こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は178話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
178話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side カシス・ペデリアン②
「少しは安心できるかな?」
ニックスは部屋を変えただけで安堵した表情を浮かべていた。
「さっきよりは」
そうするうちに彼はさっきまで興奮していたことを思い出し、一歩遅れて恥ずかしくなったのか、再び公然と刃を立てる。
「そもそも外で兵士が立っていたなら、こんなことにならなかったじゃないか。昨日もあの女が勝手に私の部屋に出入りして、それに加えて何も喋らないし」
カシスはそんな彼をじっと見つめ、すぐに同じ場所に釘付けになっていた足を動かす。
「あなたはデオン・アグリチェだけ怖いみたいだね」
「え?」
妙に肉感に触れる低い吟醸に、部屋の隅に位置していたニックスが頭を上げた。
いつの間にか距離を縮めて近づいてきたカシスが、体を下げて足枷を嵌めたニックスの手首の上部を掴んだのは、まさに次の瞬間。
ギュッ!
「あっ・・・!」
続いて何かが潰れる音と共に破れるような悲鳴が静かな部屋に響き渡った。
ニックスは壊れた手首を握っていたカシスをすぐに引き離そうとするが、床に押し潰されたまま固定された彼の手はびくともしない。
「今すぐ、放して・・・!」
むしろカシスは鎖の音を立てて暴れるニックスのもう一方の手まで握って同じことをもう一度繰り返した。
「ベルティウムの人形」
全身で苦痛を訴えるニックスを見ながらも、カシスの顔には一抹の感興も浮かんでいない。
「私はあなたがとても気に入らない」
ニックスの上に岩塊のように落ちてきた声は一見無味乾燥に感じられるほど落ち着いていて、その中に感情が完全に排除されたようにさえ感じられた。
「私は、彼女に少しでも害になるようなものは世界に何も残したくないと思っている」
次の瞬間、呻き声を上げ、正面から向き合ったカシスの瞳に・・・、ニックスは全身の産毛まで真っ逆さまになるような気分になってしまった。
「そして、私が彼女の目の前で跡形もなく片付けてしまいたいものには、あなたも含まれている」
カシスが握る手首にそっと力を加えると、再び耳元にニックスの悲鳴が響いた。
カシスはそんなニックスに向かって低く「静かに」と囁いた後、今度は触れ合った部分に他の力を流す。
彼の手の中で木の枝のように無惨に折れていた手首が素早く治療され始めた。
「でも私が目障りなものを心ゆくまで殺さないのは・・・」
そうしている間も穏やかな囁きは続く。
「そんな私の行動が逆に彼女を傷つけるのではないかという恐怖が残っているからだ」
折れた手首が驚くほど綺麗に治ったにもかかわらず、ニックスは依然としてカシスの手に掴まって動けなかった。
ニックスと同じように床に着くほど膝を曲げて体を下げた男が、なぜかとても巨大に感じられて息が詰まってしまう。
背後に飢えた獣が口を大きく開けていて、もし少しでも体を動かすと、首筋に触れた鋭い歯が一秒も迷わず待っていたかのように、すぐに身を突き破って入ってきそうだった。
「言い換えれば、今あなたがこのように私の前で生きて呼吸できているのは、ロクサナのおかげだということだ」
グシャ!
今治療を終えたばかりなのに、今回はさらに強力な力が接触したニックスの手首に乗って彼の肩まで巻き上がった。
無形の力が通る場所ごとに、間違いなく骨と肉が本来の姿を失い、数十、数百ピースで無惨に撲殺されていく。
「・・・!」
今度はニックスの口からまともな悲鳴さえ吐き出せなかった。
「うぅ、ふぅ、あ・・・」
「でも、私が思うに、あなたは」
カシスはものすごい痛みに上半身を倒すニックスを冷ややかな目で見下ろしながら口を開く。
「こんな瞬間でさえ、私からあなたを守ってくれている人に対する礼遇がかなり足りないようだね」
もしニックスが汗と涙を流すことができたなら、今頃水に溺れた人のように全身がびしょ濡れになっていることは明らかだろう。
「命を救われる立場なら、それにふさわしく、もう少し丁寧な心構えと態度を骨の髄まで刻んでおくべきじゃないかな、ベルティウムの人形」
結局はロクサナに対するニックスの態度が気に入らず、今の状況に至ったのだ。
もちろん、ただその理由だけでなく、ニックスの存在自体がカシスの審査を歪めてもいる。
ニックスはベルティウムからカシスの殺意を呼び起こす対象なのだから。
それに加えてペデリアンの地下監獄にいた時のように、今もロクサナに向けた生意気な言葉と行動がひどく気になる。
カシスは再びニックスに癒しのエネルギーを吹き込んだ。
「今までは君と二人きりで会話をする時間がなかった」
しかし、これが終わりではないことを直感したため、ニックスは安堵するどころか、むしろ全身に鳥肌が立つような感覚を感じるだけ。
「でも残念ながら・・・」
早朝の冬の森のように冷たく落ち着いた声が、緊張していたニックスの耳に入っていく。
「今の君と僕には十分に時間があるね」
その瞬間、ニックスは背筋が涼しくなるのを感じながら、甘い唇の間に息を吐き出してしまった。
もう一度肌に食い込んだ氷のような寒気が血管の奥深くまで染み込む。
カシスが言ったように、その後続いた時間はこのまま永遠に終わるとは思えないように、ニックスにとって過酷なほど長かった。
カシスの力が一番恐ろしいですよね。
破壊と再生を繰り返して行える。
拷問される側としては恐怖でしかないです。
ニックスの心が折れるのも時間の問題ではないでしょうか?
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