シンデレラを大切に育てました

シンデレラを大切に育てました【176話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【シンデレラを大切に育てました】まとめ こんにちは、ピッコです。 「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介...

 




 

176話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • ケイシー侯爵家④

「私は、リリーがケイシー後爵の夫人となっても、ケイシー家門を素晴らしく切り盛りできると考えているよ。」

ミルドレッドはそう言いながら手を伸ばし、リリーの髪をかき上げた。

リリーにはできることがある。

性格は少し急いでいるが、空気を読む力はあって、人を気遣うこともできる。

こだわりが強いものの、器用で判断も速い。

「問題は、それであなたが幸せかどうかよ。」

アイリスは王妃になることを望んでいた。

彼女はその責任感を喜んで受け入れ、その地位がもたらす義務と権利を楽しむ準備ができていた。

しかし、リリーは違った。

できることと、やりたいことは別だ。

リリーは、できるからといってやりたくないことを無理にするべきではないとミルドレッドは考えた。

そして、それは人を疲れさせる原因にもなる。

「好きなことをしていても、人はいつか疲れるものよ。誰しも、ある日突然ふと立ち止まって振り返る時が来るの。」

振り返ってこう考えるんだ。

「私はここで何をしているの?」

私がやりたかったことってこれだった?

これを手に入れるために、あんなに必死で走り続けてきたの?

誰もがある瞬間、ふと立ち止まってそのように考えることがある。

そこから抜け出せる人もいれば、抜け出せない人もいる。

ミルドレッドはリリーの涙を拭いながら言った。

「その時、私はあなたが少なくとも選ばなかったことを後悔しないことを願っている。」

始めたことを後悔するのは構わない。

しかし、あの時それを選ばなかったことを後悔するのはよくない。

それは長い間リリーの心を縛り付け、離さないだろうから。

「でも、もし…もし私が画家になれなかったら?それなら…」

そう言いかけたリリーは一瞬口ごもった。

少しの間黙った後、フィリップの紹介で他の画家たちと出会うことを思い出した。

その考えだけで、リリーは期待に胸を膨らませたが、次の瞬間、絶望のどん底に落ちてしまった。

「私の絵が人気を得られなかったらどうするの?私が何をしても上手くいかないとしたら?私の才能がただ画家になるだけのレベルだったら?だから私の絵が全然高く売れなかったら?」

まるで堰を切ったように、リリーは一気に言葉を吐き出し、その後しばらく息を整えた。

そして、驚いた表情を浮かべるミルドレッドを見つめながら、慎重に付け加えた。

「それなら、むしろケイシー卿と結婚した方が良いと思えるんじゃない?」

「それはもっと悪いんじゃない?」

「ケイシー卿と結婚するのが?」

「いや、ケイシー卿との結婚を逃げ道として使うってことよ。あなたがケイシー卿を好きなわけでもなく、ケイシー侯爵夫人の地位が欲しいわけでもなく、ただ今の状況から逃れたいだけなんだもの。怖くて逃げ出しているんでしょ。」

心の中で、ミルドレッドはリリーに「ダグラスには無理だ」と言いたかったが、言葉を飲み込んだ。

どういう理由であれ、ダグラスはリリーと結婚できるならそれで幸せだと思っているようだった。

ミルドレッドの指摘に、リリーは何も言い返せなかった。

ミルドレッドは再び窓枠に腕を預け、静かに続けた。

「後悔しない?後になって子供を育てながら、あの時少しだけ勇気を出していれば画家になれたのにって、後悔しない?」

「でも、画家にもなれず、結婚もできず、ただ年老いて独り身の老婆になったら……。」

「年を取るって?」

ミルドレッドは、リリーが続けるのを見守りながら、あえて何も言わなかった。

そしてリリーの視線を一度だけ鋭く捉えると、静かな声で言葉を継いだ。

「人々が私を笑わないでしょうか?お母さんやアイリスが私を恥ずかしく思わないでしょうか?」

「まあ、リリー。」

ミルドレッドはため息をつき、リリーを引き寄せて抱きしめた。

彼女が何を心配しているのかはわかる。

誰でもそのような不安を抱えるのは当然だが、それが自分の子供だと思うと胸が痛んだ。

「あなたが何をしても、決して恥ずかしいなんて思わない。それはアイリスも同じ気持ちよ。」

リリーは母の言葉にわずかに安心し、ほっと息をついた。

それが本当ならいいのに、と思ったが、心配はどうしても消えなかった。

幼い頃、何も知らなかった頃はそれでよかった。

絵を描くだけで幸せだったのだから。

画家になることができたら、それだけで夢が叶うと思っていた。

しかし、本当に自分の絵がフィリップに認められ、それを売ることができ、画家としての道を歩めるのかどうかが問題だった。

一歩一歩足を踏み出すごとに、リリーは考え込むようになっていた。

「私が画家として成功することができるのだろうか。それともいっそ、他の人々のように結婚する方がいいのだろうか。」

そんな不安に駆られ、一晩中眠れないこともあった。

そんな時、まるで彼女の悩みを見透かしたかのように、ミルドレッドが口を開いた。

「リリー、私はあなたが私の娘だから愛しているのよ。才能ある画家だからとか、名門の家に嫁ぐから愛しているわけではないの。私はあなたがどこで何をしていようと、関係なく愛している。」

母の言葉に、リリーの目には涙があふれ出た。

人々が彼女を才能ある画家だと認めてくれることを望んでいた。

その思いは今でも変わっていない。

彼女の絵を人々が好きになり、その実力を評価してもらえたらどんなにいいだろう。

まるでカイラの絵が世間に注目されるたびに賞賛されるように。

あの高価な絵のように、自分の絵もそのように評価されることができたらいいなと、リリーは思った。

しかし、一方では、何の理由もなく誰かが彼女を愛してくれることを望んでもいた。

ミルドレッドは、リリーが孤独を感じているという話を聞いて、心の中でため息をついた。

何でもないふり、自信のあるふり、強いふりをしているけれど、リリーも実際には悩んでいるのだ。

そうだとしても、リリーは簡単には心を開かない性格だった。

自分の才能がどれほどのものか分からないし、未来が心配になるのも無理はない。

自分の選択が正しいのか、不安になるのも当然だ。

ミルドレッドはリリーの背中をさすりながら、正直に言葉を口にした。

「リリー、私は絵については何も分からない。だから、あなたが画家として成功できるかどうかについても、何も言えないわ。でも、あなたが描く絵はとても素晴らしいと思っているのよ。」

リリーが描く絵を見るたびに、ミルドレッドは感嘆せずにはいられなかった。

一体どこでこんな才能を身につけたのだろう。

彼女は絵画に関して目利きでもなんでもないが、娘の描いた絵を見て「上手い」と言えるほどの出来栄えだった。

「それに、もし画家として成功できなくても、結婚もできなかったとしても、どう?アシュリーと私と三人で一緒に暮らせばいいじゃない。トマトや人参を育てながら生活してもいい。もしかしたら、他の才能が見つかるかもしれないし。」

ミルドレッドの言葉にリリーは泣き笑いしてしまった。

最近、ミルドレッドが温室にトマトの苗を植えたことを思い出したからだ。

彼女は涙を拭きながら尋ねた。

「まさか農家になるって話ではないですよね?」

「何がいけないの?職業に貴賤なんてないわよ。」

もちろん、どんな職業でも持つこと自体が素晴らしいことだとミルドレッドは考えていた。

しかし、ミルドレッドはその部分をすべて省いて話した。

そのおかげでリリーの気分が少し和らいだ。

有名な画家になれなかったり、結婚できなかったとしても、それが原因で家族が失望したり、問題が起こることはない。

ミルドレッドはリリーの体をそっと離し、立ち上がってこう言った。

「アイリスとアシュリーの様子を見に行きましょう。」

もう二人も元気を取り戻しているはずだ。

こんなに素晴らしい星空の下での招待なのに、部屋に閉じこもっているのはもったいない。

リリーはミルドレッドと腕を組み、廊下へ出てアイリスとアシュリーの部屋へ向かった。

 



 

 

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