こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は120話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
120話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 切実な告白
リリーの目が細くなる。
ダグラスは緊張して彼女の顔を見つめていた。
これは彼にとっても大変な勇気。
貴族に君が作ったものを金をあげるからというのは侮辱に他ならなかった。
彼はリリーを侮辱したくなかったし、さらに彼女を怒らせるようなことはしたくなかった。
しかし、それがリリーが望むことなら、目をつぶってできるほどリリーを望んだ。
何も言わずにそんなダグラスを見つめていたリリーが、ついに口を開く。
「ケイシー卿、あなたは絵に興味がないじゃないですか」
「でもリリー、あなたが望むのはそれじゃないですか。絵を誰かが買うことです」
この男は全然理解していない。
リリーはため息をついた。
彼女は認められたいのであって、お金を稼ぎたいのではない。
ああ、もちろんお金も稼ぎたいけど。
リリーはダグラスに何を話せばいいのか悩みながら頭を下げ、指先についた絵の具を発見する。
彼女は反対側の手で絵の具がついた指先をこすりながら言った。
「ケイシー卿。もし卿が王子様の師匠ではない時です」
ダグラスはリリーの視線に沿って彼女の手を見る。
手も綺麗だ。
リリーの手は白くて細かった。
ダグラスは彼女の手がリズミカルに動くのを見て、奇妙な思いをして肩に手を当てて、頭をもたげて言った。
「ダグラスと呼んでください」
ケイシー卿という呼び名はあまりにも距離感がある。
幸い、リリーはしばらくダグラスを見てから、再び首を垂らしながら言った。
「卿のお父さんが、つまり侯爵様が王子様の師匠として卿を推薦してくれると言ったら、何とおっしゃったのでしょうか?」
リリーの言っていることが分かった。
自分なら自尊心を傷つけられただろう。
お父さんがそんなことをしなくても自分の実力で王子の師匠になれると思ったはずだから。
そして実際、彼はそうなった。
「私は無知で無礼でした」
ダグラスはうつむいた表情で頭を下げながら言った。
リリーの役に立ちたい。
彼女が喜ぶのを見たかった。
欲しいものを聞いてあげたかった。
その姿を見るとリリーの気分がおかしくなる。
ダグラスは努力していた。
彼女が望むほどではなかったが、それなりに。
リリーはじっとダグラスを見てため息をつく。
率直に言って、彼女は彼がなぜ好きなのかまだ理解していなかった。
全部好きだと言った。
顔も、行動も。
しかし、リリーは自分の顔や行動が何の理由もなく好きになるほどハンサムではないことをよく知っている。
アイリスと同様に、リリーは自分がそれほど人気のある花嫁候補ではないことを知っていた。
その上、家を建てて自分の人の面倒を見ることに関心があるアイリスとは異なり、リリーはそのような方向にはあまり関心がなかった。
「ダグラス」
リリーは静かに彼を呼んだ。
悲しそうな顔をして座っていたダグラスは、自分の名前を呼ぶ彼女の声に驚いて顔を上げる。
今、私の名前を呼んだのかな?
ダグラスの緑の瞳が驚きに大きくなった。
「考えてくれたことはありがとう。嬉しくもありますし。でも本当に私は結婚するつもりはありません。それが似合わないんです」
「似合わない?結婚がですか?」
結婚というのは似合っているかどうかだっけ?
ダグラスはまごついて呆然としているリリーを見た。
彼の基準で結婚は当然することであり、自分のようにできないという選択肢はあってもしないという選択肢はなかった。
「私は家事がそんなに好きではありません。おいしい料理を準備して家族とお客さんをもてなしたり一年中家を飾ることにもあまり関心がありません」
でも、アイリスは好きだよね。
リリーは母親の教育を最も熱心に学んでいたアイリスを思い出した。
季節ごとに似合う布と色。
社交界の慣習。
家計簿をつけて家の中を補修し、管理する方法。
アイリスはそれらすべてを完璧にしようとし、実際にはかなり完璧にやり遂げた。
しかし、リリーは違う。
彼女は自分も努力すればアイリスほとではなくても彼女と同じくらいのレベルまではなれりということを知っていましたが、そもそも興味がないので情熱も生まれていない。
「子供もあまり好きではありません。パーティーを開くどころか、出席するのも実はあまり興味がありません」
ダグラスは静かに座ってリリーの言葉を理解しようとした。
すべての女性は皆お客さんをもてなして一年中家を飾るのが好きなのではなかったのか?
子供が好きで、パーティーを開いて他のパーティーに招待されることを喜んでいたのではなかったのか?
ダグラスの中の確固たる考えが少しずつひび割れ始める。
彼はリリーの髪を高く束ねた髪を、綺麗に見せるためではなく邪魔にならないように見た。
そして袖が膨らまない彼女のドレスと指先と胸についた絵の具も眺める。
最後にダグラスの目に化粧気がないリリーの顔が入ってきた。
「私は結婚に向いていません。誰も私を訪ねてこなければ何日も一人でこの温室に座って絵を描くのが楽です」
リリーにとっては、絵を描くこと以外はすべて面倒なだけ。
どんな派手な家も、派手なドレスとそれを着て行くパーティーも、彼女にとっては絵に注ぐ情熱を奪う妨害物だった。
彼女が世話をしなければならない夫は、その中で最大の邪魔物が当然だった。
リリーはダグラスの表情がゆっくりとこわばっているのをじっと見ていた。
これは彼女がダグラスを愛し、愛していないとは関係ないこと。
彼女は誰を愛しても絵よりもっと愛することはできないだけだった。
「私はリリー、あなたが好きです」
ダグラスは青白い顔で静かに口を開く。
彼女のためなら何でもできた。
空の星も取ってきてあげられると思った。
しかし、自分が彼女のために諦めることだけを考えて、彼女が自分と結婚したら何を諦めなければならないのか考えられなかった。
「リリー、私はあなたのためなら何でもできます」
そう言ったダグラスは苦しそうな顔をする。
リリーの望みは確固たるものだった。
絵を描きたいということ。
ダグラスは手を伸ばしてリリーの手を握る。
彼は彼女の手をじっと見つめ、それからうつむいた。
そして、彼女の手の甲にキスをして言った。
「でも、あなたを愛していないことだけはできるか分かりません」
切実な言葉にリリーは思わず席を立つ。
ダグラスの赤い髪は太陽の光で明るく輝いていた。
改めてリリーはダグラスが本当にハンサムだということに気づいた。
しかし、そう考えることとは別に、彼女の体が勝手に動いていた。
ダグラスはリリーの手の甲から唇を離し、頭をもたげる。
その時になってようやくリリーが自分の行動に怒るかもしれないという気がした。
その時リリーは手を伸ばして彼の頬を覆う。
いや、捕まえた。
「バンスさん?」
ダグラスがリリーを呼んだ瞬間、リリーはそのまま頭を下げて彼の唇に口を合わせる。
その瞬間、ダグラスの動きがびたりと止まった。
しばらくして、正気に戻ったリリーは驚いて飛び跳ねるように後ろに下がる。
ダグラスは息をするのを忘れて目を大きく開けて座っていた。
リリー・バーンズ、やばい!
リリーはダグラスの驚いた顔を見て身じろぎと引き下がった。
やばい!やばい、リリー・バーンズ!
そうするうちに彼女の視線がダグラスの唇に向かう。
驚きのあまり、そのまま固まったダグラスの唇は少し開いていた。
彼女はハンカチを取り出し、ダグラスの唇に擦り付ける。
そして、素早く後ろに下がりながら叫んだ。
「ごめんなさい!」
二人の関係が急接近しました!
ダグラスの真剣な思いがリリーに届いたようです。
これからの二人に期待ですね。
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