こんにちは、ピッコです。
「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。
今回は24話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
24話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ローズマリーの最後
穏やかな風の吹く暗い夜。
シアナはよそよそしい様子で首をかしげた。
そこにはラシードが立っていた。
ラシードは満面の笑みで口を開く。
「久しぶりだね」
シアナは頭を下げて挨拶した。
皇太后に関する情報を得るために会ってから初めて会ってから、約3ヵ月ぶりだ。
ラシードは美しい顔で言った。
「話は聞いたよ。お婆様の心を得たんだって?」
「賢いお姫様の努力のおかげです」
シアナの言葉にラシードは笑い出した。
アリスの能力はもちろん認める。
しかし,彼女がそうできるように緻密な計画を立てたのはシアナだ。
(アリスと私以外は誰も知らないと思うけど)
ラシードはそう思って、シアナのそばにに迫る。
「それで今度はどうして会おうと言ったんだ?」
「知りたいことがありまして」
以前のようにラシードに情報をもらいたいという話だった。
ラシードはためらわずにうなずいた。
「話してみて」
シアナはラシードの目を見つめながら尋ねる。
「お姫様の実母であるローズマリー様が亡くなったことに、皇太后様が関わっているのは本当ですか?」
ラシードは目を見開いた。
「どこでそんなことを聞いたの?」
「アリスお姫様が皇太后様に可愛がられていることを不満に思う方です。それでその言葉が本当なのか確認したかったのです」
「・・・」
しばらくしてラシードは目を伏せて答えた。
「その話は正しくても間違っている。だって・・・あの日、ローズマリーを殺したのは皇太后だけじゃないから」
アリスの実母、ローズマリー。
彼女はバラ色の髪と青い瞳をした華やかな美人だった。
すらりとした彼女の腹が突き出ている。
皇帝の子だ。
口ーズマリーは腹をなでながら苦しそうな顔でつぶやいた。
「坊や、早く会いたい」
卑賤な踊り子の身分で皇帝を虜にした美しい女性だという世間の噂とは異なり、彼女の立場は不完全極まりなかった。
皇帝の愛情は蜃気楼より儚い感情だったからだ。
炎のように燃え上がった彼の愛は、すぐに冷め始めた。
「もうすぐ消えて火種さえ残らないだろう」
それでローズマリーにはお腹の中の子供がもっと大切だった。
彼女が再び皇帝の心をつかむことができる唯一の存在であり、彼女がこの皇居に留まることができるようにしてくれる存在だったからだ。
口ーズマリーは極度に体に気をつけて赤ちゃんを守った。
しかし、皇帝が皇居を空けた時に事件が起きる。
突然の陣痛が訪れたのだ。
予定していたよりも2カ月も早く赤ちゃんが出始めた。
「ああっ!」
ローズマリーは苦しそうな顔で息を切らす。
出血が酷すぎた。
全身が冷たく冷めて、手足もぶるぶる震えた。
彼女に仕える侍女が叫んだ。
「ローズマリー様の具合が悪いんです。早く医者を呼んできてください!」
しかし、いくら待っても医者は来ない。
よりによってその時、ローズマリーを診療していた主治医を含む皇居のすべての医師がそれぞれ仕事があったためだ。
いや、実はそれは言い訳に過ぎなかった。
寸刻を争う状況だった。
誰でも来るには来ることができた。
しかし、彼らは行かなかった。
皇帝の女性たちがそうすることを望んだからだ。
美しく着飾った女性たちは扇子をなびかせて言った。
「浅薄な体で皇帝陛下を誘惑し、初夜の恩恵を受けたなら、それで満足すべきだった。敢えて自分の血で汚された赤ちゃんを皇族だと言って産もうとするの?」
「決して起きてはならないことです。私たちがそのことを防がなければなりません」
彼らの視線が向けられたところは、両手を取り合ってそわそわしている医師たちだった。
「だから、あの娘には絶対に行かないこと。これは陛下の血筋を殺そうとするのではなく、陛下の汚名を生えないように防ぐことだから」
皇帝がいない今、彼女たちは皇室で最も大きな権力を握った人たちだ。
さらに、医師たちはそれぞれ彼女たちと密接な関係を持っている。
どの医者もその言葉を断ることができなかった。
そのことに気づいたローズマリーは涙を流した。
「残酷な人たち」
それでも陛下の赤ちゃんだから、手を出さないと思った。
なんて純真な錯覚だったのだろう。
しかし、このように泣いてばかりいてはいけない。
なんとか助かる方法を見つけなければならなかった。
その時、ローズマリーの頭の中に一人の人が思い浮かんだ。
「皇太后様!」
皇太后は皇室のすべての縁を切って宮に閉じこもって久しい。
それでローズマリーは彼女の顔も見たことがなかった。
皇帝の数多い女性の一人であるローズマリーの存在なんて、皇太后は知らないかもしれない。
「でも陛下のお母さんじゃないか」
どんなに冷たい母でも、我が子の子供にまで冷静ではいられないだろう。
この子を助けたくても彼女を助けるだろう。
ローズマリーは全身が裂ける苦痛の中で、皇太后に侍女を送った。
皇太后宮の医師を送ってほしいという懇願だ。
・・・しかし、帰ってきた侍女は一人だった。
女中が涙声で言った。
「皇太后様がおっしゃるには、皇居のことには関わりたくないとおっしゃいました・・・。それが皇帝陛下と密接に関連したことならなおさらだと」
口ーズマリーは絶望した。
・・・結局、半日が過ぎても医者は誰も来なかった。
それでもローズマリーが赤ちゃんを産むことができたのは、ひたすら最後まで赤ちゃんを諦めなかった執念のため。
「ローズマリー様!ついに赤ちゃんが出てきました。綺麗なお姫様です!」
しかし、ローズマリーは生まれたばかりの赤ちゃんの顔を見ることも、触ることもできなかった。
彼女はすでに死の淵に立っていたから。
彼女は死体のようにうつろな顔で一言つぶやいた。
「坊や・・・ごめんね・・・」
長い苦痛に涙も乾かなかった。
それが後宮ローズマリーの最後。
「・・・」
シアナの顔は暗かった。
ラシードはそのようなシアナを見て、慎重に口を開く。
「あまりにも残酷な話をして驚いた?」
シアナは眉をひそめて笑う。
そんなはずがない。
シアナは宮殿で生まれ、宮殿で育った。
彼女が育った宮殿もここと変わらなかった。
宝石で華やかに飾られた人々でいっぱいの宮殿は、決して美しい場所ではなかった。
お互いが殺し合う戦場だ。
だから、このような話は驚きもしなかった。
シアナの顔が暗くなったのは他の理由のためだ。
(お姫様にとても過酷なことをさせてしまいました。過去にこんなことがあったか知っていたら、アリス様の後ろ盾になってくれる人として皇太后を選ばなかっただろう)
皇室の人々が皆、党を組んで起きたことだとしても、皇太后がローズマリーの死に責任があるのは事実。
そのような人の愛を得るようにと言った。
それが本当に申し訳なかった。
ラシードはシアナに向かって言った。
「それで、これからどうするつもりなの?」
やっと作った繋がりを断ち切り、皇太后から遠ざかる可能性もある。
もちろん、最も愚かな選択だ。
急に近づいてきた消える幼い孫娘に皇太后は怒りを感じるだろう。
アリスを見始めた皇居の人々も、「皇太后に捨てられた王女」と踏みにじるだろう。
シアナもその事実を知っている。
そこでシアナは、はっきりとした瞳で答えた。
「皇太后とアリス姫の力を逆転させます」
「・・・」
これまで二人の関係は、皇太后が一方的に優位に立っていた。
アリスは彼女の機嫌を取るために首を絞めていた。
シアナはそのような二人の関係を逆にすると言っているのだ。
唐突な言葉にラシードの目が輝いた。
「どうやって?」
シアナは丸い目を少し曲げた。
「皇太后様に近付いた方法と違いはないです。・・・もちろん、以前よりははるかに悪辣で巧妙だと思いますが」
ラシードはぼんやりとシアナを見た。
(・・・こういう時はまるで別人みたいだ)
日差しの下でほうきを持って熱心に掃除する時は純真な少女のようだが、月明かりの下で
巧妙な策略を話す彼女は世の中を手に握って転がす妖艶な女性のようだった。
(なんだか顔が熱くなるね)
その時、シアナの視線がラシードに向かった。
「お話を聞かせていただきありがとうございます、殿下。お話代はどのようにお支払いすればいいですか?」
「・・・」
陰惨な話なので皇居の人たちがもみ消そうとしても大した秘密でもなかった。
ラシードでなくても、年輪のある侍従や侍女をつついていれば聞けたはずだ。
(それでも・・・)
ラシードはその話に値するものを欲しがった。
彼女から何かを受け取ることができる機会だったから。
ラシードは少し小さくなった声で言った。
「私の宮に遊びに来てくれる?」
シアナは突然の言葉にまばたきをする。
皇太子さまのお宮だから、侍女くらい満ち溢れているのに、あんなことを言うなんて・・・。
「皇太子宮には大変な仕事があるようですね」
「・・・」
「分かりました。時間がある日、殿下の宮に行って全身を捧げて働きます!」
そして、明るい顔で一言付け加えた。
「侍女一人の人力でも疎かにせずに使うなんて、殿下は本当に悪辣、いや、倹約しているようですね」
そうじゃないんだけど。
ラシードは少し悔しくなった。
ローズマリーの最後が悲惨です・・・。
皇太后と立場を逆転させる方法とは?
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