こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は195話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
195話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 偶然を装った必然
エレナは陰湿な秘密の通路に沿って足を踏み入れた。
光が一点もないのも手に余るが、内部が迷路のように複雑に作られているため、速度を出すのが容易ではない。
「メイ、少しだけ我慢して。もうすぐ出られるから」
エレナはメイを後ろから追いかけた。
意識を失ったアンをおんぶするだけでも大変なのに、視野も確保されていない狭い秘密通路に沿って歩かなければならないので手一杯だっただろう。
「お嬢様、私は大丈夫ですので、心配しないでください」
勇ましく答えるメイに申し訳ないと感じたエレナは、再び前に向かった。
果てしない静寂と闇がジワジワと息苦しい気持ちで彼女の胸を締め付ける頃には、遠くから水が流れる音が聞こえた。
エレナの表情に明るい色が漂う。
「もうすぐ着くと思う」
秘密通路から出ることができる脱出口は計二ヶ所。
そのうち最初の通路がこの地下水路だった。
近くで見ると、流れはそれほど強くない。
水深もそれほど深くなく、大人一人が身を任せて運ぶのにピッタリだ。
(この流れに身を任せれば、一気に水道を抜けることが出来ると言った)
皇居の下にこのような地下水が流れているという事実を知っている人は極めて珍しい。
知っているとしても非常脱出の用途に利用すると誰が考えるだろうか。
「残念だけど、この道じゃない」
しかし、エレナは地下水に浸らない。
一気に首都の外まで抜け出せると言ったが、正確にどの地点に出るか把握できないから。
見当がつく川筋はあるが、皇居が建てられて数百年が過ぎたことを勘案すれば、地下水路が壊れていないという確信もなかった。
本当に無事に出られたとしても意識のないアンを連れ出すのは無理だ。
「あっちへ行きましょう」
エレナは2番目の出口を選ぶ。
水流を利用して一気に首都の外郭に抜けるではなく、皇居の外壁と内壁の間の隙間を利用して東宮に抜ける方法だ。
(今頃は大騒ぎしているでしょうね。おそらく皇居はひっくり返っているんじゃないかしら?3回目の競合を行おうと応接室で待機していた公女と侍女、騎士まで姿を消したのだから)
それが全てではない。
エレナが乗ってきた馬車は大公家に戻り、皇帝リチャードが予定にもないティータイムを開いて競合を遅らせた。
皇太子妃の選出を快く思っていないシアンは、狩りに出た。
偶然を装った必然が連鎖作用のように発生し、彼女を注視していた大公家を混乱に陥れるだろう。
(全部上手くいくとは思っていない・・・)
エレナは不安を飲み込んだ。
精魂込めて緻密に計画を立てたが、完璧なことはない。
人がすることだけに変数というものがあるのだから。
「ここね」
秘密通路の端、行き止まりの壁の前に立ったエレナが石壁をなぞる。
指先に触れる異質な感触のレンガを精一杯押す。
すると、少しずつ石壁が開き、光が漏れてきた。
アンを降ろしたメイも前に出て手伝うと、十分に体を通せるほどの隙間が開かれる。
エレナは石壁から身を引く。
真昼にもかかわらず、高い石壁のせいか暗い印象を受けた。
まるで狭い路地の間にいる気分というか。
「行こう」
エレナは秘密の通路と同じくらい狭い外壁の間を歩く。
遥かに高い塀越しの青空を見ながらエレナはどのくらい歩いたのだろうか。
遠くから騒がしさが感じられた。
走る馬車の振動、通行人の話し声、果物屋の客引き行為など首都の日常的な音。
路地がほとんど終わりに近づいていることを意味している。
エレナが角を曲がって足を早めると、11時に繋がっていた外壁の壁が見えた。
安心するには早いが、皇居は無事に抜け出したわけだ。
「もうすぐね」
エレナは足を止める。
外壁はここで終わりで、これ以上の路地もない。
目の前は街道で、そこから前に進むことができなかった。
エレナの前を異様なテントが塞いでいたからだ。
「はぁ・・・、本当にハラハラして、予想より遅くなって私がどれだけ心配したか知ってる?」
テントの奥から男がブツブツ言いながら歩いてきた。
ボサボサ頭に黒い肌、独特な服装は有色人種に近い。
エレナはそのような男を警戒するどころか、親しみを込めて答える。
「秘密通路が思ったより少し複雑だったので」
「無事ならそれでいいよ。さあ、こっちに入って」
男の正体は変装したカリフだった。
皇太子妃の選出式に参加した服装では、街道に出た瞬間、周囲の注目を集めるしかない。
それがエレナが事前に路地裏にカリフを待機させた理由だ。
隠密で静かにここを抜けた目に。
テントの中は狭かった。
それもそのはずで、テントは放浪民族ジプシーたちが愛用する放浪馬車なのだから。
「外で待っているから、早く服を着替えて」
カリフは外部の人に見られないように外からテントを締める。
その間に、エレナはドレスを脱いでカリフと同じようにジプシーたちが主に着る見窄らしい伝統衣装に着替えた。
ついに脱出したエレナたち。
残るヒュレルバードが来れば、脱出計画は成功ですね。
問題は、大公家がどこまで対応しているかでしょうか?
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