幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【57話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

57話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 潜入

レリアは両耳を疑った。

今、何て言った?

「ロミオ、冗談だろ?」

カーリクスが肩をすくめた。

ロミオは大したことではないというようにニヤリと笑った。

「まったく問題ない。明日の最後の宴会に出席するために、俺の婚約者として連れて行けばいい。」

「………」

レリアは呆然として目を見開いた。

『ロミオの婚約者という身分で皇城に入るって?』

レリアは起こりうる可能性を素早く計算した。

「……」

正直、そんなに悪くない方法だ。

ペルセウス皇帝さえ遭遇しなければ、という話だが。

しかし場所は皇城だった。

皇帝と遭遇する可能性が非常に高く危険だった。

さらに皇子の婚約者なら、かなり高い身分のはず。

ペルセウス皇帝が別途調べようものなら、すぐに大騒ぎになるだろう。

『皇帝に会うのが怖くて、こっそり入って出ようとしたんだけど……』

どうせ物を盗むわけでもなく、行き止まりに入って材料探索ボタンを押して待てば済むことだった。

レリアは慎重に尋ねた。

「でも皇帝も宴会に出席するんじゃないですか?私の顔を覚えていて、怪しまれるかもしれません。」

「そうか?私が聞いたところによると、最後の宴会には出席しないらしいけど。」

「それに、皇太子の婚約者という身分はあまりにも危険です。上位貴族だと思われるでしょうし、本国に情報が伝わる可能性もありますし……。」

レリアがためらいがちに言うと、ロミオは少し考え込んでから言った。

「じゃあ、親戚ってことにすればいいだろ。」

レリアは一旦、ため息をついた。

万が一の事態に備えるなら、そうするほうが騙しやすいだろうと。

「……そうなると、機会は明日、一日だけですね。」

「まあ……俺が望めば皇城にもう少し滞在することもできる。実際、今回もっと滞在していくお客も多いそうだ。」

ロミオの返事に、レリアは沈黙して考え込んだ。

『大丈夫かな。』

どう考えてもこの方法はあまりに危険だった。

一日で終わることなのに、皇城に長く滞在してぐずぐずすれば危険が増すだけだ。

そんなに長く引き延ばしている余裕はなかった。

どうもそう思えた。

レリアはしばらく考え込んでから、良い考えが浮かんだように口を開いた。

「実は、もともとは私一人でこっそり皇城に潜入しようとしていたんです。」

「…剣術や武術を習ったのか?」

カーリクスが疑うように尋ねた。

レリアは咳払いをした。

「いえ、皇城の警備を眠らせる薬を持っているんです。」

「睡眠薬?」

ロミオの眉間がひそめられた。

レリアは、もしかして自分が疑われるかもしれないと心配になり、急いで付け加えた。

「はい。幼い頃、皇城から逃げ出した後で私を助けてくれた人からもらったものなんです。」

レリアの言葉にロミオは「ああ」と言いながら顎をかいた。

『錬金術師のものだと疑われさえしなければいいんだ。』

錬金術師のものだと疑われると、「レオ」を殺した殺人犯だとして再び剣を向けられるかもしれない。

誰かが手に入れてくれた薬だと言う方がよかった。

「じゃあ、こうしよう。」

カーリクスが大きな手を振り回しながら周囲に集中させた。

レリアはカーリクスがまたそうするので、なぜか不安になって彼を見つめた。

「最後の宴の日、明日、ロミオお前は宴会に出席して。それから、私はレリアが皇城にこっそり潜入するのを手伝う。」

「…おい、それ本気か?」

ロミオが呆れたように尋ねた。

「うん。完璧な計画だろ?」

「何が完璧だよ?お前、俺に一人で宴会に行けって言うのか?この野郎…自分が行きたくないから俺だけ送ろうとしてるんだろ!」

「じゃあどうするんだ?誰か一人は必ず出席しなきゃ、疑われるだろ?俺一人で宴会に出席しろって?それは無理だ。宴会場の照明を見ると目がくらむんだよ。」

「……」

ロミオが眉間にシワを寄せると、口がきゅっと引き締まった。

カーリクスは笑いをこらえて肩をすくめた。

レリアはそっとカーリクスの目を見つめた。

黒い布で目を覆っていない彼の瞳は、かすかに曇った色をしていた。

カーリクスはついにはほとんど視力を失い、最終的には黒いぼやけたシルエットだけで人を識別できるようになるだろう。

そう遠くない未来に起こることだった。

「……わかった。」

ロミオは仕方ないというように答えた。

カーリクスがレリアに向かって「お前は?」と尋ねた。

レリアもまた、そっと顎をかいた。

ロミオの婚約者となって皇城に入るよりは、そちらの方がまだマシだった。

 




 

翌日、夜が更けた頃。

前日の計画通り、レリアはカーリクスとともに人の少ない東北側の門に向かった。

この門はとても小さい出入り口で、見張りの兵士も少なかった。

もともとレリアは、兵士たちにこっそり薬を飲ませて無力化し、安全に門を通過するつもりだった。

その薬は、一時的に意識を鈍らせるだけで、大きな副作用もないものだった。

しかし、城門を通過した途端に問題が起きた。

立ったまま意識を失った兵士が一人、ぐらつき始め、それに驚いたカーリクスが兵士の後頭部を叩き落としてしまった。

「……」

そのため今、その兵士は横に倒れて気絶している状態だった。

「…目立つ行動は人目を引きますよ……(こんなことをしたら人目を引くじゃないですか……)」

レリアは怒りを込めて奥歯をぎゅっと噛みしめながら言った。

カーリクスは肩をすくめた。

『…一人で来ればよかった。』

カーリクスが危険だと言ってついてこようとするのが問題だった。

そもそもカーリクスは背が高く、肩幅も広すぎて、一緒に歩くだけで目立つので不安だった。

シルエットだけでも十分に大きすぎた。

「…カーリクス…お兄さんはここにいてくれた方がいいと思います。誰か来ないか見張っててください。」

「お前、一人で行くのか?危ないだろ。」

一緒に行く方がもっと危ない。

レリアは心の中でそう思い、皮肉っぽく微笑んだ。

「私一人で静かに行く方が目立たないと思います。たとえ見つかったとしても、一時的に意識を失わせる睡眠薬もありますし。」

「…じゃあ、この兵士の鎧を脱がせて私が着てみようか?」

レリアはぐったりした兵士をじっと見下ろした。

『合わない気がするけど…。』

レリアは仕方ないといった様子で顎をかいた。

「じゃあ、行ってきますね。聞き耳を立てちゃダメですよ。」

「俺だけを信じろ、妹。」

「……」

こいつの“妹”発言。

レリアは唇をきゅっと噛みしめ、城の内側へと向かった。

今ごろロミオは一人で宴に参加しているはず。

そのことを考えていると、自然と笑みがこぼれた。

 




 

暗闇の中、レリアは幼い頃の記憶を思い出した。

『皇城の南西側には新しい建物がたくさん建てられたって言ってたけど。』

ここは以前とほとんど変わっていなかった。

レリアは万が一の危険に備え、持っていた魔法薬をいくつかしっかりと抱えたまま、暗い道を進んでいった。

小さな森を通り抜けるとき、警備をしている兵士が数人見えたので、レリアは静かに身をかがめてやり過ごした。

彼らが通り過ぎてしばらくして、レリアは再び歩き始めた。

どうせ本城で最後の宴が開かれているから、この場所は静かだった。

『以前も宴が開かれていた日に、奥まった場所に行ったっけ……。』

奥まったところでは何も見つけられず、彼女は塔へ戻った。

そして中に入るとすぐ、セドリック、デミアン、ユリアナに出くわした。

『ユリアナを傷つけて謝ったんだったな。』

あの日のことを思い出すと気分が沈んだ。

そのときレリアは塔で縮こまって、再び奥まった場所に行ってじっと悲しみをこらえた。

大丈夫。

大丈夫、私には友達がいるから…そう自分を慰めながら。

どうにか(助けには全然なっていない気がするけど)今の彼女は本当にロミオとカーリクスの助けを受けて、またここに戻ってきていた。

その事実だけでも大きな慰めとなり、勇気が湧いた。

レリアはひたむきに暗がりのある方向へと歩を進めた。

その時だった。

『あれ、何だろう?』

暗がりに続く路地。

レリアは幼い頃によく通った塔のある場所の近くで立ち止まった。

『ロミオが言ってたから新しい建物ができたと思ってたけど…。』

こんなに大きくて華やかな建物が建てられているとは思わなかった。

『…壮大だね。』

レリアは冷めた表情で未練なく振り返った。

明らかに皇帝か双子の兄弟がユリアナのために作り上げた成果物だろう。

やがて奥まった場所の近くにたどり着いた。

奥まった場所は依然としてそのままだった。

レリアはまるで昔に戻ったような気分だった。

『感傷に浸っている場合じゃない。』

レリアは周囲を確認し、灯りの消えた奥まった場所の扉をそっと押した。

そして内側へと一歩踏み入れた瞬間、なぜか刺すような空気に息が止まった。

「……!」

ろうそく一本すら灯っていない暗がりの中、窓から差し込む月明かりが部屋を照らしていた。

レリアは椅子に座っている誰かと目が合った。

それはペルセウス皇帝だった。

一瞬、時が止まったかのようだった。

「…エ、エリザベス…?」

ペルセウス皇帝は眉間にしわを寄せ、低く呟いた。

少し酒が入っているのか、かすれた声だった。

テーブルの上に置かれた酒瓶が目に入った。

「…エリザベス、まさか…あなたが…。」

「………」

レリアは無感覚な顔でペルセウス皇帝を見つめた。

無表情なレリアとは違い、彼の目元には涙が流れていた。

酒に酔ってレリアをエリザベスと錯覚しているようだ。

シュペリオン公爵と公爵夫人ですら間違えるほど母親に似た外見だから、ペルセウス皇帝がこんなふうになるのも無理はなかった。

彼はゆっくりと体を起こした。

酒をかなり飲んだのか、ふらつく様子だった。

一瞬瞳が揺れたレリアは、すぐに目の光を引き締めた。

茫然としたのは一瞬だった。

カシャン!

レリアは右手に持っていた薬瓶の蓋を開けた。

レリアは瓶の蓋を開け、そのままペルセウス皇帝に向けて薬を吹きかけた。

「なぜ……。」

皇帝は弱々しくつぶやき、悲しそうな目でレリアを見つめた。

スーッ…。

「………。」

レリアに近づこうとしたペルセウス皇帝は、そのまま床に崩れ落ちた。

それは相手を気絶させる麻酔薬だった。

『なぜ、皇族は今日、ためらうこともなく一人で来たのだろう…。』

レリアは眉間にシワを寄せた。

しかし、かつてのペルセウス皇帝もまた、何の躊躇もなくこの場所にやってきていた。

『この塔に潜り込んだのは一度や二度じゃない。』

レリアはぐったりと眠るペルセウス皇帝を見下ろした。

9年の時が流れたにもかかわらず、彼は相変わらず若くて立派な姿だった。

『…こんなときじゃない。』

レリアはついペルセウス皇帝に目を向けがちになるのをこらえ、顎をかいて首を回した。

宝石を手に取ると、錬金道具の姿が宙に現れた。

レリアは特殊材料ウィンドウを開き、探索ボタンを押した。

間もなくドラゴンが飛んでいくイラストが表示された。

[〜イエイ〜! (ง’̀-‘́)ง〜(ง’̀-‘́)ง 特殊素材を探索中です〜]

その表示が終わると、ゲージの数字が上がり始めた。

レリアが探していた素材は「記憶の結晶」という名前の素材だ。

祖母の病を治すための素材のひとつで、この素材はこれまでどこを探しても見つけられなかった。

だがレリアは、この場所でならその素材を見つけられると確信していた。

『お母さんとおばあちゃんの記憶が詰まった何かが、この場所にあるはずだ。早く終われ……。』

レリアは切実な思いで数字だけを見つめていた。

やがてゲージが79%に達したとき。

「……!!!」

足首をぎゅっと掴む強い手の感触がした。

レリアは思わず小さく悲鳴を上げた。

顎を引いて見下ろすと、苦しげに息を荒げているペルセウス皇帝が見えた。

「エ…エリザベス…。」

その時だった。

コンコン。

「陛下、いかがなさいましたか?」

扉をノックする音と共に、誰かの声が聞こえた。

レリアは口をぎゅっと結んだ。

ペルセウス皇帝はうわ言を呟きながら再び眠りについた。

「陛下、入ってもよろしいですか?」

再び外から声が聞こえた。

80%

『時間がない。』

レリアは薬瓶を手に握りしめた。

「入ります、陛下。」

キーッ。

そして扉が開いた瞬間。

カシャッ!

扉を開けて入ってきた騎士の顔に、もう一度魔法薬を吹きかけた。

騎士はレリアを見つけることもできず、そのままぐらりと眠りに落ちた。

『…どうしよう?』

兵士は門の前で座り込み、門を閉めるためにはその大きな体を動かして門を再び閉じなければならなかった。

[87%]

「早く…早く!」

レリアナは小さく足踏みしながら、ゲージが上がるのを待った。

視線は開かれた門の外に向けられていた。

『何の音だ?』

その時、遠くからざわめく声が聞こえてきた。

『誰かほかに来るのか!』

玄関の外に顎を突き出してみると、遠くに灯りが見えた。

皇帝の侍従や騎士たち数名がランタンを持ってこちらに向かってきていた。

[95%]

レリアはどうしようもなく、急いで奥まった場所から離れた。

『ペルセウス皇帝は一体なぜこんなときに来るの……』

胸の中に言葉にならない恨みがこみ上げてきた。

レリアは、カーリクスが待っている東北の城門へと急いだ。

押し寄せる不安を必死に振り払いつつ、全力で走ったせいで肺が締め付けられるように痛んだ。

「お?もう来たの?成功した?」

遠くからレリアを見つけたカーリクスが大きく手を振った。

レリアは不安な様子で後ろを振り返りながら、カーリクスのもとへ走り寄った。

カーリクスは、さっき自分が打ち倒した騎士の兜を足で軽く蹴っていた。

どうやら処理がうまくいかなかったようだった。

レリアはそんな彼の腕を掴み、荒い息をつきながら必死に呼吸を整えた。

「いや、早く…逃げ…はあ…。」

「なんだ?バレたのか?」

「はい、すぐ追ってくるはずです。早く、早く逃げないと!早く!」

皇帝と騎士が倒れているのを見つけたら、騒ぎになるだろう。

レリアの言葉通り、遠くから大きな声が聞こえてくるようだった。

カーリクスは立ち止まって、気が抜けたようなレリアをじっと見つめた。

「ちょっと。」

「はい?」

「早く行かないとだろ。」

続くカーリクスの行動に、レリアは思わず声をあげた。

カーリクスはレリアの腰をつかむと、そのまま抱き上げた。

まるで小さな子供を抱きかかえるように、片腕でレリアをしっかりと固定した。

「しっかりつかまれ。」

その言葉に、レリアも無意識のうちにカーリクスの頑丈な首筋にしがみついた。

同時に彼は風のように走り出した。

 



 

あと一歩のところで間に合いませんでした・・・。

なぜペルセウス皇帝は塔にいたのでしょうか?今もエリザベスを恋しく思っている?

レリアのことはどう考えているのか気になりますね。

残り5%ですが、レリアは再び城に潜入するつもりでしょうか?

 

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