幼い旦那様の黒幕妻です

幼い旦那様の黒幕妻です【50話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼い旦那様の黒幕妻です」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼い旦那様の黒幕妻です】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼い旦那様の黒幕妻です」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっ...

 




 

50話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 驚愕の忠誠心

キブリンの前世――つまり、転生前の私ですら知らなかった私の正体を、ロズはすぐに見抜いていた。しかも、その確信は揺るぎないものだった。

好意も隠そうとせず、私は自分が溺愛されていることをひしひしと感じていた。

まあ、それは今でも変わらないけれど。

ただ、ロズとは腹を割って話す機会もなく、お互いに相手を子ども扱いしているような、少し気まずい関係でもあった。

私はぴくりと身を震わせた。

「ロズ、私ね、今まであなたより公爵様の神聖力のほうが上だと思ってた。」

「死にたいのか?」

ロズはむっとしたように言った。

くすくす笑うキブリンにつられて私も笑いながら尋ねた。

「ねえロズ、公爵様をデルだと勘違いしていたとき、封印が解けたら連れて逃げようとしてたでしょ? もし相手が私だったとしても、同じことをしてくれたの?」

私の言葉に、ローズは眉をひそめた。

「公子様なら、じっとしているような人じゃないと思うけど。」

「もちろんです。」

キブリンも同意した。

ふふっ。

私はそのままローズをじっと見つめ続けた。

ローズは二度目に根負けした。

「なんでそんなに見つめるの? 言いたいことがあるなら、はっきり言えば?」

私は軽く肩をすくめた。

「ただ、公子様じゃなくて私がデルだったから、がっかりしたのかなって。」

私だったとしても、長い間待ち続けていた守るべき相手がこんな子だったら、少しは戸惑ったと思う。

ローズは思わず声を上げた。

「そんなわけないでしょ! 気づけなかった自分のほうが情けないくらいよ!」

ロズは表面上は平静を装っていたが、内心ではかなり落ち込んでいたようだ。

ロズは頭をがしがしとかきむしった。

「公爵家へ行くってことは、結婚するって意味だったなんて……。どうりで、ただの普通の人間みたいだったのに、あんなに気になって仕方なかったわけだ……。」

一人でぶつぶつ言っていたロズは、今度はキブリンに矛先を向けた。

「それからキブリン、お前! この裏切り者! 正体に気づいてたなら、すぐ俺にも教えろよ! そんな能力があるくせに!」

「チェ、チェリア様の前でデルを悪く言わないでください。それに、あのとき教えて差し上げたことは、むしろ感謝していただきたいくらいです。」

「うぐっ、それは……!」

そのとき、誰かが部屋の外から扉をノックした。

キブリンもロズも私を見たので、私は「どうぞ」と入室を許可した。

すると、赤茶色の瞳をした侍女が部屋へ入ってきた。

侍女は扉を開け、一礼した。

「公女様、お風呂のご用意が整いました。」

うーん、すぐに超昇月城へ戻れそうにもないし、行くしかないか。

私はコートだけ羽織った。

「二人とも、けんかしないで待っててね。」

私の言葉に、二人はそろって口をつぐんだ。

侍女はサブリナの服を抱えていた。

……あれ? サブリナは気に入らないんじゃないかな?

案の定だった。

侍女を追いかけてきたサブリナが、廊下で叫んだ。

「それ、私の服じゃない!」

「も、申し訳ございません。ただ、公女様に合うドレスがなく、侯爵様からこちらをお使いするよう命じられまして……」

侍女はおどおどしながら答え、肩を震えた。

(何なの? ちょっと怯えすぎじゃない?)

公爵家の侍女たちが、義父母に「お嬢様が何センチ背が伸びた」と嬉しそうに報告していた姿を思い出すと、不思議に思わずにはいられなかった。

サブリナはぎりっと歯を食いしばった。

「口答えする気? 主人が父だからといって、身の程を忘れたようね?」

侍女は頭を深く下げ、サブリナはその髪をつかもうとした。

私は口を開いた。

「やめて。」

サブリナが振り返った。

(いくら頑張って悪女らしく振る舞っても、聖女であるお姉さんに比べたら全然怖くないけど。)

「お客様の前でお見せするような姿ではないと思いますよ。少し品位を保たれたらいかがですか?」

サブリナの握りしめた拳が、小刻みに震えた。

……まさか、私の髪をつかもうとしているんじゃないよね?

私はサブリナより頭一つ以上小柄だから、本気になれば簡単に捕まえられてしまう。

私も思わず身構えた、その時だった。

遅れてイングラム侯爵がやって来た。

「し、失礼を……大変失礼をいたしました。」

だが、サブリナは怒りを隠そうともしなかった。

「でも、当然の反応ですよ。公女様だって、自分の服を他人が着ようとしていたら、私と同じ反応をしたでしょう?」

「私はそんな反応はしないし、令嬢の服を着るつもりもありません。安心してください。」

お風呂に入る気は、すっかり失せてしまった。

一晩くらい入らなくても死ぬわけじゃないし。

大したことではないという口調で返すと、サブリナの表情が歪んだ。

「公女様がお召しになっているドレスと比べたら、私のドレスなんてぼろ切れ同然だ、とでも言いたいんですか?」

「でも、公爵様も少し前までは、それよりひどい服を着ていらしたのでしょう? もうそんなに早く本性を現すなんて、気が早すぎるのではありませんか?」

(もう性格がねじ曲がってる……。)

言い返す気にもならず、私は淡々と答えた。

「お嬢様の人柄も、お嬢様が着ているドレスも、どちらもぼろ布のようですね。」

「な、何ですって?」

私はサブリナに向かって頭を差し出した。

「本性を現したと言うのなら、一言だけ言っておきます。今後二度と、公爵様に触れないでください。

これはお願いでも命令でもありません。ただの忠告です。

これ以上私の神経を逆なでして、お嬢様までぼろ布同然になってしまったら困りますから。」

サブリナの顔は青ざめたかと思えば、次の瞬間には真っ赤になった。

サブリナは私の横を通り過ぎながら、小さく悪態をついた。

「公女になる前だったら、こんなこと話題にもならなかったくせに……!」

……いや、全部聞こえてるからね?

このままだと姉より先に私がサブリナとけんかしそうだと思いながら、私は侍女のほうを向いた。

「皇太子殿下はどちらにいらっしゃいますか?」

お風呂はやめて、せっかく時間もあるし、皇太子殿下を連れてフェアリー宝石店へ行こう。

意外なことに、侍女はサブリナについて行かず、私のところへやって来た。

「よろしければ、私がご案内いたします、公女様。」

……今までサブリナにどれほど振り回されてきたんだろう。

親切に案内してくれた侍女のおかげで、私は迷うことなく皇太子殿下と合流できた。

皇太子殿下は私の姿を見るなり、安堵したように微笑んだ。

「ご無事で何よりです、小さなお嬢様。ひやひやしておりました。この場所は――」

「……へお越しになります。」

(あっ、まだ来ちゃだめなのに!)

私は皇太子を部屋の隅へ連れていき、指で彼の手のひらに文字を書いた。

【私の言葉に返事はせず、聞いているだけでいてください。】

【今すぐ行かなければならない場所があります。公爵様が来る前に。】

皇太子も私の手のひらに、ゆっくりと文字を書いた。

【公爵様が来る前に、しかも公爵様には内緒でですか?】

(そうそう。サプライズなんだから。)

それに、キブリンは寒さに弱いから、一緒に来ないで部屋で休んでいてほしい。

私は小さくうなずいた。

すると皇太子はすぐに次の言葉を書いた。

【私も連れて行ってください。】

私は返事をする間もなく、皇太子はすっと腰をかがめた。

私は素直に皇太子の背中におぶわれた。

城門を守る侯爵家の私兵は三人。

しかも彼らは、どこへ行くのかと尋ねることすらなく、私たちを通してくれた。

城の外へ出てしばらくしてから、私はようやく口を開いた。

「フェアリー宝石店へ行きます。屋根が鮮やかな緑色で、大雪の日でも雪が積もらない二階建ての建物です。」

皇太子は私が思っていたよりも早く宝石店を見つけ出した。

さすがは優秀な皇太子。

私は慎重に扉を開けて中へ入った。

一階には誰もいなかった。

チェシャがいる二階だけに、防音魔法がかけられているのだろう。

「皇太子殿下は、ここで少しお待ちください。」

私は一人で二階へ上がった。

階段を上り切る前に、神経質そうな男の声が聞こえてきた。

「閉店です。」

「……まだ閉まってないじゃないですか。」

「子ども相手に商売はしない。」

(その言葉、あとで後悔することになるよ。)

私はひょいと顔をのぞかせた。

(うわっ、お酒臭い……。服に匂いが移りそうくらいだ。)

男はソファにだらしなく寝転んでいた。

手入れもしていないぼさぼさの髪に、何日も徹夜したようなやつれた顔をしている。

「……あなたがチェシャーですか?」

(おかしいな。小説では、陰気そうでも美男子だって書かれていたのに。)

私はチェシャーをじろじろと観察した。

彼が体勢を変えると、長い前髪がさらりと流れ、鋭く高い鼻筋と、唇につけたピアスが姿を現した。

いた。

うん、やっぱりチェシャだ。

初めてチェシャを見た人は、宝石店の店主ではなく、宝石店に押し入った盗賊だと思うかもしれない。

私は酒の匂いに顔をしかめながら、中へ入っていった。

フェアリー宝石店の店主チェシャは、お金ではなく情報と引き換えに品物を売る人物だった。

だからといって、嘘の情報を渡しても意味はない。

チェシャーは超越者であり、教皇に似た能力を持っていた。

いわゆる情報鑑定の能力だ。

もっとも、名前ほど万能ではなく、かなり制約も多いらしい。

一日に鑑定できる情報量には限りがあり、使うと一気に疲労がたまる。

さらに彼は、人間離れするほど長寿である代わりに……

チェシャーは酒への依存がかなり強かった。

『悪女はお金持ちでなければ嫌』では、姉はキブリンに関する情報を渡す代わりに、チェシャーからアーティファクトを手に入れていた。

つまり、チェシャーが欲しがる情報を持っていないイングラム侯爵家が、どれだけ人を送り込んでも、サブリナの望む首飾りを手に入れることはできない。

私は口を開いた。

「傷を治すアーティファクトが欲しいんです。この店で一番良いものをください。」

チェシャーはソファの下に転がっていた酒瓶を拾い上げた。

そして酒を一気にあおると、口を開いた。

「その指輪ねえ……。お嬢ちゃんが払えるような、かわいい値段じゃないよ。もちろん、公爵様でも同じことだけど。」

情報屋はまだ私の正体を知らないようだった。

それがかえって都合が良かったので、私は「公爵令嬢」という肩書きを気にせず話を続けた。

私はまったく驚かなかった。

ただ、ようやくキブリンの手を治せるかもしれないと思い、気持ちが焦るばかりだった。

「あなたは皇太子殿下に命を狙われています。」

チェシャは口元をゆがめた。

「俺みたいな人間は、命を狙われるなんて日常茶飯事だ。その程度の情報じゃ、この酒一本分にもならねえ――」

「それと、私がデルです。」

「……」

チェシャーは手にしていた酒瓶を落とした。

私は転がってきた酒瓶を避けながら、チェシャーの返事を待った。

「現世に集中しろ」なんて言葉は、一旦取り消します、公子様。

キブリンならともかく、このチェシャさんが私がデルだと知れば、話はまったく変わってくる。

姉に先を越される前に、この情報は最大限利用させてもらう。

私は、未来を知っていると言って私を脅した姉を、少しも信用していなかった。

それにチェシャーは、小説では早い段階からキブリンの味方だった人物だ。

……もっとも、私の予想が正しければ、本当はキブリンではなくデルの味方だったのだろう。

「……今、何と言いました?」

チェシャーは勢いよく起き上がった。

私が口にした情報を確かめるように、その視線は宙をさまよった。

チェシャーの能力の最大の利点は、私が細かく説明する必要がないことだった。

真実か、それとも嘘か――「はい」か「いいえ」で明確に判断できる能力なのだから。

……もっとも、顔はすっかり酒に赤らんでいて、本当に能力が正常に働いているのかは少し怪しかったけれど。

チェシャーは私に指をくいっと向けた。

「小さすぎるな。頼りない。俺なら片手で――」

「……本当にそうできそうなんだけど?」

「そういうことって普通、心の中で思うものじゃないの!?」

まるで口げんかのようになってしまい、私はついタメ口で返してしまったが、チェシャーはまったく気にしていなかった。

彼はふらついた足取りで近づいてきて、私の周りをぐるりと一周した。

そして、困ったような顔をした。

「デル様、少しじっとしていてください。これじゃ観察できません。」

「……」

今動いてるのは、あなたのほうなんだけど?

チェシャの足に、床を転がっていた酒瓶がぶつかった。

彼は酒瓶を拾い上げて尋ねた。

「デル様も、一杯いかがです?」

もう飲んでるの?

「いらない。」

……もう帰ってもいいかな。

『悪女はお金持ちでなければ嫌』に登場したチェシャーも普通ではなかったが、今の彼は完全に酒浸りだった。

私は、キブリンの火傷を治すためだと思って何とか我慢した。

チェシャーは舌打ちしながら口元をぬぐった。

「待てよ。じゃあ、あの公爵は何なんだ? デル様の力を一部受け継いでるって聞いて、ずっと観察してたんだけど……。」

チェシャーは私の返事も待たず、一人で推理を始めた。

「ああ、あの貧弱な転生体を守るために、人間を盾代わりにしてたのか。まあ、最高の盾はやっぱり人間の盾だよな……。デル様? どこへ行くんです?」

チェシャーは慌てて追いかけてきた。

「デル様!」

私は彼の手を振り払った。

「離して! 『私がデルだ』っていう発言、今すぐ取り消したくなったわ!」

「誰を人間の盾扱いしてるのよ!」

チェシャーは自分の足にもつれながら転びそうになり、そのまま私の靴をつかんで泣きついた。

「うわあっ、私が悪かったです! 帰らないでください!」

「……」

結局、しばらく押し問答したあと、私はソファに腰を下ろした。

チェシャーは鼻をすすりながら言った。

「デル様、私はまたデル様にお会いできる日だけを楽しみに生きてきたんです。」

「……私、こっちにいるんだけど? 壁に向かって誰に話してるの?」

「あれ?」

チェシャーは首をぐるりと回して、ようやく私のほうを向いた。

私は思わず舌打ちしたくなるのを必死でこらえた。

しっかりしてよ、本当に。

「うちの可愛い子の火傷を治してもらわないとね!」

「私の名前はチェリアよ。」

「チェリア……チェシャー……。」

突然、チェシャーは真面目な顔になった。

「私の名前と最初の文字が同じなのは、今世でもデル様の忠実な部下になるしかないという運命のお告げでしょうか?」

「忠実な部下? あなたが?」

驚いた私に、チェシャーは胸を張った。

「もちろんです! 私はデル様の言うことは何でも従いましたから! 『崖から10回落ちても生き残ったら部下にしてやる』と言われればその通りにしましたし、『365日海の中で海藻だけ食べて生き延びろ』という命令もちゃんとやり遂げました。」

「……。」

私は言葉を失った。

(それ、どう考えても『死ね』って意味だったんじゃないの……?)

なんでこの人、まだ生きてるの!?

 



要点を3つにまとめます。

  • チェリアとロズ、キブリンのやり取りとサブリナとの衝突

    チェリア(デル)の前世の正体を知ったロズやキブリンとの会話の後、チェリアはお風呂へ向かおうとしますが、サブリナからドレスの件で難癖をつけられます。サブリナの横柄な態度を毅然とした態度で一蹴したチェリアは、皇太子を連れて城を抜け出します。

  • フェアリー宝石店でのチェシャーとの遭遇

    チェリアは皇太子に背負われてフェアリー宝石店へ向かい、一人で二階にいる店主のチェシャーの元へ赴きます。そこで彼は酒浸りで荒れた様子を見せますが、チェリアが「自分がデルである」と告げた途端、態度を急変させます。

  • チェシャーの驚愕の忠誠心

    チェリアの正体を知ったチェシャーは、過去にデルから言い渡された理不尽な命令(崖から落ちる、海藻だけで生き延びるなど)を忠実に実行して生き延びてきたと語り、今世でも忠実な部下になると熱烈にアピールします。

 

 

【幼い旦那様の黒幕妻です】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼い旦那様の黒幕妻です」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっ...