こんにちは、ピッコです。
「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。
今回は42話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
42話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- お父様と二人で②
どれくらい寝たんだろう。
ざくざく音と紙がめくりながらひらひらと音を立てていた。
「うん・・・?」
私の部屋から聞こえるような音じゃないんだけど。
ダミアンがまさか私のことが心配で隣で勉強でもしているのかな。
そこまで考えて目を細々と開けた時、私は自分の視野をいっぱいにしたのが見慣れない天井だということに気づく。
(何だろう・・・?)
私がまばたきしながら身をよじると、シャカシャカという音がぴたりと止まった。
「起きましたか、末っ子?」
(お父さん・・・?)
私がわけが分からないという顔で眺めると、父がいきなり手を私の額に近づけた。
すぐ父が苦笑いをして安堵のため息をつく。
「立派だね、うちの娘は。熱も下がっている」
それも褒められることなのか?
私はこの家にしばらく滞在していたが、いまだに称賛の基準を知ることができない。
ところで、本当にここはどこ?
お父さんがそばにいるのを見ると、危険なところではないようだが。
私が気になったようにきょろきょろ見回すと、父親が私をさっと抱きしめてくれる。
「お父さんが働いているところだよ、うちの娘」
(お父さんの、お仕事?)
「そうなんです」
お父さんの執務室だって?
なんでここに来てるんだろう。
私が頭の中で暴風のように質問を吐き出すことを知ったわけでもないのに、父親がゆっくりと話をしてくれた。
「お母さんとダミアンとラウレンシアは今家にいないだよ」
「オッソ?」
「うん、春祭りを見物しに行ったんだけど、私たちが寂しいかな」
父はそう言いながら悩むように、私の額と頬にもう一度手を当てて熱を測ってみた。
「熱は全部下がったようだが・・・いや、その・・・それでも今日は外出しないほうがいいだろう」
まるで自分に言い返すように話しているようだったが、とても心が痛んだ顔だ。
私は父の裾をぎゅっと握って首を横に振った。
(寂しくない)
ゆっくり、できるだけ私の言葉が正確に伝わるように念入りに舌を動かした。
「本当に?」
父は、まるで自分が寂しいという言葉を本当に知っているのか、悩んでいるようだった。
「うん、あの子ちやあ」
「では、今日はお父さんと一緒にいなければならないのですが、それでもいいですか?」
それはどうして大丈夫なのかと聞くんだろう?
良くない理由があるのか?
そう思うと、私はふと昨夜、父の呟いた言葉を思い出した。
考えてみると、私は普段、母の胸に抱かれる子だったようだ。
お姉さん、お兄さんがいる時は普通私の両手は二人の役割だったし。
(ただ、お姉さんとお兄さんが幼いから)
それが当然のように父親が手を出しても姉、兄や母親が手を伸ばせはそちらを選んだような気がする。
(お父さんを他の人より好きじゃないからではないけど)
私がお姉さんに初めて会った時だけでも言えたなら、なんとかこの心を説明しただろうはずなのに。
それで私は答えの代わりに父の肩に寄りかかった。
なのに。
「うちの末っ子、まだ大変ですか?こうやってお父さんに抱かれて」
私の意思が少しも伝わらないなんて。
父は先に主治医に私の面倒を見るようにした後、下女たちを呼んで私の体を拭いて着替えるように指示した。
女中たちの手に引かれて厚着をして、私は心の中で決心する。
(今日、お父さんと一緒にいると言ったから誤解を解かないと)
私はお父さんも大好きだよ。
家族みんな、私は本当に好きだった。
もう少し手を握って、もう少し抱かれるからといって、もっと喜ぶのではなかった。
(まだ記憶が生々しい)
私が生まれたと大喜びしながら涙を見せた父が。
実はお父さんは大したことないと思っているかもしれないが。
(私が嫌い)
疎外される経験は私にとても慣れたものだったから。
慣れて鈍くなったが、それが本当に良い気分ではなかった。
まして、お父さんはそんな経験が累積されてもいないじゃないか。
それで服を着替えるやいなや下女の裾を引っばって言った。
「パパ、行こう」
「あら、うちのお嬢さんがどこへ行こうと言うなんて!」
「私たちといるのは良くないんですか?」
うん?いや、なんでまたここで愛情テストを受けるんだろう?
しかし、私が悩む前にそばにいた他の下女が叱った。
「あなたは公爵様とあなたを比較したいの?」
「えぇ,そんなこと言ってないです。ただお嬢さんが可愛いからだよ!」
「それはそうだ、うちのお嬢さん、早く公爵様に会いに行きたいですか?」
「服さえ着替えたら連れて行ってあげるつもりでした。今日は公爵様がお嬢さんとずっと
一緒にいるとあらかじめおっしゃったんですよ」
そのように言いながらも、下女たちがしきりに「可愛い」や「そんなに見たかったんですか?」のような言葉を吐き出し、なんとなく恥ずかしくなった。
間違った話ではないのに、どうしてこんなにからかわれているような気がするんだろう?
確かに私が着替えるために出てきた時は、執務室の中でこんなに暮らしが感じられなかったと思うんだけど。
私は執務室のドアを見ながらしばらく悩んだ。
「このように処理してはいけないと今まで3回は話したようだが、どうして是正されていないんだ?」
姉さん、兄さんの前とは違って、ドア越しに聞こえる父親の声がとても冷たく低かった。
誰が間いても威嚇的な声だ。
厚いドア越しの音で、普通は聞こえもしない声だったが。
(今入ったら邪魔なんじゃないかな?)
父が春祭りに行けずに残ったのも、私のせいではなく、仕事のせいだろう。
それで、ついでに私の面倒を見て、他の3人には祭りを見に行けと言われたのではないだろうか?
そういう考えでじっと執事を見上げると、彼はにっこりと微笑んだ。
「少々お待ちください、お嬢さん。ちょうどお客さんが来たところなので」
「うん・・・いいよ、まつ」
私はそう言いながら部屋に帰るべきではないかと思った。
仕事を邪魔する子になるつもりはない。
それで私が下女の裾をぎゅっと握った時、ドアがばっと開いた。
「うちの娘、いつ来ましたか」
すると、半開きの目を見て、少し浮かない顔をした。
「あ、うちの末っ子はお父さんといるのはイマイチですですか?」
「い!」
ただタイミングがそうだったんだけど!
悔しい気持ちで急いで叫んだので、うまくできる発音なのに、めちゃくちゃだった。
「そうか、よかった。お父さんはアナスタシアと今日ずっと遊びたかったよ」
遊びって、ちょっと前に出てきたときに机の上に書類が山積みになっているのを見たのに!
しかし、だからといって父親が来いと言うように開いた腕を拒否するほど気が利かないわけではなかった。
私が急いで抱きしめると、父親が私を抱きしめて気持ちよさそうに笑う。
「うちの末っ子が今日は甘えるね、こうやって全力を尽くして抱かせてくれるなんて」
意地悪な言い方だったが、私は恥ずかしがる代わりに父の首をぎゅっと抱きしめることを選んだ。
私が父をあまり気にかけていないという誤解を必ず解きたかったから。
「じゃあ、お父さんと何をして遊びましょうか?」
「ノオラア?」
「そうですよ、うちの末っ子はお父さんと遊ぶのが嫌いですか?」
その問いに私は首を横に振る。
そうでは.ないのに、私は厚い執務室の門越しに積もった書類を眺めた。
「パパ、この仕事、多いよ」
だから働くお父さんのそばにいてもいいという話だったのに、なんだかお父さんが笑う音をたてた。
「お父さん、サボってるわけじゃないのに」
そんな意味で言ったわけじゃないけど!?
私は慌てて瞬きばかりしていたが、父は何が楽しいのかしきりに笑顔だった。
「うちの娘がお母さんと同じことを言ってるね」
「お母さん?」
「そう、お母さんもお父さんに仕事はきちんとしておけと言うんだ」
すると、私の頬を指でぽんぽん叩いて、大丈夫だというようにささやいた。
「でも今日は本当にお父さんの仕事があるのに遊んでるんじゃないよ、うちの末っ子のためにそのくらいの時間は出してもいいんだよ」
父は私に許しを請うように手の甲に口付けをしてまた尋ねる。
「だからうちの末っ子、お父さんが一緒に遊ぼうって言うのを許してくれる?」
どうしてこんな言葉を断ることができるだろうか。
それで私は父の指先をぎゅっと握ってうなずいた。
「うん」
アナスタシアに嫌われていると勘違いしている公爵。
なんとかして誤解を解かないとですね!
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