こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は175話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
175話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 法王の最後
チェシアレはそうするつもりはなかったが、法王の状態は日増しに悪化していた。
誰かが言わなくても見れば分かる。
意識を持つ回数がますます減り、食べ物もほとんど飲み込めなかった。
髪の毛もだんだん抜けてきている。
その一方で、私を見ると、誰かを探して理解できない言葉を選んで言うのは、相変わらずだ。
「カルメン・・・カルメン・・・」
私はベッドから少し離れた窓際に立って彼を見た。
病色がはっきりしている姿、もう目もまともに開けられない姿で辛うじて絞り出すような声を出す法王を・・・。
死にかけていた。
本当に死にかけていた。
あまり残っていないという事実は、特に医学的知識がない私の目にもはっきりと見えた。
「どうか私を許しなさい。私は・・・私は・・・カルメン・・・」
もしかしたら息が切れる最後の瞬間さえ私をついに見抜けないという気がした。
そんな気がして、訳もなく食欲がなくなる。
理由は私にも分からないことだ。
「あなたを愛した・・・そして・・・そして・・・あの子も・・・」
「・・・」
「あの子も愛したよ・・・あなたにそっくりだから・・・しかし・・・」
おっと、これは私の話かな?
こんな風に自分の話を聞くのは気分が変だけど。
「あの子は・・・私の子供が・・・私の子供ではないという事実が・・・とても辛かった・・・」
「・・・」
「お前が置いていったあの子が・・・カルメン・・・どうか許してくれ・・・私はあの子を愛したよ・・・そして憎んだよ・・・。結局・・・そうなるまで愛していながら憎むのか・・・?」
「・・・」
誰が父子相伝ではないかと思って、親子が同じように二重にねじれたんだね。
そんな風に暮らしたら疲れないかな。
ふう、生きている時は世の中をもてあそぶようだった人たちも、死ぬ時はみんな同じような形なのだろうか?
とても簡単でとてもみすぼらしい。
どうせこうなるなら、どうしてそんなに・・・。
「ごめん、カルメン。あの子は・・・あなたに似てるけど違った。だから愛したけど憎んだ・・・それでもいつも私の心の片隅の光だったよ」
「・・・」
「美しさは・・・それくらい・・・それくらい偉大なんだって。どうか、どうか・・・この私を許してくれ。もうあの子を・・・ニ度と会えないけど」
そうです、二度と会えないでしょう、お父さん。
法王はその後、再びしばらく静かになった。
ちょうどノックの音がして、レディー・アデラが入ってきた。
いつものように彼女は静かに私に目礼を渡しては近づいてきてベッドを見回し、布団を交換し始める。
下女たちもいるのに、あえて手作りする理由は何だろうか。
「ルビ、表情が悪いんだね」
「私がですか?」
「聖下が何を言おうと気にするな。私も何の話かは分からないが、亡者に向かって騒ぐ言葉に気を使っても何の意味もないじゃないか」
それは私も知ってはいますが、それより私は・・・。
「アデラ、北部で何が起こったのか聞きましたか?」
「うん?」
いくら引きこもりのように生きていたとしても、チェシアレが私の離婚を公表した以上、エンツォが死んだことぐらいは知っていたはずなのに、ただ淡々としたふりをしているのか、本当に淡々としているのかよく分からない。
「・・・いいえ。それよりしばらく他の所に行っていらっしゃるのはどうですか?別荘があるという地域とか」
「・・・急にどうしたの?」
そうですね、私はこれ以上何も言わないことにした。
そんな私を分からない顔でじっと見ていたアデラが突然質問する。
「ルビ、エンツォがどうなったのか知ってる?」
「え?」
「あなたここに来てからずっと見知らぬ人のように行動しているけど、もしかしてそれと関連があるのかと思って」
「関係って、私は・・・」
「やっばり、あなたのお兄ちゃんの仕業なの?」
「・・・」
少し意外ではあったが、この穏やかな印象の夫人がチェシアレとエンツォの母であり、法王と最も長い時間を知ってきた人であることを勘案すれば、もしかしたら内心予感したかも知れないことだ。
「息子さんに直接聞いたほうがいいと思います」.
「少し前に他の所に行くのはどうだと言ったのはどういう意味なの・・・?やっばりそのために言ったの?」
「・・・大体そうだと思います。正直、お父さんがなんでこんなに横になっているのか分からないんじゃないですか?お母さんだからといってどうなるか分からないから言ってみたんです」
それよりは息子が没落する時、一緒に流されることになるのが明らかだから言った言葉だが。
アデラの顔色は明るかったが、意外に大きな表情の変化はない。
静かに頭を下げて物思いにふける顔が、静寂な画風の絵のようだった。
もう諦めるままに諦めた方かな?
何を表出しても無駄なことだと分かるほど知っていて、ただ静かに自らを落ち着かせることに慣れている方なのだろうか?
それとも単純にそぶりを見せないのが上手なだけ?
「心配してくれてありがとう、ルビ。・・・でも私があの子を置いてどこへ行くと思う?」
「え? 」
「私はどこにも行かない。どっちみち私の残った息子じゃないか」
淡い茶色の瞳が決然としていた。
ああだこうだなんて、チェシアレは本当にいいね。
「勝手にしてください。私の知ったことじゃないから」
どうであれ、他に行く所はないということだ。
皆そうであるように。
私たち皆行く所のない道に迷った子羊を群れをなしているよ・・・。
「あいつが憎いみたいだね」
「別に憎んで、することもないんですが」
「その言葉がもっと恐ろしく聞こえるけど?」
「奥さんの知ったことじゃないじゃないですか。私をちょっと放っておいてください」
「非難しようとしているのではない。以前よりむしろ今のあなたの姿がもっと自然に感じられて、見た目が良くてやってみた言葉だよ」
「・・・レディー・ジュリアはどうですか?」
「法王がこうしているから、どうしていいか分からない。私はここにいるけどこれからどうなるか分からないことだから、君の言うとおりにジュリアは他の所に行かせなければならないね」
法王がこのまま死んでしまえば、チェシアレが腹違いの弟を受胎中のジュリアをどうするだろうか。
それがジュリアが最も心配していることだろう。
会話はそれで終わりだった。
彼女がまた出て行ったので、私はまだそこにいた。
遠くから「デン、デン」という遅い鐘の音が鳴り響き、法王が吐く息づかいに混じっている。
私がなぜ彼の臨終を両目で見守ろうとしているのか、私にもよく分からない。
他にすることがないせいだろうか。
同じように監覗を受けているところであるロクロワ枢機卿に聖杯を渡した後、ぎりぎりにもその日以後から私は家の中に監禁されるよう。
正確にはそのバルコニーでの午後以降から。
じっとしている度に夫のことがしきりに思い浮かんだが、可能な限りしないように努めた。
できることがない中、苦しいばかりだったからだ。
どうか無事に彼にまた会えるようにしてほしいと祈ることさえしなかった。
祈りは何の役にも立たないということはすでに知っているから。
もし何か間違って二度と君に会えなくなったら、多分・・・。
「ごめん・・・ごめん・・・」
疲れもしないようですね。
意識が少しあるたびに言う言葉は、そんなことだけだなんて。
確かに犯した罪も多いはずなのに、世の中に申し訳ないことも多いでしょうね。
しばらく止まっていた鐘の音がまた鳴り響く。
彼が、法王が吐き出す痛々しく荒い息づかいも遥かに響いた。
私はこのいたずらをやめることにした。
臨終を見守るために待つことだ。
敢えて見る必要があるのか、どうせ近いうちにいつでも起こることだから。
「君に面目が・・・でも。あの子が・・・心配で・・・」
謝罪であれ心配であれ、生きている時にすることです。
そして一緒にいる時にするんです。
もう何でも無意味ですもの。
息子によって死んでいくあなたの最後からなんて意味がないでしょう。
だから、いつでもさようなら、お父さん。
ご冥禰をお祈りすることはできませんが。
どうぞ来世では二度とお会いしないでください。
法王の最後は、結局は彼の自己満足の謝罪で終わりましたね。
法王が死んだ後、チェシアレの行動は?