こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は148話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
148話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 姉妹愛③
「わ、私は・・・」
マリアンヌの真っ白な顔は真っ青に変わり始めた。
彼女は首を横に振り、そのつもりはなかったと言い訳をしようとする。
しかし、いかなる言い訳も口から出なかった。
フレッド・バーンズはミルドレッドの夫であるだけでなく、アシュリーの父親だ。
ミルドレッドに夫が帰ってきたのなら、アシュリーには父親が帰ってきたのだ。
「あなたは私だけ傷つけたのではなく、私が愛する人まで傷つけたのです。私があなたを許さなければならない理由は何ですか?」
「私は許さなくてもいいです!」
マリアンヌが叫んだ。
彼女はミルドレッドを見て、ゆっくりとひざまずく。
そして懇願するように両手を合わせて哀願した。
「お父さんだけは触らないでください。お父さんまで破産したらエレナは結婚できない。お願いします」
「あなたが私の子供を傷つけたのに、私はどうしてあなたの妹の面倒を見なければならないんですか?」
「どうか、バーンズ夫人。何でもします。死ねと言ったら・・・」
「それは違います」
マリアンヌの口から死ぬという言葉が出るのではないかと怖くて、ミルドレッドは素早く手を上げて見せた。
彼女はマリアンヌを一発殴りたいだけで、殺したいのではない。
なんてこった、ミルドレッドは額に手を当ててため息をついた。
偽フレッド事件はステュワード伯爵夫人の仕業。
それも妹のガスさんのため。
気持ちとしては、あなたがそんなに愛する妹が一生結婚もできないほど失敗してみろと呪いをかけたいが、ミルドレッドはぐっと我慢した。
子供たちをなんとかいい家に嫁がせようとした昔の自分の姿が思い浮かぶからだ。
「死体はどこにありますか?」
しばらく物思いにふけっていたミルドレッドが口を開いた。
マリアンヌの頭の中にエレナに手を付けない条件でフレッドの遺体を引き渡すと提案してみようかという考えが浮かんだが、彼女は素早くあきらめた。
ウィルフォード男爵は恐ろしいほどの速さでスチューワード伯爵の事業を封鎖した。
2日前からスチューワード伯爵の製粉所に入ってくる穀物が切れ、昨日未明からは積んでおいた小麦粉を持っていく人が現れなかった。
この国の流通は、少なくとも首都とその近辺の流通は一人が左右すると言っても過言ではない。
ダニエル・ウォルフォード男爵。
昨夜、夫からウィルフォード男爵に何かミスをしたのかという質問を受けた瞬間、マリアンの心臓はドキッとした。
そして今朝、ウィルフォード男爵からの手紙が届いた。
「私の所有の家が一つあります」
マリアンヌはうつむいて言った。
小細工を弄して取引をしようとしている場合ではない。
バーンズ夫人を怒らせないようにしよう。
彼女はバーンズ夫人に懇願すべきだと思ったのと同じように,今回もすぐに判断した。
ミルドレッドはマリアンヌを起こす。
そして、彼女にソファに座るように手招きし、向かいに座った。
「ちょっと考えてみましょう」
ミルドレッドはひじ掛けにひじをつけ、あごを支えながら言った。
自分に迷惑をかけようとしたのは大丈夫だ。
しかし、アシュリーが傷ついたのはどうすればいいか分からない。
「バーンズさんに私が許しを請うと・・・」
「どうやって?」
マリアンヌの言葉にミルドレッドは鋭く尋ねた。
彼女もそれを悩んでいた。
このことをアシュリーに知らせなければならないのか?
彼女はミルドレッドとダニエルを仲たがいさせようとする人に巻き込まれて傷ついた。
もし、ここでマリアンヌの謝罪を受ければ、アシュリーがまた傷つかないという保障があるだろうか。
「あなたがあの子に謝罪をすれば、結局アシュリーは自分が巻き込まれただけだということに気づくでしょう。自分のお父さんの死が利用されたということも。それがあの子にまた別の傷になるのではないでしょうか?」
マリアンヌはミルドレッドの言葉に唇をかんだ。
ミルドレッドはため息をついて席から立ち上がる。
「男爵に手を出すなという言葉は、ウィルフォード男爵にお願いしてみます。ですが、期待はしないでください」
「でも男爵様は奥さんのために・・・」
「何言ってるんですか。あなたが台無しにしようとしたのは私ではないでしょう。私とウィルフォード男爵の関係だよ。男爵様も怒る理由が十分だと思いませんか?」
ミルドレッドの言葉にマリアンヌの顔が再びこわばった。
ミルドレッドは侍従を呼んでマリアンとエレナを見送ってほしいと頼んだ後、書斎の窓から2人が乗った馬車が去ることを確認した。
その時、誰かが書斎のドアをノックする。
ミルドレッドは椅子に座り、力なく話した。
「どうぞ」
ダニエルだった。
彼はミルドレッドが机の前に座っているのを見て、彼女に近づきながら尋ねた。
「大丈夫ですか?今、ガスさんとスチューワード伯爵夫人が去るようでしたが」
「スチュワード伯爵夫人は妹をとても大事にしていましたね」
「そうですか」
ダニエルは片眉を上げながら机にもたれかかった。
そして頭を傾けてミルドレッドの顔色を見る。
彼はマリアンヌの謝罪を受けたミルドレッドの機嫌がいいと思った。
しかし、今彼女の表情を見ると、あまり良くないように見えた。
「スチュワード伯爵夫人がガスさんを大事にしているのが気に入らないのですか?」
「それは違います。まあ、ちょっとね」
ステュワード伯爵夫人は父親が破産して妹が結婚できないのではないかと心配した。
結婚できないと大変なことになるように。
それが間違っているわけではない。
いずれにせよ、貴族の女性は働くことができず、爵位を得ることもできない。
父親が裕福なら、お金を引き継ぐことはできるだろう。
しかし、そのお金を増やすことも難しい。
事業をする人はほとんど男性で、女性はそこに挟まりにくいから。
貴族女性の選択肢は、結婚するか、独身で父親と兄弟の助けを借りて暮らすか程度だ。
それでも後者は裕福な父親がいてこそ可能なことなので、結婚するという選択肢が優勢なのは仕方がない。
ミルドレッドは彼女の子供たちを束縛から逃れようとしていた。
そんな彼女がマリアンヌの必死の姿を見て憂鬱になったのは仕方ない。
ダニエルはかがんでミルドレッドの手を握る。
そして、彼女の手の甲に口づけをしながら尋ねた。
「ミルドレッド、私の行動が気に入らなかったのですか?」
「スチュワード伯爵を破産させたのがですか?」
「まだ破産していません」
ダニエルは平然と言った。
本当にまだ破産していない。
破産するかもしれないという恐怖を感じさせてくれただけだよ。
遺体を返して謝罪したのだから、切っていた流通をゆっくり解消するつもりだった。
「私のためにそうしたんですか?」
ミルドレッドの質問にダニエルは片方の眉を上げる。
彼女のためかって?
彼はそうだと言おうとしてやめた。
正直に言うと違う。
それは腹いせに近かった。
スチューワード伯爵夫人のためフレッドの遺体を見つけることができず、ミルドレッドはその分長く書類上既婚者と表示された。
その部分がダニエルは気に入らず、自分の行く手を阻んだ人に復讐をしただけだ。
「いいえ」
ダニエルの率直な答えにミルドレッドはにっこり笑う。
彼女はダニエルの頬を包み込みながら尋ねた。
「私がやめてくれと頼まれたらやめてくれるのですか?」
ダニエルの目は細くなった。
彼はミルドレッドの手のひらに向かって頭を傾けながら言った。
「考えてみます」
家族を大事にする心情はミルドレッドもマリアンヌも同じ。
マリアンヌの行動は問題ですが、女性の立場が低いこの世界では難しい問題ですね・・・。