こんにちは、ピッコです。
「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

66話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 見返り②
夕食後。
レリアはロミオの提案で二人とお茶をしながらもう少し時間を過ごした。
するとレリアはルートの頼みについて少し打ち明けた。
仕方なくルートとユリアナ皇女がうまくいくように後押しした、ということ。
そしてそのために自分が浮気者のように振る舞わなければならないということまで。
「浮気者?浮気者だって?」
二人はその単語が面白かったのか、顔を見合わせてお腹を抱えて笑った。
「ほんとに笑えるね!」
カーリクスはソファに倒れ込んで足をバタつかせながらまでクスクス笑った。
「まあ、君たちがそれでいいなら、それでいいさ……。」
レリアはそうつぶやき、呆れたように二人を見つめた。
その時、カーリクスの頭上に浮かんでいたクエストマークがぴかっと光った。
そして同時に「ピロン!」という音と共に四角いウィンドウが現れた。
【クエスト完了! ✧。٩(ˊᗜˋ)و✧*。 報酬を受け取ります!】
<報酬アイテム>
- 好感度確認チケット 5枚
- 特別レシピパズルピース 2個
- 錬金福券 2枚
- Lv.? ランダムプレゼントボックス1個
『…いや、今笑ったから好感度が上がったの?』
レリアは呆然としてカーリクスを見つめた。
ほんとにそれだけ単純なの、あなた?
あきれて心の中で問いかけたが、カーリクスはその言葉に答えるかのように笑いながら提案した。
「この子、ほんと面白いやつだね。いいね、気に入った。次にまたティーパーティがあったら一緒に行こうよ!」
カーリクスが愉快に言った。
「じゃあ、私もついて行こう。」
ロミオもまた笑いながらレリアを見つめた。
『この子たち…ついてきてまでからかおうっていうのか!』
先輩ぶるなんて!
握りしめた拳がぶるぶる震えた。
後でレオが真実を明らかにできたら、必ず大将の威厳を取り戻してみせるんだ。
けれど、前回のクエストでは報酬がないと思っていたのに、実はあったのか。
そう思っていた時、続けて新しいクエストウィンドウも現れた。
【特別好感度対象<カーリクス>様の好感度を70以上にしてみてください!!(ง •̀_•́)ง】
※ クエストストーリー進行度:25%
[受け取る][拒否する]
レリアはその下の報酬リストも確認した。
〈報酬アイテム〉
・好感度確認チケット 10枚
・特別レシピパズルのかけら 5個
・Lv.3 ランダムプレゼントボックス\[?] 2個
・クエストジャンピングコイン
『クエストジャンピングコインって何?』
心の中で、文字アイテムについての説明が表示された。
【クエストストーリー進行度を最大10~50%ジャンプできる魔法のコイン(~´▽`)~🎶°•¨•.¸¸♪】
※注意事項:数値はランダムで適用されます。
『好感度を70まで上げろだなんて…』
突然難易度がぐっと上がった気がした。
以前のクエスト報酬で好感度確認チケットを五枚もくれた理由があったのだ。
『好感度を確認しながら70まで上げろってことか。』
それならチケットを節約して使わなければならなかった。
チケットがなければなんと1,000クリスタルを使わなければならないのだから。
それでも少しずつ報酬が良くなっているのは感じた。
レリアは「受け取る」ボタンを押し、カーリクスと会話中のロミオをちらりと見つめた。
『ロミオのクエストも完了しないといけないのに……。』
しかしそれよりもルートの件がもっと急務だった。
ルートを思い出すと、心の中が何か欠けたように息苦しくなった。
「数週間以内にグリフィスとオスカーが到着するはずだ。それまでに必ず終わらせないと。」
「レオ」の墓地で全員が最後の別れを告げた後、カーリクスは元のようにアウラリアを離れることになるだろう。
そしてまた傭兵として生きていくはずだ。
カーリクスが出発する前に、必ず聖物を手に入れなければならない。
本来の予定では金器を解き、友人たちに真実を告白することはできないだろうが、それでもかまわない。
カーリクスの目を癒すことの方がもっと価値があるからだ。
「代わりに、賢者の石を早く手に入れて、友達を一人ずつ探し出していくんだ。」
そんなふうに考えを整理しているとき、何かの話をしているのか、二人はまたクスクス笑っていた。
詳しく聞いてみると、会話のテーマは「レリアがどうやって社交界のプレイボーイになるか」という話題だった。
自分なりに悩んでいたのに……二人はただ面白がっているだけのようだった。
『言わなきゃよかった。』
カーリクスが「彼がプレイボーイだなんて、それは無理だ。」ときっぱり言い、ロミオも同意した。
そして会話は以前画廊で見た絵の話に移った。
あの絵の影響で、レリアのような中性的な顔立ちの男性が人気だということも。
カーリクスはその話を聞いて腹を抱えて笑い、ロミオも同じように笑った。
『こいつら本当に……。』
レリアは二つの気持ちの間を行ったり来たりしていた。
「友達が笑っていると嬉しいな。」という気持ち。
そして「自分が隊長だったのに、私を笑うなんて…。」という複雑な気持ちだった。
翌日、昼食を終えて一時間ほど経った頃だった。
ユリアナの侍女の中でセシリアという名前の少女がレリアを訪ねてきた。
彼女はレリアと目を合わせることもできず、恥ずかしそうに視線を落としながら言った。
「ユリアナ皇女様が、レイモンド卿をティーパーティーに招きたいとおっしゃっています。1時間後に皇女様の宮殿にお越しいただけますでしょうか。」
「…ああ…ティーパーティー….」
レリアが言葉を詰まらせると、その令嬢はもしかして断られるのではと気が気でなく急いで言った。
「わかりました。あ、もしかしてルート卿も一緒に行っていいですか?」
レリアがそう尋ねると、令嬢はためらわず急いで首を振った。
「いえ、今日はとてもプライベートな小規模パーティーです。レイモンド卿お一人でいらしてください。」
「…わかりました。」
レリアが仕方なく頷くと、令嬢は小さく微笑みを浮かべた。
『私的な少人数のティーパーティーだなんて。』
聞いただけで負担が大きそうだ。
でもチャンスだった。
実は少し前から、朝からルートにせっつかれて困っていたのだ。
彼は朝一で訪ねてきて、レリアにいくつかの本を手渡した。
タイトルを見てみると『女性の心をつかむ方法』、『女性の心をつかむための必勝法』、『女性が嫌う男性の特徴』など、どれも似たような本ばかりだった。
ルートはこれらの本を手渡しながらこう言った。
「レイモンド卿、必ずユリアナ皇女の侍女たちの心をつかまなければなりません。まるで軽薄なプレイボーイのように、ね。」
「…わかりました。」
「あっ!でも、だからといって線を越えてはいけませんよ。もしレディを侮辱したり、心に深い傷を負わせるようなことをしたら、私が黙っていないですから!」
ルートは突然、レリアがまるで不憫な者であるかのように、正義感に満ちた目で見つめてきた。
な、なに…?
レリアはあまりのことに言葉を失った。
「………」
「もちろんレイモンド卿、あなたはそんな人ではないでしょうが。」レイモンド卿、ユリアナ皇女の侍女たちの心を必ず掴まなければなりません。まるで軽薄なプレイボーイのように、ふらふらした態度で。」
レリアは心の中で悪態をつきたい気持ちを必死に抑えた。
『錬金復権』アイテムのレシピ中、馬鹿になる薬を作って食べさせたい。
馬鹿になったルートがユリアナ皇女や皇女の侍女たちに軽蔑される姿を想像すると、少し胸がすっとした。
だが、レリアには本当に彼女たちを誘惑する気はなかった。
「ただ、プレイボーイのフリはできる。」――以前に出会った女性が多いという体で。
言い逃れすればそれで終わりだった。
『聞こえないふりをすればいい。』
これはチャンスだった。
小規模のティーパーティーならユリアナ皇女と話す時間も十分あるだろう。
ルートを褒め称えてやればユリアナ皇女もルートをもっと好きになるはず。
ティーパーティーから帰ってきた後はルートに付きまとえばいい。
『今日、私が皇女にあなたのことを褒め称えておいたから、すぐ行って告白しなさいって。今がチャンスだって言わなきゃ。』
レリアは思い切ってクローゼットに向かおうとした。
だがそのとき、ちょうど誰かがまたドアをノックした。
出てみると、ロミオとカーリクスだった。
服装から察するに、二人はどこかに出かけようとしていたようだ。
「どこに行かれるんですか?」
「用事があって。もしかしたら私たちを探しに来るかもしれないから。」
ロミオの言葉に、レリアは肩をすくめて「そうね!」と言った。
「もし少しだけ手を貸していただけますか?ユリアナ皇女が小規模なティーパーティーに招待してくださったんですけど……服を選んでください。」
「どんな服?浮気男みたいな服?」
カーリクスがくすくす笑いながら尋ね、レリアは彼を睨みつけた。
「まあいいよ、私が選んであげる。」
ロミオが自信満々にクローゼットの方へ歩き、服を選んでくれた。その選んでくれた服は整いながら優雅な感じがした。
レリアが服を着替えて出てくると、ロミオは自らクラバット(ネクタイのようなもの)まで結んでくれた。
カーリクスはドアにもたれかかってその様子を見守っていた。
そんな中、彼は目を細めた。
どう見てもレリアは幼い頃のレオの姿と重なって見えるほど似ている部分が多い。
あのように唇を一文字に引き結んだ表情とか、緊張したような目つきとか。
『兄妹ってそもそもあんなに似るものなのか?』
カーリクスは記憶の中に残っている叔父の子どもたちを思い浮かべたが、すぐにその考えを打ち消した。
人それぞれ違うだろうが、少なくとも自分は従兄弟たちとまったく似ていないのだから。
外見も性格も。
初めはレオとレリアのように仲が良くはなかった。
カーリクスは従兄弟たちとあまり親しくなかった。
「今頃、私が呆然としているって思ったら、すごく喜ぶんだろうな。」
彼は心の中でくすりと笑った。
「どうですか?」
その時、レリアが服を着替え終えた緊張した表情で尋ねた。
「貴婦人たちを誘惑する浮気者みたいだな。」
カーリクスがそう言うと、レリアは目を見開いて怒りを露わにした。
まるで怒った猫のように見えた。
カーリクスはくすくす笑いをこらえた。
レリアはしばし怒りをこらえるようなそぶりを見せると、ロミオに「ありがとう」と言った。
そして部屋を出ようとした二人に最後に尋ねた。
「お二人は女性に人気がありますよね?どうすれば恋愛をたくさんしてきた人のように見えますか?」
まさにティーパーティーに行ってそういう演技をしなければならないので聞いた質問だった。
どうせ二人は実際にゴシップ誌に載るほど女性たちに人気があるのだから。
「人気はあるけど……」
ロミオは言葉を濁した。カーリクスは冷ややかな表情だった。
「案外恋愛をしたことはないかもね。それにあの野郎は、実は女性がちょっと怖い……。」
「わあ!」
カーリクスが大声で叫んだ。
彼の頬が赤くなり始めた。
ロミオが意地悪そうに笑うと、カーリクスは不満を漏らしながらロミオの後ろ襟をつかんで引っ張った。
レリアは少し離れたところで二人のやり取りを見て、心の中で笑いをこらえた。
広龍との戦争で苦労を共にしながら、自然と親しくなった人々が多い中で、彼らは少し特別な存在のようだった。
『カーリクスは相変わらず女性を怖がっているな。』
どうやら、カーリクスは自分が一度男性に変わって以来、少しだけ以前より女性に対して気楽に接することができるようになったようだった。
出発前、レリアは念のため「錬金復権」レシピの中から声のトーンを変える薬を作って服用した。
普段より少し低い声に変わると、心が落ち着いてきた。
昨日はパーティーの規模が大きかったので、あまり多く話す必要はなかった。
ただ簡単に受け答えする程度。
『でも小規模パーティーなら、もっと会話をしなきゃだろう、きっと。』
レリアは低くなった声を何度か確認した後、使用人に頼んでおいた花束を手に取りユリアナ皇后の宮殿を訪れる。
『まあまあまあ。』
ユリアナ皇后が過ごす居所は西宮の新築の建物で、無駄に豪華だった。
外観を見ただけでも息を呑むほどだったが、内部の装飾はさらに華やかだった。
『本宮よりも豪華かもしれないな。』
レリアはなんだか気が引ける気分だった。
特にホールの入り口にある大きなクリスタルの石像を見たときは、背筋がゾクッとした。
剣を持った騎士の石像で、ユリアナ皇后の宮殿を守る守護像のようだった。
レリアはなぜか、その騎士の石像の目が自分をじっと見下ろしているようで怖かった。
…たぶんそういう意図でこんなふうに作ったのだろう。
「こちらへどうぞ。」
使用人がレリアを案内したのは庭園のガーデンルームだった。
前回ティーパーティーをしたクリスタルハウスよりは小さいが、よりこぢんまりとした感じがした。
「まあ、いらしたのね。」
扉を開けて中に入ると、ユリアナ皇女と侍女たちがレリアを迎えた。
きれいなティーテーブルを囲んで座っていた彼女たちを見た途端、緊張が押し寄せた。
『とても私的な小規模ティーパーティーだなんて…。』
ユリアナ皇女を除いて、侍女は三人いた。
後ろを振り返ったが、やはり他に招待された人はいないようだ。
このティーパーティーに招待された男性は、「レイモンド」の仮面をつけた自分一人だけだと気づくと、口の中が乾いてきた。










