【完結】幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【55話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【完結】【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

55話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 9年越しの再会

遅い朝。

レリアはベッドの上でぐずぐずしてから、ようやく起き上がった。

まるで怠け者のように、のろのろと顔を洗いに向かった。

最初にしたことは、「年金復元」画面を開くことだった。

「うん…たくさん集まったな。」

レリアは一晩中ドラゴンたちが集めた材料を確認した。

そして急いで製作画面に入り、集めた材料で製作ボタンを押した。

「ついに終わった!住民たちの好感度も!」

現在、ウサギ住民の好感度は99.999%。

このアイテムさえ渡せば、今日で好感度作業も完了するのだ。

レリアは軽い気持ちで完了ボタンを押した。

【ご主人様!おめでとうございます!住民たちの好感度がすべて最高値に達しました!٩(๑❛ᴗ❛๑)۶✧ご褒美として10万クリスタルを20%割引価格でご提供します!(•̀ᴗ•́)و 】

『なんで今さら出てくるのよ。このいかがわしいシステムめ……』

購入の制限時間は2時間だった。

レリアはため息をつきながらも、さっさと購入することに。

どうせクリスタルは多いほうがいいから。

クリスタルをチャージすると、また別のポップアップが現れた。

【おめでとうございます、ご主人様!これで特別な好感度と緊急クエスト、特別レシピが解放されました!٩(ˊᗜˋ*)و 記念に5万クリスタルを20%割引価格で提供します!】

「……やれやれ。」

レリアはしばらく首の後ろを掻いた。

だがすぐに気持ちを落ち着かせ、再びクリスタルを購入した。

メイン画面に戻ると、「特別好感度」「特別レシピ」ボタンが新たに表示されているのが見えた。

どんなものか気になって押してみたが、灰色の画面に大きく『?』とだけ表示されていた。

「まあいいや、とりあえずお腹すいたしご飯にしよう。」

レリアはローブを羽織り、お金を握りしめて客間を後にした。

そして、昨日目をつけていた近くのブランチのお店に向かった。

細い路地をしばらく進んだ先にひっそりと現れる店だったが、味は抜群だった。

レリアは鼻歌まじりに散歩するような足取りで、その店へ向かって歩き出した。

だが、路地を2、3回曲がったところで、ふと立ち止まった。

ピロン、ピロン。

突然、アラート音が鳴り響いた。

レリアは一瞬あたりを見回し、胸元のペンダントについている宝石をタップして、画面を表示させた。

そこには明るいデザインの通知アイコンが浮かび、すぐにメッセージが現れた。

【ご主人様!特別好感度対象者<4>名が周辺2m以内に接近中です!緊急クエストを完了して好感度を上げ、特別レシピを開放してください!(。•̀‿-)✧】

「ちょっと、何て?」

レリアは慌てて目をぱちくりさせながら、再び通知を見た。

特別好感度対象者?4人?

『それに2m以内って何?一体どういうことなの……?』

その時だった。

ふと頭上から不穏な気配を感じた。

全身に冷や汗がにじんだ。

「……!」

背後から感じる鋭い殺気に、レリアの体がビクンと震えた。

同時に、耳元で低くささやく声が聞こえてきた。

「レリア・アウラリア。」

『誰?どうして私の名前を……?』

レリアはおそるおそる振り向いた。

殺気を放つ者たちを目にした瞬間、レリアの脚から力が抜け、その場にへたり込みそうになった。

「その名前に反応するってことは、やっぱりお前で間違いないな。」

黒い布で目を隠していた男が、にやりと笑いながら言った。

な、なんだよ……。

レリアは緊張したまま彼らを見つめた。

目の前には大きな獣たちが彼女を見下ろしていた。

今にも噛みつきそうな鋭い視線で。

そしてその瞬間、黒い布で目を覆っていた男が布を引き下ろして尋ねた。

「お前か?俺の友達を殺したのは?」

声だけで人を殺せそうなほど冷たい声音だった。

「………」

今、何て言ったの?

「前の皇太子を殺しておきながら、その殺人者は皇女としてのうのうと生き延びたんだってな?」

続いて、金髪の美しい男が、甘ったるい笑みを浮かべながら尋ねた。

だが、その目は、笑いながらも人を殺しかねない冷たさを湛えていた。

「……」

レリアは言葉を失った。

一瞬、全身の血の気が引くような衝撃が脳裏を駆け抜けた。

『まさか、そんな……。』

――その時だった。

「答えろ。あいつをなぜ殺した?」

刈り上げ頭の男が低く問いただした。

その目には、怒り、恨み、そして証拠を求める焦燥が、剥き出しのまま滲んでいた。

そしてその後ろから――

「最大限苦しめてから殺してやる。」

獣のような赤い瞳が鋭く光った。

銀髪の男はその言葉を終えるや否や、腰に差していた剣を抜いた。

「う、うわあっ!」

レリアはあまりの驚きに無意識に悲鳴を上げながら後ずさった。

赤い瞳の男に続き、他の男たちも次々に剣を抜き始めた。

ちょっと、本当に私を殺す気!?待って…!

レリアは慌てて後ずさりながら、そのまま尻もちをついてしまった。

『ま、まさか……』

まさか人を捕らえるなんて。

レリアは全身に緊張が走るのを感じた。

黒髪に険しい表情を浮かべている男――それは間違いなく、

『カーリクス。』

そして、微笑みながらも、今にも人の喉を食いちぎりそうな目をしている、金髪碧眼の男――それはロミオ。

さらに、どこか捨てられたような雰囲気を纏った、あの刈り上げ頭の男はグリフィス。

最後に、赤い瞳を持つ男――

『オスカー……?いや、オスカーではないか。』

レリアはぱちぱちと瞬きをしながら、彼らをじっと見上げた。

いや、残りの三人はともかく。

『オスカー…じゃないか?』

正直なところ、あの三人は幼い頃の面影がどこかに残っているように見えた。

しかしオスカーは――オスカーは……

記憶の中のオスカーの姿は、とても小さく、か弱く、いつも怯えていた子猫のようだった。

レリアが呆然と彼を見つめると、オスカーと思われる男が言った。

「いや、簡単に死なせるのはもったいない。静かな場所に連れて行って、爪をはぎ取って指を一本ずつ切り落としてやろう。」

ああ、違う。オスカーじゃない。オスカーは、あんな言葉を口にできる人じゃない。

レリアは「まさかそんなはずはない」と思いながら、この状況をどうやって切り抜けるべきか考えを巡らせた。

だがそのとき。

突然、頭上から何かが素早く迫ってきた。

レリアは思わずビクッと肩をすくめ、首筋のあたりを押さえて身をすくめた。

 




 

【ご主様!特別好感度専用UIに切り替わりました٩(◦`꒳´◦)۶】

UI設定は環境設定で変更できます!

system:特別好感度モード 起動完了

【報酬】

※注意事項期間内にクエストをクリアできなかった場合、ペナルティが与えられます。

【system:システムの一部が変形されます。】

 




 

レリアはゆっくりと目を開けた。

意識が戻った途端、激しい痛みが押し寄せた。

首筋が殴られたように痛んだ。

「う……」

「目が覚めたか。」

レリアは痛みに顔をしかめながら、周囲を見回した。

薄暗い部屋には、さっきまで対面していた4人の男たちがいた。

レリアは自分の体を見下ろした。

ガタガタ揺れる椅子に、手足がしっかりと縛られている。

(……誘拐されたってこと?)

だが、何かがおかしかった。

(……なんだろう?)

普段なら首飾りの宝石を触らないと見えないはずのものたちが、今は何もしなくてもはっきりと見えていた。

画面の右下には設定ボタン、制作、インベントリ、クエストなど、小さなアイコンがずらりと並んでいた。

ピロリン ピロリン。

そのときだった。

いつも錬金道具と共に現れる吹き出しが、ふわふわと空中に浮かび上がった。

【特別好感度専用UIモードに最適化されました、主人様!緊急クエストを進めて特別好感度を上げてみてください!٩(๑❛ᴗ❛๑)۶クエストを最終完了すると、特別なレシピを報酬として受け取れます!】

(……これ、なに?)

特別好感度専用UIモード?いや、それより頭が痛い……。

レリアは軽く首を振ってから、自分を見下ろしている男たちを見上げた。

すると先ほどは見えなかったものが目に入った。

彼らの頭上にふわふわ浮かんでいる絵文字。

【!】

男たちの頭上には、黄金色に輝く「感嘆マーク」が表示されていた。

ゲームの中でクエストが始まるときに出てくる、あのアイコンだった。

クエストが開放されたときに現れたイラストだった。

そしてその下には小さな文字が書かれていて……よく見るとすべて「[-999]」と書かれていた。

ガタッ。

そのとき、一人の男が椅子を引きずりながらレリアの前にどさっと座った。

ロミオだった。

「君の名前は合ってる?レリア・アウラリア。」

「……」

レリアはゆっくりとうなずいた。

心臓が激しく脈打った。

少し前まで信じられなかった現実が、肌で実感できるようになり始めた。

友達。

レリアを生かしてくれた存在たち。

人生の最終目標になってしまった、何よりも大切な存在。

その友達たちが、目の前にいた。

その事実を認識した瞬間、レリアの目に熱いものがこみ上げた。

こんな形で再会するとは、夢にも思わなかった。

禁呪を解いて探しに行こうとしていたのに。

こんなにも早く、また会えるなんて——。

「死にたくなくて泣いてるのか?」

向かいに座ったロミオが、からかうように言った。

幼いころと変わらない、鋭い物言いに、レリアは涙があふれそうになった。

いや……それよりも……。

『こいつらは一体なぜ私を……』

「君が通ってきた塔を見るに、かなり裕福そうだったよ。」

茶色の髪の男、グリフィスが言った。

どうやらこの子たちは自分の存在を知っていたようだ。

何が何だかわからず混乱した。

混乱した表情が伝わったのか、グリフィスは苦笑しながらさらに言葉を続けた。

「レオ皇太子が亡くなる前に、私たちに君の名前をメッセージで残した。」

「……」

「そして、レオは毒殺された。あの子はいつも私たちに言い訳していた。自分を殺そうとする存在がいる、王位が脅かされているのだと。」

いや、ちょっと待って。

「レオをなぜ殺した?」

「……」

レリアの表情が固まった。

さっきは聞き間違いかと思ったけど…。

『こいつら今……。』

私がレオを殺したと思ってる?

どうして?なんで?

「待つ必要なんてある?指一本切り落とせば、すぐ口を割るだろう。」

片隅に立っていたオスカーが冷たい声で言った。

グリフィスは声を落として言った。

レリアは悲しげに視線をそらした。

(オスカーじゃない……)

「レオを殺せと指示した者がいるのか?それとも単純に、君が皇帝になりたいという欲望だったのか?」

グリフィスが矢継ぎ早に質問を投げた。

レリアは震える声で初めて口を開いた。

「その……」

「……」

向かい側に座っているロミオ、隅で鋭い目を光らせているカーリクスとオスカー、そしてロミオの隣に立っていたグリフィスまで。

彼らの視線がレリアに向けられた。

「……何か、誤解があると思います。」

彼らの頭の上に浮かぶクエストマークと「[-999]」という文字が気になったが、まずは手足を縛っているこの縄を解くのが優先だ。

どうやら彼らは、自分がレオだという事実に気づいていないらしい。

レリアを、彼女の本当の正体そのものだと思い込んでいる。

『うかうかしてたら、指どころか首を飛ばされるかも。』

レリアは、彼らの忍耐力が尽きる前に再び口を開いた。

「私はレオ…レオお兄ちゃんを殺していません。」

(バカじゃないの?あのとき私はまだ十歳だった。十歳の子供がどうやって人を殺すの?)

「じゃあ、レオはなぜ死ぬ前に君の名前をメッセージで残したんだ?」

「それは……」

(きっと……もしかしたらって思ったから……)

勘の鋭いロミオやグリフィスは、自分の正体に気づいていないだろうと考えていた。

しかし、今のロミオとグリフィスの目を見れば、とんでもない思い違いだったと分かった。

(そう考えると、疑われるのも当然か……)

きっと、犯人の名前を残すためのメッセージだと受け取られたかもしれない。

あのときはあまりに必死で、そこまで考えが及ばなかった。

「嘘だ。お前は皇位を狙ってレオ皇太子を殺したんだろ。反乱が起こるとは計算できなかったみたいだけどな。だから逃げたんだ。」

「俺の友達だけが無惨に死んだってわけか……。」

グリフィスの言葉に、ロミオがぎこちなく同調した。

向かいにいる二人は、レリアが犯人だと信じて疑わない様子だった。

確かに、彼らの目にはレリアが非常に怪しく映っていた。

あの日、最初に推理して犯人を追跡し始めたその日から、彼らはレリアを犯人だと心に決めていた。

数年にわたり固まった偏見は、そう簡単に消えるものではない。

レリアは「この人たちなら、他のやつらより早く真実に気づいてくれる」と思っていたが、グリフィスとロミオがああ言ってきたため、言葉が詰まってしまった。

(どうしよう。正直に話すわけにもいかない……)

レリアは素早く頭を回転させた。

偏見に満ちたあの瞳を納得させるためには……

スッ。

そのときだった。

少し離れたところで様子を見ていたオスカーが、再び剣を抜いてゆっくりと近づいてきた。

レリアは本能的にその殺気を感じた。

止めることもできず、結局自分を殺そうとしているのだと悟った。

レリアは生き延びるため、必死に叫んだ。

「私は本当に殺していません!レオ皇太子を殺した犯人は、あのとき皇帝が直接処罰したんです!『ヘター伯爵』が犯人だったんです!」

「そんな言葉、どうして信じられる?」

「いや….」

オスカーの剣先がレリアの喉元に迫った。

剣からにじみ出る殺気に、魂が抜けるかと思った。

「……!」

そのとき、ひらめいたようにこの状況を打開する方法が思い浮かんだ。

剣先が喉に触れ、ひりつくような痛みが走る。

レリアはあわてて叫んだ。

「わ、私の誕生日はセレスの月の27日です!」

「……」

空気が凍りついた。

その言葉を聞いたグリフィスの表情にわずかな動揺が走った。

レリアが言った日付のちょうど前日、26日はグリフィスの誕生日だった。

そして27日は、レオが「とても大切な人」と話していた人物の誕生日であり、毎年みんなで一緒に集まってお祝いしていた日だった。

四人の頭の中に、かつての会話がふっと蘇った。

「ところで、誰の誕生日だよ?隠してる女友達か?」

「女友達だなんて違うよ!ただの、すごく大切な友達。」

「俺たちより……もっと?」

「そんなわけ……いや、うん。もしかしたら、そうかもな。幼い頃から知っていた仲だしな。でも、そんなに気にする必要はない。オスカー、お前にとっても大切な友人だから。」

レリアはすばやく彼らの表情を読み取った。

今にも首を切り落とされそうだった剣先が、すっと下ろされた。

銀髪の男は困惑した表情を浮かべていた。

どう説明すべきか迷う間もなく、レリアはすぐに言葉を続けた。

「レ……レオお兄さんの友達なんですよね?私はレオお兄さんととても親しかったんです。そ、それで皆さんのこともたくさん聞いていました!」

「……」

グリフィスが再び険しい目つきでレリアを睨みつけた。

絶対に信じられないという視線だった。

「じゃあ、万年筆は?どうしてお前が持ってるんだ?」

ロミオが尋ねた。

友達を目の前にして、また嘘をつかなければならないのが胸苦しかったが、今は仕方なかった。

『とにかく生きなきゃ。』

「レオ……お兄ちゃんが死ぬ前に私にくれたんです。う、うさぎの人形と一緒に!」

「………」

レリアの言葉に、グリフィス、ロミオ、銀髪の男の表情が曇った。

そのときだった。

構えの奥にいてよく見えなかったカーリクスが、重々しい足取りで歩いてきた。

彼は細めた目でレリアをじっと見つめた。

「……」

レリアも黙ったまま、彼の顔全体ではなく、カーリクスの目だけを真っ直ぐに見つめ返した。

『……結局こうなったんだな。』

原作では、カーリクスは光龍との戦闘で両目を失った。

今回も、同じ運命をたどったのだろう。

「カーリクス……」

レリアが胸の痛みとともに彼の名を小さく呟くと、その声に、周囲の男たちが驚きに満ちた表情を浮かべた。

「どうして私の名前を知ってるんだ?」

「……それは。」

レリアは泣き出しそうな声をこらえながら弁明した。

「レオ……お兄様が教えてくれたんです。みんなのことを。神殿から帰ってくるたびに、そのときの話をしてくれたんです。」

本当のレリアは誰にも事実を話せなかった。

けれど、誰かと会話するたびに、彼をつかまえてはいつもあの時代の話ばかりしていた。

まるで、その時代の思い出だけで生きている人のように。

レリアはそっと彼らの顔を見つめながら、名前を呼んだ。

「カーリクス、ロミオ、グリフィス、そして……」

「……」

「えっと……オスカー……さん、じゃないんですよね?」

レリアが慎重に尋ねた。

銀髪の男は無言で彼女を見つめたあと、バッと部屋を出て行ってしまった。

ガシャン!

重い扉が激しく閉まる音に、レリアは肩をすくめた。

そんなレリアを見て、グリフィスが苦笑しながらつぶやいた。

「名前なら、どこかで聞いたことがあるだろう。今では誰でも知っている名前だからな。」

「……でも、それより……レオがなんでわざわざお前の名前を手紙に書いたんだ?」

ロミオはまだ疑わしそうな目を向けていた。

レリアは必死に弁明した。

「……あの、私をよろしくって意味だったんじゃないでしょうか?」

本当は、グリフィスもロミオも信じてはいなかったけれど――レリアは続けて話した。

「レオ……お兄様は、神殿で過ごしていた頃も、いつも友達と一緒に私の誕生日を祝ってくれていたんです。それくらい私を大事にしてくれて……。」

レリアの言葉には十分な信ぴょう性があった。

ロミオとグリフィスの険しかった目つきも少し和らいだ。

毎年、その誕生日を一緒に祝っていたという事実は、五人の間で―ー友達だけが知っている話だった。

レオが教えてくれなければ、絶対に知りようがなかった。

レリアはぎこちなくカーリクスを見つめた。

『まだ完全に視力が失われたわけじゃなさそう。』

カーリクスは痛ましげに目を閉じ、そしてゆっくり開いた。

湧き上がる痛みに耐えるように、彼の表情は苦しげだった。

「お前の言葉、どうやって信じろって?だったら言ってみろ。あいつらがなぜ死んだのか。
誰が、なぜ、殺したのか。そいつは今どこにいるんだ?」

必死に痛みを押し隠しながら、カーリクスは壁に手をついて言った。

レリアはゆっくりと記憶を辿った。

できる限り、事実だけを話すために。

彼女は遅ればせながら、お兄様と叔父様から聞いた話を思い出して語り始めた。

「ヘザー伯爵は……ライディオス皇帝に恨みを持っていたんです。だからレオ皇太子を毒殺したし、ライディオス皇帝はその事実を知ってヘザー伯爵を残酷に処刑しました。その直後、反乱が起きたんです。」

「……哀れな奴だ。」

カーリクスは苦しげに顔を両手で覆った。

その様子を見たレリアは胸が締め付けられる思いだった。

「まだお前の言葉を信じられない。」

ロミオがまぶたを持ち上げながら言った。

レリアは再び頭を悩ませた。

何を言えば、彼らは自分を信じてくれるのだろうか――

「…レオ兄さんが、神殿で起こったことを全部教えてくれたんです。山で狼に襲われかけたことも、一緒に泳ぎを習ったことも、みんながレオ兄さんを“隊長”って呼んでいたことも。」

「………」

まだ疑いを強く抱いていた彼らの間にも、少しずつひびが入りはじめた。

外でじっと耳を澄ませていたオスカーも同様だった。

「…山での出来事を、君に話したって?」

カーリクスが尋ねた。

「…はい。狼を送り込んだのがアスカード帝国の皇帝だったことも、それを秘密にしていたことも。」

山で狼が現れ、命を落としかけた日のこと。

その日あった出来事は、五人だけが知る秘密だった。

「レオがどうして君にそんな話をしたんだ?」

「……私、レオお兄様ととても親しくて、お互いにとって大切な親族だったんです。」

もちろん嘘だ。

実際、レオはレリアを見るたびに、発音練習をすると言って追いかけ回していたくらいだった。

だがその嘘は効果を発揮した。

今や彼らも、レリアの言葉をある程度は信じたようだった。

「じゃあ、君の名前を書いて送ったのは、本当に君をよろしく頼むという意味だったのか?」

グリフィスはまだ疑いのまなざしを向けていた。

レリアは震える手で襟元をぎゅっと握った。

「たぶん……」

「…君が何か手段を使って、レオの秘密を探り出して、そのあと殺したんじゃないのか?」

「………」

「ヘター伯爵だと?俺たちがいくら調べてもその名前にたどり着けなかったのは、君が嘘をついているからじゃないのか?」

レリアは深く息を吐いた。

「ヘター伯爵については、一部の高位貴族しか知らないんです。ライディオスが皇帝だった時代、その頃に起きたすべての事件は、暗黙の箝口令が敷かれていて、誰も語ろうとしなかったんです。」

レリアの言葉は事実だった。

ウラリアに到着した後も、四人は当時の出来事を正確に把握できていなかった。

さらにフェルセウス皇帝は、当時、最後の情けもなくライディオス派の人間をすべて殺してしまった。

あの時の出来事を具体的に知っている者は、今ではほとんどいないと見てよかった。

「……じゃあ、フェルセウス皇帝がレオを殺した犯人の可能性は?」とグリフィスが尋ねた。

「……それは違うと思います。ヘター伯爵はフェルセウス皇帝側の人間ではありませんでした。ライディオス前皇帝への怨みが理由だったんです。」

レリアが話すことはすべて事実だった。

言えることはそれだけだった。

父の口から聞いた話だったからだ。

レリアの言葉に説得力があったのだろうか。

ぎゅっと結ばれていた手足を縛る縄が解かれた。

 




 

レリアはその後も数十件もの質問を受けた。

五人だけが共有していた秘密の話を次々と答えていくと、次第に彼らの表情から疑いの色が薄れていった。

だが、オスカーとグリフィスはまだレリアを完全には信用していない様子だった。

レリアは懐に持っていた万年筆を取り出して見せた。

「もし私がレオお兄様を殺したのだとしたら、こんなに大切にこれらを持っている必要があったでしょうか……?」

その言葉に、グリフィスは何も言えなかった。

レリアはさらに、宿舎へ戻ってウサギの人形と手紙も見せた。

友人たちとの思い出が詰まった品々は、誰が見ても丁寧に管理されており、どれほど大切にしていたかが一目でわかるほどだった。

彼らは、自分たちのものよりもずっと丁寧に管理された品々を見て、残っていた疑念を拭い去った。

ただし、依然としてオスカーの目つきだけは冷たい疑いが残っていた。

こうしてレリアは、宿を出てから五時間も経たないうちに、元々の予定通りブランチを食べることができた。

 

 



 

  • 絶体絶命の尋問と決死の弁明

    友人たちに拉致・拘束され、暗殺犯として命を狙われたレリアは、殺害の濡れ衣を晴らすために必死の交渉を行います。死を覚悟した極限状態の中、レリアは彼らとレオしか知り得ない「五人の秘密」を次々と明かし、少しずつ相手の疑念を解いていきます。

  • 「特別好感度モード」によるシステム介入

    殺気立つ友人たちを前に、レリアのシステムが「特別好感度モード」へ強制的に切り替わります。男たちの頭上に好感度を示す「クエストマーク」や数値が表示されるようになり、レリアはシステムからのクエストをこなしつつ、彼らの信頼を勝ち取るという非常に不安定な綱渡りを強いられます。

  • 九年越しの再会と依然残る遺恨

    レリアの機転により、ひとまず命拾いをして拘束を解かれたものの、彼女への疑念が完全に消えたわけではありません。かつての仲間たちは、レオを奪われた深い悲しみと怒りを抱えたままレリアを注視しており、レリアもまた、友人の変わり果てた姿に胸を痛めつつ、生き延びるための嘘と真実の狭間で戦い続けることになります。

 

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