影の皇妃

影の皇妃【194話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は194をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【影の皇妃】まとめ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております。 ...

 



 

フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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194話 ネタバレ

影の皇妃【193話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 今回は193話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 安息

「たかがこのくらいの実力ですか」

「え?」

「それならガッカリですね」

「生意気な奴め」

ローレンツは馬鹿にしたように笑う。

口だけ。

窮地に追い込まれたネズミが虚勢を張っているようにしか見えない。

とん。

夕立のような剣の刃の降り注ぎに追い詰められたヒュレルバードが壁に押し寄せられた。

これ以上ヒュレルバードは後ろに下がることもできない。

空間を先取りしたローレンツが完璧に近い動作で剣を抜く。

正確にヒュレルバードの脇腹から右太ももを狙う。

「・・・!」

その瞬間、ローレンツの背筋がひんやりし、全身の神経が逆立ちしゾッとした。

(な、何だ?)

訳の分からない不安を感じたが、彼の一撃は止まらない。

ヒュレルバードの脇腹に剣が届く直前であるだけに、攻撃を成功させ、不安を振り切ろうとした。

そうした判断が取り返しのつかない状況を招くとは知らずに。

 

 

 

 

 

「・・・え?」

ローレンツは震える目で自分の腹部を見下ろす。

冷えるほど冷たい剣の刃が腹部を突き抜けて腰の後ろに飛び出したようだった。

動きさえ見られなかったが、いつの間にか剣を刺されてしまったのか理解できなかった。

(残像?)

目で追うことができないほど機敏な動作に、ローレンツの目にはヒュレルバードが止まっているように見えたのだ。

 



 

「あ、あり得ない。あの根元もない・・・、草原部族出身に私が・・・」

ローレンツも幼い頃から天才と言われながら成長した。

まだ彼が18歳で受けた最年少騎士選任記録は破られていない。

そんな彼がヒュレルバードの一撃を受けることができなかった。

一歩差の水準ではなく、圧倒的な格差で。

大公家の第1騎士団の騎士団長である自分であっても、勝利を断言できないほど驚異的な実力差だ。

ヒュレルバードは無感情の瞳でローレンツを見つめる。

勝利を当たり前のように受け入れるヒュレルバードの姿が、ローレンツをさらに惨めにした。

「こ、この野郎・・・」

冷たく感じられた刃が肉と腹部を抉ると血が逆流する。

口の中いっぱいに逆流する生臭い血を我慢できず、瀉血しようとしたとき。

「うっ」

ヒュレルバードはローレンツの口にハンカチを突っ込み、逆流した血がハンカチを赤く染めた。

死まで嘲笑うような侮辱的な行為だったが、ローレンツには抵抗するほどの力が残っていない。

そんな彼を見て、ヒュレルバードは淡々とした口調で言った。

「お嬢様が下す罰は安息です」

死とは安息。

「これで終わりだとは思わないでください。お嬢様を侮辱した代価を払わせます。あなたが軽視した草原部族の方法で」

ヒュレルバードは一度も表したことのない恐ろしい表情を浮かべる。

何をしようとしているのか分からないが、それが決して良いことではないことは分かった。

(し、子爵様に早くこの事実を・・・)

意識が薄れる渦中でも、ローレンツはリアブリックのところに行かなければならないという考えが頭に浮かんだ。

しかし、死んでいく肉体は彼の意志を裏切る。

 



 

息切れを確認したヒュレルバードは崩れ落ちるローレンツの体を片手で支えた。

そして余分なハンカチを取り出し、剣が刺さった場所に押し込む。

血ができるだけ漏れないようにするための措置だ。

エレナはできるだけ痕跡を残すなと命じた。

ローレンツを制圧する過程でヒュレルバードが相手をせずに隙を狙ったのもそのためだ。

剣と剣がぶつかる破空音を聞いて近衛隊員たちが押し寄せることになれば、彼が体を抜くことは不可能に近かった。

「まだまだだな」

ヒュレルバードは修養が足りない自分の実力を叱責する。

意図的に接戦を避けながらローレンツの油断を誘導した後、一撃で制圧するのは良かった。

あまりにも実力の差が大きかっただけに、それほど難しいことでもなかったから。

問題は手の中だ。

エレナを卑しい女と侮辱したことに激怒し、思わず激しい反応を見せてしまった。

感情的な影響で予想より多くの血を見せてローレンツを殺してしまった。

「私を侮辱して顔に唾を吐いても構わない。だが、私のお嬢様を辱めるのは許せない」

冷たい遺体になってしまったローレンツの遺体を暖炉の方に引き摺り出し、剣の刺さった部位から流れ出た血がローレンツの制服を濡らす。

ハンカチで処置をしたが、遅滞した肝臓の血が底に落ちるだろう。

ヒュレルバードは燭台を握り、エレナが教えてくれた通りに操作した。

カチッ!

ピッタリ合う音がして暖炉の内側の壁面が開き秘密通路が現れる。

ヒュレルバードは剣が刺さったローレンツの遺体に衝撃を与えないよう秘密通路に移す。

そして応接室の中を見て、残したかもしれない痕跡を再確認して、秘密通路に消えた。

カタン。

暖炉の後ろの石壁が閉まり、本来の姿に戻る。

騒ぎがあったとは思えないほど、応接間は平和だった。

まるで何事もなかったかのように。

 



 

・・・ヒュレルバードが強過ぎましたね。

出来ればローレンツにはもっと苦しんでほしかったですが、騎士としては最上級に侮辱的な死だと思うのでエレナも満足するはず。

エレナたちは秘密通路を脱出できたのでしょうか?

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