こんにちは、ピッコです。
「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
103話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 騒がしい足音
次の日。
昨日とはまったく違う状況が始まった。
レリアを避けていたカーリクスは、今度はレリアを探し回るようになり、カーリクスを探していたレリアは、今度は彼を避けるようになったのだ。
レリアはノックの音にびくっと驚いた。
もしかして、カーリクスがここまで探してきたのではと思って。
だが、ドアを開けて入ってきたのはカリウスおじさんだった。
レリアは安堵の息をついたが、怒った叔父の目を見て、何かがおかしいと感じた。
「レリア、ちょっとついて来なさい。」
「……」
祖母の前だったので表情は何も出さなかったが、叔父の目は明らかに怒りに満ちていた。
レリアは祖母を安心させた後、静かに部屋を出た。
そうして3階の応接室に入り、ソファに座ったときだった。
「全部聞いた。」
「えっ?」
突然力のこもった声で、カリウス叔父が言った。
怒りを秘めた目に、レリアはすっかり気が引けてしまった。
いったい何の話?
まさかカーリクスが変なことを言ったの?
「首都の皇城で過ごしていたとき、皇子どもが君に何をしたのか全部聞いたってさ。」
「……あ。」
まったく予想もしていなかった言葉に、レリアは叔父の目を避けてうつむいた。
グリピスが話したようだった。
『秘密にしてくれって言うべきだったのに……』
遅れて後悔しながら、レリアは叔父を見上げた。
複雑な心境のカリウスは、口を固く閉ざしたままのレリアを見つめた。
いつの間にか両目はしっとりと濡れていた。
万感の思いが交差しているようだった。
そう、そういうことなのだ。
自分も叔父の甥ではあるが、セドリックやデミアンも叔父にとっては大切な甥たちだったのだ。
「その瞬間そばにいられなかったことを謝る以外、何も言えないな。」
レリアは黙って首を振った。
カリウスは静かにため息をついた。
「ペルセウス皇帝は、あの子たちが幼い頃からあまりにも可愛がって育てたんだ。幼い頃におばあ様を恋しく思っていたせいかもしれない。」
「………」
「でも、だからといってあいつらがしたことが正当化されるわけじゃない。」
レリアは気まずさを感じた。
自分のせいで叔父が苦境に立たされて、悩んでいるように思えた。
誰の味方もできない叔父の立場に理解が及んだ。
まったく気まずくはなかった。
叔父が二人の皇子を理解して許してやれと言っても、気まずくはないだろう。
もちろん叔父の頼みであっても、簡単に二人を許すことはできないだろうが。
でも叔父はそんなことは一言も言わなかった。
代わりに、真っ直ぐな眼差しでレリアの手をぎゅっと握って言った。
「これからは、この叔父さんが君を守ってあげよう。叔父さんの命を懸けて。な?」
その言葉に、レリアはこれまで感じたことのない気まずさが、目の奥の霧のようにすっと晴れていくように感じた。
レリアは涙をぐっとこらえたまま、無理に笑って襟を整えた。
カリウスは、そんなレリアの頭を撫でてやった。
今もなお、幼い子どもに接するような態度だった。
レリアはそんな叔父の様子に笑いながら言った。
「しばらくの間は絶対に城の外には出ないでくださいね。」
カリウスはいつものように、理由も尋ねずにただ黙って襟を整えた。
カリウスとの会話を終えた後、レリアはすぐにグリピスを訪ねた。
怒るつもりはなかったが、今後は気をつけてほしいとお願いするつもりだった。
『おじさまは構わないとしても、おじいさまやおばあさまにそんなことを言ったら困るでしょう……』
二人が傷ついて苦しむ姿を見たくなかった。
グリピスはレリアが訪ねてくると予想していたかのように扉を開け、応接室に案内した。
レリアは侍女が持ってきたお茶を一口飲み、慎重に尋ねた。
「どうしてあの話を叔父様にしたのか」と。
グリピスはその質問を予想していたかのように、落ち着いて答えた。
「確認することがあったんだ。」
「確認ですか?」
「あの方が本当に君の味方なのか、知りたかったんだ。」
「それって……」
「彼らも家族だからね。もしシュペリオンの人々がみんな皇族の味方なら、君は……」
「……」
「君は本当に一人だから。僕たちしかいない。」
レリアは何も言えなかった。
グリピスの言葉の意味がすべて理解できて、思わず小さく微笑んだ。
感謝の気持ちがこもった笑みだった。安心感もにじむ笑顔だった。
幼い頃、皇子たちやユリアナを見たときに、羨ましいと思わなかったと言ったら、それは嘘になる。
そんな気持ちが芽生えるたび、レリアは孤独に包まれていた。
「大丈夫、羨ましがることなんてないよ。私には友達がいるから。あの子たちがいるじゃない。だから私は全然羨ましくなんかない。」
そんな言葉で自分自身を慰めながら、なんとかやってきた。
その慰めは決して虚しくなかった。
本当に友達がいつもレリアの背中を支えていてくれた。
家族に出会うずっと前から。
「私を頼って、レリア。」
予想もしなかった言葉に、レリアは顎が上がったままの状態でグリピスを見つめた。
グリピスは穏やかで落ち着いた声で話した。
「僕の神性は君が思うよりずっと強いよ。だから……僕を信じて。」
優しい言葉に、思わず涙が出そうになった。
今まで誰かからこんな言葉を聞いたことはなかった。
長い隠遁生活の末に再び出会った友人たちに、無意識に壁を作っていた自分がバカみたいに思えた。
レリアが秘密を抱えていたときも、友人たちはすべてを察して、ただ黙って待っていてくれたのだ。
「ありがとう。」
レリアは小さく微笑みながら答えた。
グリピスはとても不思議だった。
まるで自分の心の中をすべて見通しているかのようだ。
彼は静かに、レリアが聞きたかった言葉をかけてくれたようだった。
「それから、心配しないで。公爵夫妻には何も言わないから。」
そう言いながら、グリピスは席を立った。
レリアの隣に行き、肩を抱いてあげようと思っていた。
だが、そのときだった。
コンコン!
ノックとは思えないほど荒々しいノック音が響き、1秒後、勢いよく扉が開いた。
ドスドスと響く足音が応接室の方へと近づいてくる。
「………」
レリアの表情が急に曇った。
ノックの音と、その騒がしい足音だけが聞こえてきた。
誰が来たのか分かるほどだ。
「おや、一緒にいたんだね? よかった。」
声が良いカーリクスが、嬉しそうな表情で近づいてきて、レリアの隣にどかっと座った。
グリピスは再び自分の席に座って、ゆっくりと目を開けてカーリクスを見つめた。
正確には、自分が座ろうとしていたその席を。
『レリアの隣にあまりにも近く座ったようだな。』
そんなことを考えていたとき、カーリクスが当然のように軽い口調で言った。
「グリピス。君は神官だからできるだろ?この子と僕の結婚式を執り行ってくれ。」
「なに?」
グリピスが驚いて後ずさったが、実は一番驚いたのはレリアだった。
レリアは困惑した表情でカーリクスを見つめた。
今聞いた言葉が現実かどうか判断できないような顔つきだった。
「それ、何のふざけた話?」
グリピスは思わず苛立ったように言った。
カーリクスは肩をすくめた。
「そのままの意味だ。男同士では結婚できないのはわかってる。だから、お前に頼んでるんだ。」
目をパチパチさせていたレリアがようやく口を開いた。
「……カーリクス様?」
気が狂ったの?
レリアは今すぐでもカーリクスの髪をつかんで揺さぶりたかった。
彼女の怒声に、カーリクスはレリアをちらりと見ると、片目を軽くつぶってみせた。
まるで「僕を信じて」と言うように。
グリピスはその様子を見守っていたが、こめかみをギュッと押さえた。
まるで頭が痛いかのように。
「カーリクス。君が言った通り、男同士では結婚はできない。」
「だから君がやってくれって言ってるじゃないか?」
「僕だって無理だよ。」
「この抜け目ないやつめ…!男同士だと何だっていうんだ?」
レリアは、グリピスがとても嫌になった。
誤解を解かなければならない状況で、なんてことを言うの!
やっと女だと告白したばかりなのに、グリピスがああ言ったら、それってもう男だって認めるのと同じじゃない。
「君はレリアと結婚できない。絶対に。」
グリピスの感情のこもったはっきりした言葉に、カーリクスは深いため息をついた。
そしてレリアを見つめた。
「聞いたか? 君のためにちゃんと形式を整えるつもりだったけど…まあ、俺はそもそもそんな飾り立てたことは必要ないと思ってるけどな。君はそれでいいか?」
「なにがいいって……!私は女なんですけど?」
「女のままで結婚式をするって?それは嫌だ。君のアイデンティティを無視するようなことはしたくない。」
それはまさに総体的混乱だった。
レリアは助けを求めるようにグリピスを見つめた。
「お願いだから何とかしてよ!」
しかしグリピスは肩をすくめるだけだった。
カーリクスはあきれたように呟いた。
「そうだ、結婚式なんてどうでもいいじゃないか。そんなのなくても一生一緒に暮らせばそれが夫婦ってもんだろ……」
「ほんとに君は……」
グリピスが何か言おうとしたが口をつぐんだ。
カーリクスはまったく気にせず、自分の言いたいことだけを続けた。
「とにかく残念だけど、そうしよう!おい、おまえ。もう女装して生きなくてもいいんだ。こんなゴテゴテしたもの、もう着るなよ、なっ!?」
カーリクスはそう力強く言いながら、レリアのドレスの裾を軽く掴んで揺らした。
レリアは驚いて彼の手からドレスの裾を引き抜いた。
カーリクスは、すべてを受け入れる寛容な人のようなまなざしをレリアに向けた。
「もう女のふりをしなくていい。君はそのままでいいんだ。そのままの君を、僕は受け入れられる。」
そう、目で語っていた。
「………」
わあ…これをどう解釈したらいいの?
実際、カーリクスは声変わりによってレリアを男性だと確信するしかなかった。
だからこそ、より強引になったのだ。
息が詰まり、焦燥感が募った。
彼が見た幻のように服を脱いで証明することもできず……。
『いっそ私がレオだったと明かせば、説明しやすくなるんじゃない?』
レリアはシア構成のゲージに視線を移した。
10%ほどしか進まなかったゲージは、いつの間にか60%ほど満たされていた。
「それじゃあ、ちょっと行くところがあるから、先に行くよ。」
カーリクスはそう言うとすぐに立ち上がり、レリアの肩を軽く叩いた。
窓を通ってひゅっと姿を消すカーリクスを見つめながら、レリアは思わずうっとりして目を閉じた。
「本当にあの子と結婚するつもりじゃないよね?」
グリピスの言葉に、レリアはぱちっと目を見開いた。
何か変なことを聞いたような気がして…。
レリアの戸惑うような視線を見て、グリピスはもう十分伝わったと感じたのか、うなずいた。







