こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は186話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
186話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 夏祭りの幻想④
「遠いところまでお越しいただき、お疲れ様でした」
ロマーニャで最も悪名高い修道院孤児院の院長は、意外にも自由奔放で多情多感な印象をした初老の男だった。
ただ、それは南部でよく見られる聖職者のタイプではある。
暖かく2人の北部人を迎えた院長は、「ロマーニャのお偉いさんたちが事故を起こすたびにここを訪れたため、爆発しそうだ」など、「厳格で体系的なシステムでよく知られている」としながら、聞きもしなかった情報を並べた。
そして、言葉の最後に「ただ、バサロメ枢機卿の隷下が自ら・・・」とぐずぐずすることで、アイバンを苛立たせる。
問題の子供を素直に譲り渡したが、その後バサロメ枢機卿の怒りを買うのではないかと恐れているようだ。
院長の立場でそうするのも無理はない。
にもかかわらず、このスキャンダルをロマーニャとブリタニアのレンブラント3国が絡んだ面白くない外交的問題にする代わりに、静かに子どもだけを処理しに来た立場では苛立たしくならざるを得なかった。
(伸びろ私の導火線よ、ここは外国の地で、私はもうすぐ結婚する身だ)
アイバンが必死に自分をなだめる瞬間だった。
院長の話を聞くなどしないと言いながら、周りをきょろきょろと見回していたルーブが突然割り込んできた。
「じゃあ、ここに連れてくればいいんだよね?」
「え?」
「あのデブ枢機卿を連れてきて、何も問題にしないと約束すればいいんだよね?」
「あ、いや、それは・・・」
「おじいちゃん、今私と駆け引きをしてるの?」
「え?」
「どうしてああしたりこうしたりして、とんでもないことを言うんだ?」
真っ黒な片目がごちゃごちゃした茶目っ気で半分ちぐはぐだった。
アイバンはふと、どんな歪んだ趣向を持った人間がこいつと恋愛をしようとするのか気になった。
いずれにせよ、しばらくして二人は別の場所に案内される。
「すぐ連れてきます」
もじもじしながら消えた職員を待ちながら長い廊下の端でうろついている間、狭い鶏小屋のようにだらだらと垂れ下がった部屋の窓から視線があふれた。
必死で切実な期待感に膨らんだ眼差し・・・。
アイバンはついここから出たくなった。
見てみると、ルーブもあまり気分が良くなさそうだ。
「あれはどうしてあんなに見つめてる?」
「訪問客が来たから、今の私たちの登場自体があの子たちには希望拷問に他ならないじゃないか」
「なんで?」
なんでって、なんで。
アイバンはなぜかイライラの代わりに奇妙な不慣れさというか、得体の知れない不慣れな感情が立ち上るのを感じた。
こいつって元々こんなに話が通じないやつだったっけ?
いや、言葉が通じないわけじゃないのかな?
元々ちょっとネジが抜けたやつではあったけど、ここまで窮屈なやつではなかったと思うけど?
「・・・自分たちの中の一人を連れて行くかも知れないという期待をしているから。毎日、そういうことばかり考えて生きている子たちだって」
「ああ」
ようやく理解したかのようにうなずいたルーブが、腕を組んで物思いにふけった表情で空中を凝視する。
アイバンは黙々とその姿を見つめていた。
この野郎、いったい何だよ・・・。
「あ、でもさ」
「え?」
「王妃様も幼い頃、こういう似たような場所で出たことがあるという話を聞いたようだが。本当かな?」
「本当かどうか、それが一体私たちと何の関係があるんだ?」
ボルヒア家が全滅してから滝のように流れ出たあらゆる証言の一つ。
現ブリタニアの王妃が幼い時、父親の認定を受けることができず苦労したという話。
「ただ、殿下が気にしているのが、なんだかそれと関係があるようで」
「関係があるとしても、君が一体何の関係があるのか?なぜそのような事実なのかも不確実な内容に関心を持つ?」
「持ってはいけないのか?」
「できないことはないけど、君が一体なぜ」
「・・・おい、こいつめ!」
突然鳴り響く大きな音に、二人は並んで首をかしげた。
さっき職員が消えたドアがいつの間にか大きく開いているのかと思ったら、ある小さな塊一つがこちらに矢のようにポンポンと走ってくる。
しかし、誰かが阻止する前にまっすぐにルーブの脛にくっついた!
「何だ、これ」
低くしかめっ面をしたルーブが、自分の足についた子供を、情け容赦なく振り払う。
どっかり落ちた男の子が激しくしりもちをついた。
「この狂人め!」
アイバンはぎゃあっと叫んだ。
ところが、そのまま泣き出すと思っていた子供が、再び勇ましく立ち上がると、再び勇敢に自分をほこりを落とすように落とした男の足にしがみつくのではないか。
どうやらみんな私以外おかしくなったみたいだ。
混迷していく精神を感じながら、アイバンはルーブが今度こそ子供を蹴飛ばしてしまうと予想した。
しかし、ルーブはその代わりに何を考えていたのか、顔をそむけてアイバンをじっと見つめる。
「どうすればいいのか」と聞く表情だ。
アイバンは意地悪にもぞもぞした。
「抱きしめてみれば?」
「・・・」
「すみません、すみません!」
折しも一歩遅れて飛び出してきた職員が慌てて子供をつかんで引き離した。
それとともに、なんだかんだ言って、この子がまさにその子だと打ち明けた。
「なるほど、そうなのか」
アイバンは反射的に頭の中にエンツォの生前の姿を思い出す。
生姜色の髪、濃い青の瞳、特有の自由奔放な目元。
たとえその姿をわずか2歳にもならない子供から探すのは無理があるだろうが。
「どう、似てると思う?」
「・・・天と地の見分けがつかないのを見るとそんな気もするし」
チビがこれまで一緒に過ごした友人たちと院長に「最後の挨拶」を交わす間、2人は外に出て待っていた。
階段に腰掛けてぶどう園庭園を眺めている間、二人の間でしばらく言葉が交わされなかった。
先に口を開いた方は意外とルーブだった。
「また私が気に入らないみたいだね」
「え?」
「さっきからずっと睨んでいるじゃないか。今度はまた何だ?」
アイバンはしばらくルーブの心の知れない笑みを浮かべた顔をじっと見つめ、半分衝動的に吠えた。
「お前が変なことを言う時から気づくべきだったのに・・・」
「え?」
「いや、へらへら笑いながら人を拷問する時から調べるべきだった」
「何言ってるの。そして、あの時にへらへら笑いながら怒らせたのは、お前たちも同じだったじゃん」
「それは・・・、とにかくお前はおかしい!見れは見るほどおかしいって!お前は一体なぜこの任務を志願したのか?いや、一体何を考えて生きているんだ?」
「またとんでもないですね。今日に限って一体どうしたんだか?」
日が近いアイバンとは違って、ルーブは全くわけが分からないという、正確にはなぜジラールなのか分からないという平然とした表情だった。
アイバンは突然その顔に一発飛ばしてやりたい衝動をかろうじて抑える。
「考えれは考えるほど、おかしな点が一つや二つでなければならない!ちっ、正直に言ってみろ、普段大変だろう?気分がいいふりをして怒ったふりをするの大変だろう?そうじゃないけど、悲しいふりをしないふりをするのが大変だよね?」
「とんでもない、なんて繊細な感性の持ち主なんだ」
「この変な奴め!私の言う通りだろ?」
「私たちの中で変人は私ではなく殿下・・・」
「あいつがただの純粋な犬なら、お前は陰険な詐欺師だよ!そして、それとなく話を変えるな。今までいつか一度でも戦友愛とか友情とか忠心とかそんなこと本当に感じたことがあるのか!?」
「いや、男同士でべたつくのは嫌だ」
「それは私も嫌だ!じゃあ、女とそうするのはいいのか!?」
「そうだね、正直よくわからない」
恥ずかしそうに頭を掻くルーブを意気揚々と見つめ、アイバンは鼻で笑う。
こうなると思ったよ!
「正直に答えてみろ、生きていて誰かを大事にする気持ちを持ったことがあるのか?あなたの家族にも・・・」
「いや」
「・・・少なくとも素直でよかったというか?あなた誰かを好きになったこともないよね?ともすると男云々しながら言い訳をするが、それでは女だと違うのか?私の考えでは、あなたというやつは初恋のような初々しい感情でも抱いたことがないだろうし、多分今まで・・・」
「初恋はある。王妃様だ」
これまでそうだったように早くて簡単な答えだったが、アイバンは今回だけは何の反応も示せなかった。
あまりにも突拍子もなくて荒唐無稽に感じられたからだ。
ルーブの最後の言葉は、一体どういう意味でしょうか?