幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【108話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

108話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 決意②

部屋に戻ったレリアは、窓の外の空を見上げた。

かつては穏やかだった瞳とはまったく異なる、固い眼差しだった。

原作では、ペルセウス皇帝はレリアの存在を知り、遅れて悲しみながら後悔する。

『その心を癒してくれるのがユリアだったのだろうか…。』

しかし、レリアが生きているからこそ未来が変わった。

おそらく… ペルセウス皇帝は自分に会ったあと、レリアを皇城に留まらせようとするだろう。

レリアは身体を回し、部屋の隅にある鏡を見つめた。

『亡き妻を思い出させるそっくりな外見の娘を、手放すわけがない。』

原作でも彼は、節目のたびに亡き妻の肖像画を取り出して眺めていた。

ペルセウス皇帝にとって、レリアの外見は一種の重荷だった。

しかしレリアは皇帝のそばに留まって、この顔を見せようとはまったく思っていなかった。

もちろんわかっていた。

母の死が皇帝の過失ではないことも、彼自身も被害者であることも。

でも…幼い頃に見た皇帝の冷たい眼差しを思い出すと、いつも身がすくんだ。

当時の自分は、もしかしたら少しだけ期待していたのかもしれない。

「私に気づいてくれるかもしれないって……」

笑ってしまうほど、馬鹿げた期待だった。

幼いレリアは生き延びるために皇城から逃げなければならなかった。

だから今さらペルセウス皇帝を父と認め、切ない感情を抱くなんてことはあり得なかった。

むしろ復讐心があるとすれば別だが。

だが、だからといって皇城に残って復讐し苦しめたいという気持ちもなかった。

叔父や祖父に言ったとおり、たった一度きり。

この姿で皇帝に会うのは、今回が最初で最後になるだろう。

——その後は決して皇帝に会いに行かない。

それがレリアの復讐だった。

ノックノック。

しばらく物思いにふけっていたそのとき。

突然窓をノックする音に、レリアはハッとした。

窓の外の大きな木の枝に、誰かが座っていた。

「……」

レリアは呆れた表情で窓を開けた。

枝を伝って窓に近づいていたカーリクスが、レリアを見つけて笑った。

「…今、何してるの…」

「レオ。」

「……」

「レオ…この名前をもう一度呼べるなんて。」

懐かしむような、寂しげな声。

レリアは深くため息をついた。

何日もの間姿を見せなかったカーリクスが、目の前に現れたことで安心もしたし……一方では——

『これ、あまりにも今さらすぎない?』

他の友人たちとはずいぶん前に挨拶を交わしていた。

レリアもカーリクスに会えて嬉しかったが……それよりも苛立ちと怒りの方が先に込み上げてきた。

『一体その間、何を考えていたっていうの?どうして現れなかったのよ?』

それに、何かあるとすぐに姿をくらます癖も……すごく卑怯に思えてしまった。

逃げる態度は、好きになれなかった。

子どもの頃からカーリクスは、密かに臆病だった。

逃げ出したくなるようなことが起これば、一瞬たりとも目を合わせなかった。

『今からでもあのバカをつかまえないと。ダメだ。』

レリアは目を細めて開いた。

「カーリクス。」

しかしカーリクスは自分の言いたいことだけを一方的に話し続けた。

「少し混乱してたけど、もう大丈夫。」

「……」

「するよ!」

「なにを?」

レリアは思わず「するよ!」という言葉に目を丸くした。

するとカーリクスは笑いながら答えた。

「君と結婚するってこと。するんだ。してあげるんだ。」

レリアは戯れ言を言うカーリクスをじっと見ていたが、すぐに手招きした。

こちらへ来いというように。

彼女が微笑みながら軽く手を振ると、カーリクスの目つきが変わった。

なぜか期待に満ちたまなざしで、カーリクスは一瞬で窓を通って部屋の中に入ってきた。

『キスでもしようってつもりか?随分積極的だな。』

カーリクスがそんなことを考えながらニヤリと笑った瞬間——

「うわっ!」

突然、背中に何かがピシャリと飛んできた。

カーリクスを迎えたのは唇ではなく拳だった。

レリアは荒々しく拳を振るい、カーリクスの腕を叩きながら背中を殴ったあと、周囲をきょろきょろと見回した。

まるで武器を見つけたかのようだった。

「えっ……?」

レリアがきっぱりとブランケットを押し返すと、ようやくカーリクスは何かがおかしいことに気づいた。

その夜、レリアは友人たちを呼び集めて話した。

「だから…私はもう一度王都に行かないといけないの。」

レリアの計画を聞いた4人の反応は様々だった。

ロミオは「また王都に?」と目を細めてしぶしぶ言い、グリピスは深いため息をついた。

カーリクスは何も考えていないのか、さっき殴られた頬だけが無言で物語っていた。

そして、オスカーは――

「オスカー?」

「……」

レリアが不安を感じるほど静かだった。

オスカーはずっと前から、まるで人形のように無表情で、言葉も発していなかった。

まるで何かを耐えているように、唇をしっかりと閉ざしており、その姿には近寄りがたいものがあった。

「一緒に行こう。」

無口だったオスカーが低い声でぽつりと呟いた。

その言葉にロミオが喉を詰まらせた。

「そうだ、みんなで行こう。どうせ俺たち全員暇で、時間もたっぷりあるんだし。」

頼もしい言葉に、レリアは小さく笑いながら、他の友人たちの様子をうかがった。

正直に言えば、友人たちが一緒に行ってくれるなら、レリアには断る理由がなかった。

むしろ心強くて安心できるはず。

もしかしたら、それを内心望んでいたのかもしれない。

「本当に大丈夫?本当に一緒に来てくれるの?」

レリアの問いに、ロミオは肩をすくめるようにして、冗談っぽく笑った。

「隊長が行くのに、従者たちが行かなくてどうするんだ?」

「……」

その言葉に、レリアは少し感動したような眼差しを見せた。

するとロミオは続けてこう言った。

「その代わり条件がある。行く間、俺たちのことを“お兄様”って呼ぶこと。」

「…は?」

睨みつける視線にもロミオは屈しなかった。

そのとき、バシッとロミオの襟元が前につんのめった。

カーリクスが彼の背中を思いっきり叩いたのだ。

「おい、この野郎。お前はいつも“お兄様”に執着しすぎなんだよ…!こんなくだらないことしてるくせに男のプライドはあるのか?適度にしろよ、な?」

「………」

ロミオは呆れたような目でカーリクスを見つめた。

「お前こそ、適度にしろ。」

心の中では一緒に背中を叩いてやりたい気持ちだったが、すでにレリアに一発食らってぼう然としている奴をまた殴るのは、さすがに良心が痛んだ。

しかも、あれだけ殴られたのに、まだレリアを男だと思い込んでいるなんて…少し哀れじゃないか。

「……」

レリアはもう気にもしていなかった。

さっき、カーリクスを叱りながら自分が女だということを何度も言ったのに、まったく通じなかったのだ。

カーリクスは自分の目で見たものしか信じない性格だった。

だからもう…放っておくことにした。

それに、だからといって服を脱いで直接見せるなんてできるわけもないし。

「いつ出発するの?」

その時、グリピスが尋ねた。

「できるだけ早く行ってこようと思ってる。明日、おばあさまに挨拶して、あさって出発することにして。いいかな、みんな?」

「俺は今でも行けるけど。」

ロミオの的外れな返事に、レリアは思わず吹き出した。

こうして、4人の友人たちとの首都行きが決定した。

 



 

首都へ向かう一行には、カリウスおじさんも含まれていた。

何よりレリアを一人で送り出すのは気がかりだったのがその理由だった。

叔父が一緒に行ってくれるなら、レリアもまた安心だった。

カリウスは、以前よりも少し安心した表情のレリアを見て、微笑みを堪えた。

数日前、レリアはカリウス叔父に事実を打ち明けていた。

幼い頃、禁言魔法にかかって皇太子の身分で中立区域に行ったこと。

そこで友人たちと出会ったこと。最近その禁言魔法が解けたという事実まで――

祖父には話すことができなかった。

あまりにも高齢で、大きな衝撃を受けたらいけないと思ったから。

体調が悪くなったら大変だし。

その話を聞いたカリウスは、あえて平然とした様子で、「大変だったな」と言葉をかけてレリアを慰めた。

しかし、今すぐでも亡き前皇帝の遺体を掘り出して再び葬りたいほどの気持ちだった。

表には出せず、胸の内でだけ涙を飲み込まなければならなかった。

自分が悲しめば、それだけでレリアの心が痛むのは明らかだったからだ。

「おばあさま、すぐ戻ってきますね。」

レリアは祖母の手の甲にキスをして約束した。

「気をつけて行ってくるのよ、私の孫娘。」

体調がすっかり良くなった祖母は、優しくレリアを抱きしめた。

アティアスおばもまた、以前と変わらず優しくレリアの額にキスをした。

「お嬢様、お身体に気をつけて行ってらっしゃいね。ここは心配しないで。」

幸いにも、アティアスおばはすぐに気を取り直したようだった。

レリアは彼女に微笑みながら、そっと肩を抱いた。

レリアが留守の間は、ジェノ叔父が公爵邸に共に留まることになっていた。

まだ不安が残っていたため、レリアが特に頼んでおいたのだった。

「行ってきなさい。」

ぶっきらぼうなジェノ叔父の言葉に、レリアは「はいっ!」と元気よく返事をした。

内心では誰よりも優しい人であることを、レリアは知っていた。

そして最後に――

「おじいさま。」

「……」

「何も心配しないでください。」

祖父は何も言わずにレリアを抱きしめて、背中を軽く叩いてくれた。

他に言葉は必要なかった。

 



 

 

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