座っていた。
50代前半の彼は痩せ細った体に顔色が良くない。
一目で見ても病弱なためか、皇帝の威厳や気品は見られなかった。
「こ、ここで会うのはいつぶりか分からないな」
気力が尽きたのか皇帝リチャードの声はひび割れている。
茶器が置かれた円形テーブルの左右に男女が座っていた。
皇帝リチャードの黒髪を受け継いだ皇太子シアンと、帝国の国母と呼ばれるフローレンス皇后。
彼女は皇太子妃選出式の3回目の競合に先立ち、皇帝リチャードの突然の呼び出しを受けたのだ。
それはシアンも同じ。
「本当に分からないことですね。何年間、私を訪ねていないのに何の風が吹いてお茶を飲もうと誘うなんて」
フローレンス皇后は冷気をプンプン漂わせていた。
後継を持とうと努力したにもかかわらず妊娠できなかった彼女は、その全ての責任を病弱で気弱なリチャード皇帝のせいにしている。
そのためか、相変わらず彼を恨んでいた。
「新しい家族を迎える良い日じゃないか?」
「家族ですか?」
フローレンス皇后が呆れるように舌打ちする。
家族という垣根で結ぶには、3人の関係はあまり良くない。
フローレンス皇后は入宮するやいなや、幼いシアンを牽制してきた。
自身の後継者を産むなら除去すべき第1順位であるだけに、一抹の程度も配らなかったのだ。
母の情を渇望するシアンを冷たく無視し、大したことではない事でケチをつけて叱責したりもした。
後のためにシアンの気力を殺しておくために。
その厳しい時間に耐えたシアンなので、形式的な次元で皇后に向けた礼を尽くすだけで、成人してからは彼女と相対すらしなかった。
家族と呼ぶには恥ずかしいほど歪んだ関係。
そのような仲を知らないはずがないにもかかわらず、リチャード皇帝は無愛想に接した。
「太子の気持ちはどうなのだ?もうすぐ伴侶が決まるはずだが」
「皇后様が懸命な判断をすると信じています」
皇太子妃選出式の3回目の競合に進出した令嬢たちは、最終審査を経てフローレンス皇后の特恵を受けることになる。
帝国の建国以来、皇太子妃の潤沢は内宮を管掌する皇后の役割だった。
「皇后、そうだな」
リチャード皇帝が見つめると、フローレンス皇后が唇をピクピクさせる。
不満そうにシアンを見て椅子から立ち上がった。
「太子があそこまで待っているのに、皇太子妃の選出式をこれ以上遅らせては困ると思います。これで失礼いたします、陛下」
「ははは、皇后が太子をこんなにも心配しているのだから、これ以上望むことはないだろう。行きなさい」
フローレンス皇后は軽く礼儀正しく振り向いて庭を出ていった。
取り返しのつかないほど避けた間柄だったので、これ以上話すこともなく、一緒に顔を合わせているのも不便だったから。
「もういいのか」
フローレンス皇后が庭を抜け出したことを確認した皇帝リチャードがシアンに尋ねる。
「はい、陛下。ありがとうございます」
「一体何を考えている?君があまりにも頼んで皇后を引き止めたが、ゴホゴホ・・・」
話を続けていたリチャード皇帝が咳をした。
ただでさえ体調が良くないのに庭に出てきたので、普段よりも咳が酷い。
「大丈夫ですか?」
「たかが咳だ。気にするな」
「ですが・・・」
シアンの表情に水深が深まった。
最近になってリチャード皇帝の健康が著しく悪化したためだ。
「私に生きる日はあまり残されていない。気にして何の意味があるだろうか。君に大きな荷物を残していくようで、ただ申し訳ないだけだ」
「・・・」
「行きなさい。やるべきことが残っているのだろ?」
リチャード皇帝が荒い息を吐き出しながら手をさっさと振る。
時間を稼ぐためにここにいるが、心は別の場所にあるシアンの本音を見抜いたのだ。
「皇室のセラピストを呼んできます」
「治せる病気だったらとっくに治しただろう。余計なことをしないで自分のことに集中しろ。行きなさい、早く」
リチャード皇帝の催促にシアンは黙礼し、急いで庭を出た。
早足で本宮を出たシアンは別宮に移動する。
(計画通りに抜け出しているのだろうか?)
シアンの頭の中はエレナのことでいっぱいだ。
リチャード皇帝に頼んで予定もないティータイムを持ったのも、エレナが逃げる時間を稼ぐためだった。
秘密通路を利用して皇居を出る間、3回目の競合を最大限先送りし、彼女がいなくなったという事実を遅く気づくように手を使ったのだ。
フローレンス皇后と予定にないティータイムを持つことで時間稼ぎは成功した。
皇帝と皇后の初登場。
関係は修復できないほど悪化しているのですね。
リチャード皇帝とシアンの関係が悪くないのが、唯一の救いでしょう。
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