こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は114話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
114話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side イースケ②
静寂がよぎった。
長くて薄氷のような静寂が流れる中、イースケはその場で固まってしまったようにじっとしているフレイヤを凝視するだけ。
彼女が再び口を開けようとした瞬間、力強い鐘の音が微かな静けさを打ち砕いた。
「あと5分です!選手たちは集合してください!」
興奮した選手たちが廊下に飛び出す音で、あっという間にあちこちが騒がしくなる。
すぐに引き返してその騒ぎに加勢しようとしたイースケは、再び立ち止まった。
「行かないで!」
「・・・放せ」
背後で彼を抱きしめてぶら下がっていたフレイヤはびくともしない。
彼女は頭を激しく振りながら涙声で囁いた。
「棄権して、イース。お願いだから・・・。あなたに何か起きるんじゃないかと不安なの。彼らがどんな罠を仕掛けたのかも分からないのに・・・」
どんな冷血漢でも凍りついた腕が溶けそうな切実な響き。
しかし、イースケは自分の腰に巻いたフレイヤの腕を激しく振り払い、一寸の躊躇もなく大股に足を運んだ。
遠ざかっていく彼の背中にフレイヤが最後に叫ぶ。
「お願いだから目を覚まして、イース!あの女は最初からあなたを翻弄していたの!あなたが死ぬかどうか何の関心もないのよ!」
イースケは振り返らなかった。
「どこか不便なことはありませんか?」
トイレから戻ってきて硬い座席クッションを膨らませていると、なぜかお義父さんがバルコニー席に訪ねてきた。
どうしたのかしら?
チェシアレとかなり親しくなったみたいね。
「もちろんありません。こちらに同席されますか?」
「それは光栄ですが、息子が後で何か言うに違いないので」
「分かります」
やっぱり二人の息はピッタリだね。
確かに、一緒に陰謀も企てる仲だ。
まあ、お二人が幸せになりますように。
私は席に座って肘掛けの横の盆に置かれた小さなチョコレートを一つ摘んで口の中に入れた。
特に何の味もしない。
早く始まればいいのだけど。
「夫人?お席はくつろげていますか?」
「はい」
私にあえて話しかけなくても良いので、二人でイチャイチャしてください。
チョコレートを押しのけて、カラフルなキャンディーを手に入れた。
これはどんな味なんだろう?
「今朝ロマーニャから急報が届いたと聞きましたが、何か悪い知らせでも・・・?」
「ご心配ありがとうございますが、特に急報と言うまでもありません。分別のない弟がまた事故を起こしただけですから」
「枢機卿も苦労が多そうですね。それでもあなたが説得すれば素直に解決されるんじゃないですか?」
「どうでしょうか。正直、私もどうしたら良いのか全く分かりません」
「ふむ、それなら可愛らしく賢い妹の忠告なら、少しは聞くのではないでしょうか?どう思いますか、夫人?」
「ああ、そうだね、ルビ。何かいい考えはない?」
なんでしきりに話しかけてくるのだろうか?
癇癪を起こしそうになるが仕方なく口を開いた。
「別に悩む問題でもないじゃないですか。意地を張れば悪化するだけです」
「・・・え?」
「隠密に処理したければ腹心を送って軽く叩いてやるか、ベッドの中に犬の死体を入れて脅迫するか、それでも足りなければ暗殺してしまうか。簡単な解決策は広く散らばっているでしょう?エンツォお兄様は数日遊ぶお金を奪って告解聖事室に監禁すれば、すぐに従順になってお父様の足の甲にキスでもするでしょうし」
「「・・・」」
しばらく何の音も交わらなかった。
私が黄色いキャンディーの包装紙を剥がして口の中に入れる間、二人は口を小鳥のように開けたまま私をじっと眺めていた。
「・・・ごほん。ええと、もしかして・・・」
「あ、はい。実は私とちょっと喧嘩をして・・・」
「ああ、はい。やはりそうだったのですね。すみません、この老人が嫁の気持ちも知らずに・・・」
「いいえ、むしろ私が鈍くてつい・・・」
仲良し同士で何をヒソヒソ話をしているのだろうか。
とにかくお義父さんはすぐ私の方に向かって咳に混じって、何とも聞き取れない言葉をぎこちなくかけて立ち去った。
しばらく平和な静けさがあった。
四方があまりにもうるさくて静かと言うのもアレだけど。
お義父さんが移ったのか、どういうわけか咳払いをして私の方をチラリと見ていたチェシアレが再び話すまでの間は。
「気分が悪いみたいだね」
「誰が?お義父さん?更年期なんじゃないの?うちの父もそうじゃない?」
「・・・いや、ルビ。君がね」
あなたの隣に座っていて気分がいいかって?
無邪気なやつ。
私は首を横に振りながらニヤリと笑う。
いや、人生は遠くから見れば喜劇だというのに、果たして。
「そんな風に聞かないで。私がどうして気分が良くないの?今とても楽しくてたまらないのに。自然に表情管理がうまくいってるから、お兄様があえてそんなに睨む必要はないわ」
「・・・私が君を睨んでいるって?」
「お兄様こそ少し笑ったらどう?将来、北部の王になるかもしれない義弟がもうすぐ出てくるはずなのに、親切に迎えてあげないといけないのでは?」
「・・・」
チェシアレは、なぜかもう何も言わなかった。
代わりにロザリオを触りながら、絶えず私の方を見ている。
実に気になることだったが、一度や二度ではなかったので、気にしないことにした。
わああああああ!
鼓膜が破裂しそう。
試合開始を知らせる長いラッパの音が鳴り、すでに断続的に鳴っていたが、さらに大きくなった歓声がドーム型競技場を埋め尽くした。
やっとかと待ち侘びていたはずなのに、何となくゾッとした気分になる。
この試合が終わったらどうなるかについて何も考えない。
どうせもう失うものはないのだから。
全部意味がない、意味がないのだから。
イースケはフレイヤの言葉をどこまで信じたのでしょうか?
早くルビとイースの会話が見たい・・・!
いつもと様子が違うルビに対して、チェシアレは何を考えているのでしょうか?
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