こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は177話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
177話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 神の怒り
ワジャンチャンチャン、クバクバク、クダンタンタン!
あらゆる物が出す騒々しい破裂音と共に、四方八方からあらゆる悲鳴と共に三位一体と聖母とあらゆる聖人を探す音が鳴り響いた。
建物が粉々になっているのか、怒りの神によって揺さぶられているのか、内部のすべてが狂ったように転がっている。
どれほどそのように転がっていたのだろうか、ある瞬間にすべてがしばらくぴたりと止まった。
全身がひりひりする渦中に混迷した精神を正そうと努力しながら息を切らす。
何がどうなったのかよく覚えていなかった。
床を滑って転がりながら、目の前をかすめる柱にしがみついたようだ。
四方から何とやら怒鳴り声が響いている。
悪口、祈り、切羽詰った指示・・・。
「し、神聖なカーテンが・・・!」
いつも法王庁一帯を区の形で覆っている神聖なカーテンが消えた原因は、現法王が死去したことと聖杯が去ってしまったことの二つが合わさったためだろう。
いや、いくら教皇庁だとしても、そうではない状況で無条件に神聖打令から・・・という気がする刹那だった。
くるくる回る視界の真向かいに見える、粉々に砕けた小さな窓ガラスの外に何かがよぎる。
一瞬、自分の目を疑ったのは当然のことだった。
だから私が今衝撃でしばらく味がついた状態で幻覚を見るとか、あるいは他のことを勘違いしただけとか。
そうでなければ、どこかでよく見た、きっと藍色に揺れるような何かが、あの外をかすめて行ったはずがないじゃないか。
いや、そんなはずがない。
いくらなんでもそれは不可能じゃないか。
(ここは北部ではなくローマなのだから・・・)
「レディー・ルードベキア!」
近寄ってきたバチカンの近衛兵が私を助けてくれた。
私は彼を振り切って、ガラスが割れた窓の方へ走る。
やはり私がしばらく気が抜けていたようだ。
外の向こうには見慣れた法王庁一帯と広場が見えるだけ。
普段のロマーニャ都市の風景に過ぎない。
ただ、さっきも午後の黄金色の日差しに染まっていた周辺一帯が、いつのまにか不気味で不吉な闇に包まれていた。
まるで巨大な影に沈んでいるかのように・・・。
今のこの現象と関係があるのかな?
いったい、どんな思いがけない自然災害が・・・。
頭をゆっくり上げて上を見ようとする瞬間、誰かが後ろから私の肩をつかんだ。
「こちらへおいで」
近衛兵たちと一緒に近づいてきたチェシアレが振り払おうとする私の腕をしっかりと握ったため、再び全身に鳥肌が立つ。
「こっちに・・・」
「触るな!」
「レディー・ルードベキア、いったいどうしたんですか?」
「放せ、この狂人め・・・!キャアアアアアア!」
もがく私をものともせず、しっかり掴んでどこかに引きずり込もうとする奴の行動に、自ずと悲鳴が上がった。
しばらく動きが止まった。
周りのすべての動きが止まったようだった。
私をじっと振り向く視線が感じられる。
言葉通り、狂った女を眺める視線に息が詰まる、まさにその瞬間。
一瞬、天地が私の後を追って泣き叫ぶようだった。
そして私は、ああ、私はその叫び声を知った。
あまりにもよく分かってしまった。
いくら変わってもすぐに聞き取れる自信のある声を。
驚異的なほど巨大に成長した、まさに超越的な存在が自らの存在感を告げるこの上なく嬉しく、嬉しい声が。
[くらああああああああ!]
床や壁、天井が地震を起こすようだった。
私が最後に見たドラゴンは前世の映画で見たホーンテールを連想させるほどの大きさだった。
今は分からない。
私の想像外のことだ。
とにかく、みんなしばらく気が抜けて、魂が抜けてしまった隙を狙って、私は走り始めた。
「ルビ!」
「キャアアアアアッ!」
[くらああああああああ!]
「バタン」と、再び周辺の風景が揺れる。
建物の壁が破られ、割れて落ちる轟音が溢れ出て、まったく気が付かなかった。
「聖母よ!父よ、父よ!」
「聖アンダルスよ!聖ニコライよ!」
四方八方が大騒ぎのその渦中にも忠実に私を追う奴らを除け者にしようと努力し、早くここから出ようとした。
バルコニー、私が探しているのは広々としたバルコニーだった。
「ルビ、止まれ!今すぐ立ち止まれ!」
「近寄らないで!」
いくら頑張ってもチェシアレを引き離すことは不可能だった。
ますます狭まる距離に本当に気が狂いそうだ。
滅びたバルコニーがどうして今日に限って見えることを考えないんだ!
私はとうとう廊下の内側に曲がえう。
そして、そこから階段を駆け上がり始めた。
彼もまた同じように追ってきた。
「お前が逃げる所はどこにもない!あなたが行くところは私以外にどこにもないんだって!」
「黙れ!行くところがないのはお前だろう!私はもう一度あなたに会いたくない!二度とあなたと向き合いたくないんだ!」
クルルルン、ククァクアカン!
壁が爆発して階段が飛び上がる。
くねくねと続く長い階段が一斉に跳ね上がり、崩れ落ちた。
私たちの体もまたそのまま空中に跳ね返るかと思ったら、再びカカカンという轟音と共に激しい風が起き、片方にすっと落ちる。
「キャアアアアアア!」
そのままはるかな下に墜落すると思ったが、壁が傾いたのか崩れ落ち、どうなったのか分からない傾斜にバタンとぶつかるように落ちてはそのまま夢中でぐんぐん滑り降りた。
あらゆる残骸も一緒だった。
とうとうおめでたい事が終わるや否や、私は四肢を伸ばして気絶する代わりに、ばたばたと立ち上がった。
「捕まえて!」
「レディー・ルードベキア!」
これくらいなら私がすごいのか、お前たちがすごいのか分からない。
もう諦めろって、この狂った奴らめ!
誰かが法王庁の聖騎士ではないかと思い、疲れた様子もなく忠実に親しくなる奴らの姿に息をつく暇もなかった。
頭がくるくる回るのが酸素欠乏のせいなのか、さっきまでの叱りのせいなのか分からない。
それでも足はふらつきながらもすさまじい動きをしていた。
行かないと、行かないと・・・。
もしかするとこの全てがただ雷のようなものを錯覚しただけであっても、私の現実逃避性妄想障害であっても・・・。
そのような状況で周辺をそこまでまともに調べる余裕があるはずがなかった。
床に何が散らばっているのかも・・・。
「何度もこんなことされたら困る・・・!」
「キャアアアアアア!」
やっと追いつかれたような強い手の中が後ろになびく髪をさっとひったくられる感じがした。
それと同時に足がバタンと、何かに引っかかると同時に体が前に勢いよく跳ね返って倒れる。
そのまま、激しく転んだ私の顔が、何か固い柱のようなものに埋もれてしまった。
体全体が埋もれた。
しばらく何の音も聞こえなかった
何かがおかしかった。
そのまま髪の毛がつかまったまま後ろに引っ張られると思っていたが、私の頭をぼんやりとつかんでいる手の主は、私と同じくらいそのまま凍りついてしまったように、不思議なほどびくともしなかった。
私は柱か何かにひどく埋もれたまま、そっと目を見開く。
そして、ようやく私を倒した物体の正体が、他でもない足元のあちこちに散らばっている法王庁の聖騎士たちだという事実を悟ることになった。
これは一体どういうことだ?
疑問と混乱が起こり、頭が自然に上に上がる。
「えっと・・・」
「・・・」
そして私はこれ以上何も言えなくなった。
相手、だから私が柱だと思って胸に埋まっていた奴もまた同じようだ。
ただぼんやりと眺めているだけ。
輝く銀色の髪と細い赤い目と冷たくて綺麗な顔も全部・・・。
心臓がドキドキし始めた。
いや、今ほとんど狂っていた。
「あ、あなた・・・」
泣き出してしまった。
信じられない姿に溢れ出た安堵と喜びとその全ての涙が。
「あなた・・・」
ゆっくりと唇を離していた私たちの主人公がふときらめく覗線を私の後ろに移したのはその時だった。
瞬間、私はこの無情な奴がこの状況で私を見ずに何を眺めるのかと思ったが、すぐに私を忠実に追いかけてきた近衛兵の存在を一歩遅れて思い出すことになる。
私の後ろをじっと見つめていたイースケが、ひょいと動いて私を通り過ぎた。
正確には私の髪の毛の先を握って立ったまま、私たちに劣らず魂が抜けていた近衛兵の短い髪の毛を握って。
そして、そのまま1秒の躊躇いもなく壁に向かって打ち込んだ!
「公子妃様!」
初めて髪の毛が解放された感じがすると同時に、ふらつく私の体を数本の腕が素早く支える。
偉大で偉大な北部のパラディンたちよ、どうか私が今夢を見ているのではないと言ってください。
私は腕の中に投げ込まれたまま後ろを振り返る。
しかし、誰かが雄大な手のひらで私の目を隠したため、何も見ることができなくなった。
パサパサという恐ろしい音とともに、人々がわいわい騒ぐ大きな叫び声だけが聞こえてくるだけ。
「このサタンも泣いて行く奴が、剣を置いてどうするんだ!私たちはパラディンなんだ!同じ騎士として、いや、人間として礼遇を・・・」
「ちょっと、私は気が弱いんだって!腹が立ったのは理解できるが、人の顔をそんなに・・・おい!公子妃が見ているぞ!」
見ているわけではなかったが、あまりにも解説が生き生きしていて見ているのと同じではあった。
こんなことなら一体目はどうして隠したの?
それにみんなどうしてまたあの暗殺者姿なの?
ついに肉の塊を潰すような恐ろしい音が止まり、目隠しをした手が片付けられた。
目の前にとんな恐ろしい惨事が広がっていても、できるだけ驚かないことにして。
「イース・・・!」
[クラアアアアアアアアア!]
よりによってその瞬間に竜の子の咆晦が私たちの再会を妨害する。
荒い息を吹き込んですぐに近づいてきた私たちの主人公が私を持ち上げていた瞬間、ふと彼の腕が突然止まり、すぐに何を考えたのか突然再び私を置いては振り向いた。
そっちに沿って覗線を向ける。
そこには周りの大騒ぎに比べて比較的元気そうな姿のチェシアレが立っていた。
あいつがいつからあそこにいたのか分からない。
チェシアレとイスケが睨み合っている。
じりじりと灼熱する濃い青の視線と、冷たく凍りついた赤い覗線が激しく衝突した。
「パラディンのくせにサタンの下水と大成殿に侵攻するなんて、皮肉なことだ」
「枢機卿のくせに偶像崇拝するようなことばかりするわけにはいかない」
「お前は聖騎士じゃない。やっていることだけ見ても分かるんだけど」
「そっちは騎士じゃないよ。どうせパラディンとして来たわけでもないんだから」
ぎょろぎょろと歯ぎしりの音とともに、両側の剣刃が真っ青に光った。
これは想像もできなかった劇の結末だというのか。
そもそも比較にもならない相手ではあるが・・・。
目が自然に閉じられると同時に、それを最後に私を譲り受けた人たちが体を完全に回した。
「公子妃様、ここにいらっしゃるとは!大丈夫で・・・な、なぜ泣くんですか?」
「ヒック・・・と、とても嬉しくて・・・」
ほうっとした目で私を見つめていたアイバン卿が、続いて凛々しく並んで微笑んだ。
「ところで、みんなどうしてもう来たんですか?私が聞いた話では・・・」
「トカゲに乗ってきました」
「はい・・・?乗るんですか?」
「ちょっと苦労しましたが、まあ意外にもやっていけそうでしたよ」
私は思わず口を開けて彼らを見る。
なんと、ドラゴンに乗ってロマーニャまで飛んできた北部のパラディンたちだなんて。
これは本当に想像もできなかった展開なんだけど。
「今ここは私たちだけで、あの反対側にカミュとエスゲルが行ってて、今頃多分そこを整理していると思います。公子妃がこの中にいるとは思わなかったが、トカゲの子がずっとこちらに突進していたので、それでどうもおかしくて、それぞれ分けて・・・あれ、ところであいつはどこへ行った?」
「・・・ここだ。公子妃様、無事でよかったです」
一体そこで何をしていたのか、そしてバルコニーの手すりを越えてきた私たちのヒグマが私に向かって手を振っている瞬間だった。
そのすぐ後ろに何か巨大なものがぐっと近づいてきて、私たち皆が一瞬びくっとする。
藍色の鱗がゆらゆらと揺れていた。
巨大な黄金色の瞳がちらちらと私を見つめている。
「クルン、クルルン・・・」
やっばりうちの竜の子が当たったんだ、無事に成長したんだ!
ああ、もう思春期にすぎないはずなのに、頭が馬車のようなものだ!
偉いね!
私はそのまま飛びついて、竜の子の頭をぎゅっと抱きしめる。
正確には鼻を抱えたわけだが。
「・・・おい、あいつ今何言ってるんだか?」
「知らないよ、こら。胸がいっぱいになるから、ちょっと黙ってて」
「お前らは一体何だ!?」
突然割り込んできた声の主人公は、その間に再び押し寄せてきた一群の法王庁パラディンと近衛兵だった。
魂が抜けた視線は一様に龍の子に固定されている。
それも当然のことだった。
「ド、ドラゴンだ・・・」
誰かがつぶやく音が鳴った。
ズボンを濡らす音も混ざったようだ。
北部のパラディンはしばらく燃える視線を交換するかと思いきや、すぐに一斉に剣を抜いて飛びかかった。
ついにイースケたちが救出に来ました!
チェシアレとの対決はどうなるのでしょうか?
https://recommended.tsubasa-cham.com/matome/