こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は153話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
153話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 母と娘の再会
ふと視界が暗くなって顔を上げた。
窓の外を見るといつの間にか夕暮れ時。
シエラはオレンジ色と紫色が入り混じった空をしばらく見てベスを呼んだ。
「部屋が暗いから電気をつけてちょうだい」
「はい、奥様」
ベスは何も言わず、すぐに動いた。
普段であればベスが最初に気づいて部屋の明かりを灯しただろう。
しかし、今日はシエラがしばらく物思いに耽っていたようなので、ただ彼女を邪魔しないために静かにそばを守っていたのだ。
デオンが去った後から、シエラは今のように一人でじっと何かを考える時間が多くなった。
ひょっとして彼をあのように送ったことを後悔しているのだろうか?
アグリチェの使用人だったベスも、シエラの息子であるアシルを殺したのがデオンだという事実を知っている。
ベスはシエラの顔を注意深く見つめる。
しかし、彼女の懸念とは異なり、シエラから想念の跡は発見されたとしても、煩悶の跡は見つからなかった。
静かに動いたベスがテーブルの上の蝋燭に火をつける。
エミリーはカーテンを閉めるために窓際に近づく。
ところがなぜかカーテンを握ったエミリーの手が突然止まった。
「・・・」
彼女の目はどこかに固定された。
「エミリー?」
シエラとベスは、突然動きを止めたエミリーを不審そうに見つめる。
やがてエミリーの手はカーテンから離れ、すぐ続いた彼女の歩みは、元々あった場所ではなく、入り口の方に向かっていた。
コンコン。
ドアを叩く音が聞こえる。
あっという間に室内が静かになった。
エミリーは訪問した人の正体を確認せず、躊躇うことなくドアのロックを解除する。
その頃にはシエラも何かを予感して息を殺した。
ついに開いたドアの間から一層濃くなった落潮が漏れる。
一面に濃い赤色に揺れる風景が視界に広がった。
エミリーはその中に立っている人に話しかける。
「お待ちしておりました」
エミリーの低い声を聞いた人物がゆっくりと手を上げ、頭上にかぶっていた帽子を脱いだ。
すると金色の滝が待っていたかのように肩の下に流れる。
次の瞬間、耳元に響いたのはシエラが夢でさえ忘れたことのない声。
「久しぶりね、エミリー」
シエラが席を立ってしまったのは当然のことだった。
エミリーは頭を下げて一歩後退する。
それでシエラは前を遮るもの一つもなく自分を訪ねてきた人と視線を合わせることができた。
シエラは思わず今目の前にいる人の名前を声を出して呼んだ。
「サナ」
ロクサナは実に久しぶりに顔を合わせた母親を黙って見つめた。
アグリチェにいた時もいつも距離を置いて遠ざけていた母親なので、このように目を合わせるのはとても久しぶりだ。
そして・・・。
今ここはアグリチェではない。
また、もうあの時と同じ気持ちで母親と接しなくてもいい。
それでロクサナは唇を開いて今この瞬間向き合った人に言いたい率直な言葉を囁いた。
「お母様、会いたかったです」
「私は先に兵舎に戻ります」
「ああ」
夕方頃、ペデリアンは移動を止め、行列を整備し、キャンプの準備をしていた。
周辺視察を終えたイシドールが先に帰った後、カシスは森に一人残って茂った木の上に現れた空を見上げる。
彼の顔に暮れゆく日が濃く広がった。
もうすぐ夜がやってくるだろう。
ユグドラシルに完全に入るまでの残り時間はあと2日。
その中に訪れるだろうとカシスが予想している訪問客はベルティウムだけではない。
それはカシスが一抹の迷いを残してロクサナを先にペデリアンから送った理由の一つでもあった。
その時、横から感じた気配にカシスの瞳に宿っていた鋭い気運が一気に消え去る。
カシスは遠くの動物をしばらくじっと見つめ、それに近づいた。
すぐにカシスの手が鹿に触れる。
優しく撫でる手が獣の長く伸びた首と背筋の毛を選んで通り過ぎた。
カシスから漂う清潔な気運のためか、鹿は少し警戒しながらも、その手に優しく身を任せた。
誰かが見たら、とても平和で美しいと言える光景だろう。
バサバサ!
しかし、次の瞬間、鹿は一気に生命力を吸い込まれ、自分の終わりを予感することもできないまま息が切れた。
カシスは死んだ動物に対して、略式で魂を称える礼遇を行う。
生気をすべて奪われた獣は骨と肉一つ残さず、すぐに埃に変わって散った。
暇がある度にロクサナの体に注ぎ込んだ生命力の根幹だ。
魂を傷つけずに一つの命を救うためには、その数百倍に達する無数の命を犠牲にしなければならない。
ロクサナがシエラを避けていた理由はアグリチェの領地内だったから?
この後の母娘の会話が気になりますね!
一方でカシスの一抹の不安とは?
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