幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【52話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

52話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 再び首都へ④

夕食の雰囲気は和やかだった。

光竜が死に、戦争が終わった後、どれくらい前からだろうか。

いつもこうだった。

そしてまもなく、カリウスが領地に戻ってくる予定だからだ。

「カリウスから手紙が来たんです。遅くなっても、春が終わる前には戻るって。」

「それはよかったな。」

レリアは叔母と祖父の会話を聞きながら、貝殻をいじっていた。

レリアの隣には祖母が座っていた。

祖母は穏やかな表情で、レリアが食事する姿をじっと見守っていた。

リサンドラは体調によって、レリアをエリザベスとして見たり、孫娘として見たりしたが、態度はそれほど変わらなかった。

ただ、レリアに接するときは、少しだけ愛おしそうな様子が加わった。

それは、彼女がまだ正気を保っていた頃の名残でもある。

「お嬢ちゃん、野菜も食べなきゃね。」

「……」

こっそりパプリカをよけていたレリアは、祖母の目にしっかり捕まった。

「うちのエリザベスは、野菜もしっかり食べたのに……。」

「はい、おばあさま。わたしもちゃんと食べます。」

レリアはフォークでパプリカを刺して無理やり口に押し込み、ぎこちなく噛んだ。

ジェノ叔父が、子どものころから偏食だったと弁解したが、レリアは唇をきゅっと引き結んだ。

叔父も海産物が嫌いで食べなかったくせに。

レリアが意味深な目つきで見つめると、ジェノはバツが悪そうに顔をそらした。

祖父も叔母も大きな声で笑った。

レリアは寂しさを覚えた。

しばらくこの地を離れたら、この賑やかな食卓ともお別れなのだ。

食事が終わると、レリアは慎重に口を開いた。

「お祖父様、お祖母様、叔父様、叔母様。」

レリアの真剣な声に、視線が一斉に集まった。

レリアは緊張を押し殺して、勇気を出して言った。

「お話したいことがあります。……私、首都に行きたいんです。」

「………」

「首都?」

「首都にはなぜ?」

「首都」という言葉に、祖父と叔父、叔母たちの顔がこわばった。

彼らの表情が暗くなったのは、首都にいるフェルセウス皇帝の存在が原因だった。

「まさか父親を探しに行くつもりか?」

年長の叔父ジェノが、少し気まずそうに尋ねた。

レリアはすぐに首を横に振った。

「そんなわけないです!実は……私が研究している錬金薬があるんですけど、その材料を手に入れるために首都に行かないといけないんです。」

「ふうむ……。」

レリアの言葉に、皆それぞれに思いを巡らせながら、静かに沈黙した。

「人を送って探させるのは難しいか?」

「必ず私が行かなきゃいけません。」

叔母の言葉に、レリアはきっぱりと答えた。

「……行ってきなさい。」

しばらく沈黙が続いた後、シュペリオン公爵が口を開いた。

レリアは驚いた目で祖父を見つめた。

『一番反対しそうだったのは祖父だったのに……』

思いがけない反応に、胸がいっぱいになった。

「ただし……。」

「はい。」

「おじいちゃんが一つだけ頼みがある。必ず一度は戻ってきておくれ。」

「そんな……一度だけなんて、おじいちゃん!」

レリアの目には涙が滲んでいた。

おじいちゃんはレリアがここを離れようとしていると勘違いしているようだった。

「私が首都に行くのは、おばあちゃんの病気を治すためです。戻ってくるのは当たり前です。ここが私の家なんですから……。」

レリアが涙をぬぐいながらそう言うと、シュペリオン公爵は優しく微笑んだ。

初めて出会った頃よりも目元の皺が深くなっていた。

「それなら心配しないよ。」

公爵の答えにもかかわらず、レリアは泣き続けた。

祖父がどんな気持ちで送り出してくれると言ったのかを考えると、胸が痛んだ。

「お父様は、寂しくて子どもを泣かせたくてそんなふうにおっしゃったんですよ。レリアが一度行くだけなのに?ここが家なのに。」

「そうよね、お父様ったら……。レリア、もう泣かないで。うん?おばさんが小遣いあげるから。」

レリアは、自分を子ども扱いする叔父と叔母のやり取りに思わず笑ってしまった。

レリアを愛おしそうに見守っていたアティアスが、にこやかに言った。

「ちょうど私の夫も相談の用事で首都近くまで行くから、一緒に行けばいいですね。」

「そうだ、それがいいな。」

叔母と叔父の言葉に、レリアは気まずい思いをした。

ジェノ叔父と叔母はシュペリオン城に住まず、近くの住宅地で家庭を築いて暮らしていた。

ジェノ叔父とその子供たちには何度か会ったことがあるが、アティアスおじさん(イモの夫)にはほとんど会ったことがなかった。

商会を運営するのに忙しかったからだ。

だからレリアは、叔母が借金を作った理由が寂しさによるものではないかと推測していた。

しかし、どれだけ調べても、叔母にはギャンブルのような趣味はなかった。

『未来が変わったんだろう。』

レリアはそう考えて安堵した。

けれども、万が一に備えて、首都ではできる限り用心しようと心に誓って。

早く終わらせて戻ろうとレリアは考えていた。

他のことも大事だけど、レリアにとっては「家族を守ること」が最優先だから。

レリアが乗った馬車は、あっという間にシュペリオン領地を離れていった。

祖母、祖父、叔父、叔母、ベッキー、そして城の使用人たちと騎士たち。

皆に一人ずつ別れの挨拶をしながら、レリアは不思議な気持ちになった。

すぐに戻ってくると言ったのに、みんなが涙ぐむので、つられてレリアも泣いてしまった。

本当に出発する人になった気分だった。

親しく過ごしたことのない騎士たちでさえ、手巾で涙を拭っていた。

レリアは馬車が領地の端に差しかかる頃にようやく涙をぬぐい、気を引き締めた。

『でも、首都まではすぐに着くだろう。』

この9年間、ペルセウス皇帝は魔法使いたちの能力を積極的に伸ばす政策を取ってきた。

そのおかげで帝国内全域に転移魔法陣が設置されており、それを使えば本来1か月かかる距離も2週間で縮められる。

非常に大きな進歩だった。

レリアは馬車の窓の外を眺めた。

商団の行進は、騎士たちの護衛を受けながら順調に進んでいた。

最初に挨拶してきた夫人は、かなり裕福そうな人物だった。

彼女はレリアがひとりで快適に乗れる豪華な馬車を用意し、さらに一緒に行動する業者の娘も付けてくれた。

しかし、首都に向かう途中、その業者の娘の顔は一度も見えなかった。

ずっと馬車の中に閉じこもって出てこなかったのだ。

不審に思ったレリアが尋ねると、彼女はこう答えた。

「ご主人様は皮膚に病気ができたため、外に出られないのです。」

だからたまにハインたちと夫人が馬車に出入りするだけだった。

レリアはすぐに興味を失った。

――今は、他のことに気を取られている場合ではなかったからだ。

彼女は深く考え込んだ。

胸が高鳴ったり不安になったわけではないが、負担を感じないと言えば嘘になる。

家族の安否が彼女の手にかかっているのだ。

首都で逃げるように祖父と出会ったときが、まるで昨日のことのようだったのに…。

『もうしっかりしなきゃ。』

レリアは唇をきゅっと結び、目を輝かせた。

首都に到着するまで、レリアはこれからの計画を何度も練り直した。

そして数週間後――

レリアはついに首都へ到着した。

実に9年ぶりの帰還だった。

馬車は首都の変化街(郊外のような場所)に到着して停止した。

商団の馬車は首都の外に待機していて、レリアを運ぶために別の馬車が用意されていた。

レリアは馬車を降りると、少し緊張しながらも覚悟を決めた。

夫人はレリアに、 「資金は十分かしら? 商団は忙しくてここに長くは滞在できないけど」と声をかけた。

「いえ、夫人。本当にありがとうございました。また領地でお会いしましょう」と丁寧に感謝を伝える。

「ええ、また会いましょう。健康に気をつけてね」

「はい、お気をつけて」

夫人は急ぎの用事があるのか、レリアを降ろしてすぐに馬車が待つ場所へと急いで向かった。

レリアはこわばった表情で辺りを見回した。

9年間で首都はかなり様変わりしていた。

「……」

首都の片隅にたった一人取り残されたと思うと、不思議な気持ちだった。

どこか怖くもあり、自信に満ちてもいた。

祖父は何度も、護衛の騎士を同行させようとしたが、レリアは頑なに拒んだ。

それは自分の計画に支障をきたすからだ。

年金薬の材料のためだと言うと、祖父もなんとなく察したのか、しぶしぶ許可してくれた。

首都はかなり賑やかだった。

理由は、五大帝国の勇者たちが光龍を討伐して、間もなく帰還するという知らせがあったため。

皆、祝祭の準備に追われていて、街は活気に満ちていた。

商人、客、平民、貴族…通りを行き交う人々の顔は、みな明るく、希望にあふれていた。

そんな中、レリアは「自分だけがよそ者になったような気持ち」を抱き、目立たないようにローブのフードを深く被る。

 



 

 

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