こんにちは、ピッコです。
「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。
今回は43話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
43話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- アンジェリーナの決意
「ヴィルヘルム侯爵が皇居を去りました」
アンジェリーナは信じられない顔でシアナを見た。
「いったい何をしたの?お父様はこんなに素直に去る方じゃないのに」
脅迫一杯に皇太子殿下ーさじを入れました。
シアナは心の中で答え、ヴィルヘルム侯爵がくれた紙を渡す。
「いずれにせよ、ヴィルヘルム侯爵がこのように自筆で書類まで残してくださったので、二言はしないでしょう」
アンジェリーナは複雑な顔で紙を撫でながら言った。
「・・・そうだね、お父様はこんなところは確かだから」
火のように燃え、氷のように冷たい父親だったが、自分が言った言葉は必ず守った。
しばらくの間、ヴィルヘルム侯爵は皇居に姿を現さないはず。
(しかし、これですべてが終わったわけではない)
もっと重要なことが残っている。
数日後のレイシスの誕生会だ。
目で見なくても分かる。
十数年ぶりに姿を現した皇子を見に来た人たちは驚愕するだろう。
皇子が変だって。
レイシスは自分に群がっている人を見て、怖がって途方に暮れるだろう。
最悪の場合、レイシスがパニックになって泣き叫ぶと、宴会はめちゃくちゃになるはずだ。
(もう侯爵の力は期待できない。なんとかアンジェリーナ皇妃様自身で事を収拾できるように対策を立てなければならない)
容易ではない状況に眉をひそめるのに暖かい声が聞こえた。
「レイシスの誕生日の宴会なんだけど・・・」
シアナは顔を上げて自分を呼んだ人を見た。
深刻なシアナとは違って、アンジェリーナの顔には笑みが浮かんでいた。
アンジェリーナは言った。
「キャンセルしたいの」
シアナは目を大きく開ける。
今朝、シアナが宴会を開くなと言ったとき、アンジェリーナはそれは不可能だと言った。
それでシアナは誕生日の宴会をしないという選択肢は最初から考えもしなかった。
アンジェリーナは眉をひそめて言った。
「そうだね。そう思っていたんだ。私は人々の視線も、父の怒りも耐えられないだろうと」
アンジェリーナは首を回して向こうを見る。
そこではレイシスは口を小さく開けて絵を描いていた。
「でも、もう違う。そんなことぐらいは乗り越えられるよ。いや、勝たなければならないの」
私はレイシスの母だから。
うちの子が一番大事だから。
「・・・」
シアナはアンジェリーナを見る。
彼女はまだ私の年より若く見えるし、細かった。
だけど春の花のように飛んで行きそうだった以前とは違って、強い意志が感じられた。
少女は初めて母親になったのだ。
シアナは口元を上げる。
嬉しそうでも、悲しいようでもある微笑だった。
シアナは頭を下げる。
「立派なお考えですね」
シアナの声には皇妃に対する尊敬が込められていた。
数日後、皇居は大騒ぎになった。
皇子レイシスに関することのためだ。
「レイシス皇子殿下の誕生日宴会が中止になったんだって?」
十数年ぶりに宮に入ってきた皇子が姿を現すことにした宴会であるだけに、多くの人々の耳目が集中していた。
そんな宴会が急に中止になったとは言葉が出るに値する。
「一体どうしてキャンセルになったんだ?」
「体が弱いという理由で皇居の外で育ったじゃないか。また体の調子が悪くなったのではないだろうか?」
アンジェリーナ皇妃はレイシス皇子の状態について詳しく語らなかった。
しかし、皇居の目と耳は明るいものなので、すぐに噂が広がる。
「実はレイシス皇子殿下は体が少し弱い程度じゃないんだって」
「じゃあ」
「人とまともに話もできず、一日中部屋で意味のないことをぶつぶつ言うばかりだって」
「え?」
噂は後を絶たない。
実は、レイシス皇子は「馬鹿天恥」で生まれた、魔女の呪いを受けた、長い病気に苦しみ、狂ってしまった。
ひどい言葉が出回った。
そんな中、誰かがアンジェリーナを訪ねてきた。
最初の皇妃ヨハンナだった。
彼女は皇帝と皇后が席を外している間、皇后に代わって皇居を管理していた。
「いらっしゃいませ」
アンジェリーナは優しい顔でヨハンナを迎える。
ヨハンナはそれとは対照的に冷ややかな顔で本題を切り出した。
「アンジェリーナ皇妃、レイシス皇子についての不穏な噂が流れていてやってきました」
「・・・」
「高貴な皇子に対して、ああだこうだと騒ぐ者たちを厳しく叱るのは当然ですが、そうすることはできません。なぜなら、皇妃の私でさえレイシス皇子の状態をきちんと知らないからです」
「・・・」
「皇族の中で皇子の姿をまともに見た人が誰もいないというのは問題があります。レイシス皇子に会わせてください」
アンジェリーナの顔は青ざめた。
しかし、しばらくしてアンジェリーナはうなずく。
「分かりました。代わりに一つ約束してください」
「何ですか」
「あの子に無礼を犯さないでください」
「・・・」
ヨハンナはアンジェリーナがなぜそんなことを言うのか理解できなかった。
しかし、部屋のドア越しにレイシスを見て、その意味を理解する。
(正常じゃないわね)
レイシスは絵を描いていた。
しかし、その短い場面でも、彼が平凡な人たちとは違うことが分かる。
どこか焦点を外れた目、開いた唇の間から絶え間なく吐き出す独り言。
アンジェリーナの言葉は、その姿を見て驚き、皇子の状態がどうしてああなのかという無礼な話をしないでほしいというお願いだったのだ。
ヨハンナの隣にいたアンジェリーナが言った。
「お分かりでしょうか?私の息子は狂っていません。呪われてもいません。ただ、ちょっと・・・」
「精神が崩れたのか」と思ったヨハンナにアンジェリーナが話し続ける。
「特別なのです」
「・・・」
弱々しい声には少しの揺れもなかった。
「本当にそう思う」という声だ。
ヨハンナはアンジェリーナを奇妙な目で見つめながら言った。
「そう考えるなら、誕生日の宴会をキャンセルしなくてもよかったのではないですか。そのためあちこちでおしゃべりです」
アンジェリーナもその事実を知っている。
特に皇族たちは、「皇子の姿をこのまま見せないつもりか」と不満が多かった。
「しかし、宴会を開くことはできませんでした」
そこに集まった人々の視線を予想したからだ。
そしてその視線にレイシスが傷つくことを知っているから。
ヨハンナが言った。
「それではこれからずっと皇子を隠すつもりですか?」
アンジェリーナは真顔で首を横に振る。
「いいえ、絶対にそのつもりはありません」
今はレイシスが自分の部屋から出るつもりがないので待っているだけだ。
レイシスが望むなら、一緒に行くつもりだった。
皇居の中のきれいに飾られた庭園であれ、皇居の外の鬱蒼とした森の中であれ、遠い外国の美しい休養地であれ。
レイシスを残酷に評価する人がいないところならどこでも良かった。
ヨハンナは目を伏せて言った。
「一言で勝手な行動をするということね。皇子としてしなければならないすべての義務を無視して」
「・・・そうです」
アンジェリーナはスカートの裾をつかんで答える。
小さな声だったが、断固たる意志が込められていた。
「きっと言葉が出ると思いますが。皇子としてふさわしくない行動である。皇子の資質がない」
レイシスは次の王位継承権を持つ皇子だ。
そんな彼にそのような評価が下されるのは致命的だった。
衝撃的なことを言ったと思ったが、いざアンジェリーナの顔は平穏この上なかった。
アンジェリーナは言った。
「そんなことを言われても構いません」
「・・・」
「私はただレイシスが幸せになることを願うだけですから。あの子に皇帝に行く道は恐ろしい地獄道であるだけです。私はそういうものが欲しいと思っていません」
それはすぐに皇座への道を放棄するという衝撃的な宣言だった。
無表情なヨハンナでさえ目が少し大きくなるほど。
しばらくして,ヨハンナはうなずいた。
「アンジェリーナ皇妃の意味はよくわかりました」
「・・・」
「できるだけレイシス皇子に対する言葉が出ないように処理します」
無愛想な顔で吐き出したヨハンナの言葉にアンジェリーナの顔に顔色が変わった。
アンジェリーナはヨハンナにおじぎをして挨拶をする。
「お願いします、ヨハンナ皇妃」
母親として成長したアンジェリーナ。
いつかレイシスが気軽に外に出れるような状況になると嬉しいです!
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