幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【42話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

42話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • シュペリオン公爵⑥

ちょうどその時、レリアは祖父が去った後、一人で休憩を取っていた。

少しすると侍女たちが来るだろうと言われたので、特にすることはなかったが、部屋の整理を始めていた。

一番大切にしている宝物のウサギのぬいぐるみはベッドの上に置き、祖父からもらった懐中時計はオルゴールの中にしまった。

さらにアイテムインベントリから取り出していた体力回復薬もテーブルの上に並べた。

胸がいっぱいになった。こんなふうに安全に幸せに暮らしてもいいのではないか、という思いが湧いてきた。

『苦労の末に幸運が訪れると言うけれど……』

レリアはしばし幸福感に浸っていたが、ふと首にかけた宝石に手を伸ばし「錬金復元」画面を開いた。

するとまるで喜んでいるかのように、錬金道具が音声ガイドを流し始めた。

【system:新しい環境に合わせた最適化を実施します。】

【最適化進行中です!環境に合わせて新しいレシピが追加される予定ですよ。٩(ˊᗜˋ*)و】

おそらく地域を移動するたびに、新しいレシピが追加される仕組みのようだ。

『なんの原理なのか分からないな。』

もともとゲームでは、ドラゴンたちが世界中を巡りながら素材を探していた。

そのシステムが現実にも適用されているようだ。

レリアは追加されたレシピ一覧を眺めた。

『レシピが多すぎると、賢者の石は絶対に作れないかも…。』

賢者の石を作るには、すべてのレシピをコンプリートしなければならなかった。

『確かに願いを叶えてくれるものらしいからね。』

どうしても原作の男主人公の聖物を手に入れられないなら、この「賢者の石」を使って禁断の魔法を解除する方法もあった。

だが、どちらが簡単かは判断が難しかった。

『それでも半分手に入れたのだから、残りの回帰時計を探すのも簡単かもしれない?』

レリアは「ふむ……」と唸りながら、リストを眺めた。

新たに出現したリストには、用途不明の魔法薬がぎっしり詰まっていた。

ジラミの感染症治療薬、植物肥料、火傷の治療薬、真実と嘘の判別薬など、本当に様々だった。

その中にはとても奇妙なものもあった。

『ちょっと待って、これは何?ゲーム中毒予防薬?』

なぜか心がそわそわした。

やはり前世でプレイしていたゲームだからだろうか、この世界の現実的な単語たちがちらほら現れてきた。

レリアはスクロールしながら、大量のリストを眺めていた。

そのときだった。

『あれ?ちょっと待って!』

レリアの指がある項目で止まった。

【アルツハイマー治療剤】

『アルツハイマーだなんて、もしかして……!』

レリアはそのレシピに使われる材料を確認し始めた。

開放されていない材料は、水色ラベルと灰色で表示されていた。

『ふう……』

レリアはシュペリオン領地へ向かう途中、自動素材探索機能を使ってかなり多くの材料を集めた。

だが、まだ見つかっていない材料のほうが圧倒的に多かった。

『この薬でおばあ様を治せるかもしれない。』

レリアは希望に胸を膨らませながら、材料の名前を読んでいった。

「アリスフラワー99個、記憶破片10兆個、古い繊維の破片……などなど。何これ、なんでこんなに多いの?」

レリアは目を細めてメイン画面に戻った。。

♫┏(・o・)┛最適化♬┗(・o・)┓┏♬進行中です~!┛

そのときだった。

トントン。

なぜか感情がこもったようなノックの音が聞こえた。

絶対にメイドたちではないという確信がある。

レリアは素早く首にかかっていた宝石を隠して画面を閉じた。

ドアを開けて入ってきたのは、やはりメイドではなくカリウスだった。

彼の顔を見た瞬間、レリアの体には緊張が走った。

「………」

カリウスは許可など必要ないというように、堂々と部屋に入ってきて、リビングのように飾られた空間に座っているレリアに近づく。

そしてレリアの隣にドカッと座り、冷たい視線でテーブルの上に置かれた物たちを見回した。

「これは何だ?」

彼はあきれたような顔で尋ねた。

すでに公爵から叱られたせいか、大きく怒る様子はなかった。

彼が手に取ったのは、レリアが作って置いていた体力回復薬だった。

小さなガラス瓶の中にには澄んだ赤色のシロップが入っていた。

「それは体力回復薬です。」

「……は!」

カリウスは呆れたように乾いた笑いを漏らした。

「この詐欺小僧め、お前、こんな魔法薬を作るのが違法だって知ってるのか?」

「……。」

レリアは少し怖かったが、それでもどうしようもないといった表情で彼を見つめた。

どうせ祖父の許可が下りた以上、カリウスは自分に手出しできないはず。

その眼差しを見たカリウスは、思わず息を呑んだ。

彼は一旦怒りを抑えたあと、尋ねた。

「詐欺師の小娘が、錬金術なんてできるのか?」

「………」

レリアは口をつぐんだ。

その質問は言い換えれば、「お前、異教徒か?教会に捕まって火あぶりになりたいのか?」という意味でもある。

どう見ても因縁をつけようとしている質問だった。

しかし、レリアは特に怖がらなかった。

当然のことだが、シュペリオン家で最も権力を持つ者は公爵だ。

祖父が自分の言葉を信じてこの部屋まで用意してくれたのだから、堂々としていればいい。

それに、カリウスの言葉とは違い、レリアは詐欺師ではない。

また、皇城を抜け出し領地まで来る過程で抱いていた不安な気持ちも和らぎ、今の状態はかなり安定していた。

レリアにとって皇城は不安の根源だった。

唯一頼れる友達がいない場所、しかもいつ原作通りに死んでしまうかわからない場所。

そしてフェルセウス皇帝、双子の兄弟たちの存在自体までも。

不安要素だらけだった。

もちろん母の後ろ盾はあったが、それでもレリアが心から安らげる場所ではなかった。

そこでカリウスと出会い大きな衝撃を受け、フェルセウス皇帝までもがその件でレリアに激怒した。

そうした全ての出来事が、レリアを萎縮させ、内向的にしてしまった。

そのため、本国に戻ってきてからのレリアは、以前と比べて用心深くなり、繊細になり、子どものように怖がりがちになってしまった。

しかし短い時間だったが、ここへ来るまでの間にレリアはシュペリオン家の騎士たちと親しくなり、祖父からもたっぷりと愛情を受けた。

だから今日は本当に「安全だ」と感じられる安心感すら覚えた。

そのおかげでレリアは、以前のような心の余裕を取り戻していた。

レリアはそんな余裕をたたえた堂々とした目でカリウスを見つめた。

「………」

しかし、その目つきはカリウスの心を大きくかき乱した。

同時に戸惑いも覚えた。

荒れ果てた皇城の森で会ったときとはまるで違う目だった。

あの時のレリアは、怒りを爆発させたカリウスに対して、かすかな罪悪感を感じるほど弱々しく、哀れだった──

カリウスが戸惑ったように目を見開くと、レリアは覚悟を決めて言った。

「はい、私、錬金術が使えると思います。」

「…なっ!」

レリアは肩をすくめた。だから何?というように。

錬金術は神典で明確に異端と規定された魔法体系だ。

神典は常に錬金術に対して非常に敏感な反応を示してきた。

彼らは錬金術師たちを神の権威に挑む異教徒とみなし、追跡して処刑してきた。

しかし近年、状況は少し変わっていた。

光竜が目覚める予兆が現れ、ドラカネア大陸中で育ったすべての者たちの関心がそこに向かっていたのだ。

『神殿も昔のようにのんびりと錬金術師たちを取り込んでいる暇はないだろう。』

光竜のせいで誰よりも忙しくなったのは神殿だった。

彼らはこの機会に五つの帝国に再び麻薬の恐ろしさを知らしめ、それを足掛かりに影響力をさらに拡大しようとしていた。

原作でも、光竜が死んだ後、神殿は五つの帝国により深く根を張り始めた。

結論は「錬金術師だから何だというんですか?」だった。

どの帝国でも、上位貴族たちはこっそり錬金術師を雇っている。

人の住む場所には、こうしたものに手を出す者が必ずいたのだ。

公爵もまたそう言った。

妻を治すために多くの錬金術師たちに会った、と。

カリウスが自分を脅そうとしている意図はよく分かっていたが、レリアは素直に屈するつもりはなかった。

「………」

カリウスは、レリアの堂々とした態度に言葉を失った。

同時に、ある考えが胸に湧き上がった。

『……まさか。本当に姉上の娘なのか。』

亡くなったエリザベスは魔法使いでありながらも、なぜか錬金術に強い関心を持っていた。

カリウスはその事実をとても複雑な気持ちで受け止めていた。

大切な姉が神典に捕まって何かされるのではないかと、常に心配していたのだ。

『いや、そんなはずがない。』

正直に言うと、彼は今、警告しに来たのだった。

父を騙すほど巧妙な詐欺を働いたのだとしても、自分は絶対に騙されないと。

だが、思いがけず姉との共通点を見つけてしまい、言葉に詰まった。

「それと、私を詐欺師だなんて呼ばないでください。私は詐欺師じゃありません。」

「…な、何?」

「私を信じなくても構いません。でも、お祖父様が私を信じてくださっていますから。」

「………」

ぴしゃりと言い切るレリアを見て、カリウスはさらに言葉を失った。

結局、彼は険しい顔つきで何も言わずに部屋を出て行った。

カリウスは目を細め、閉じたドアをじっと見つめた。

なぜか怒りが込み上げてきた。

 



 

 

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