こんにちは、ピッコです。
「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

68話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 見返り④
ルートは今日あった出来事を聞いて表情が明るくなった。
そして感動した目でレリアを見つめた。
「本当に、このご恩は忘れません!」
「そこまでしなくても…… とにかく早く告白するのが良いと思います。」
「わかりました!それでは舞踏会の日にしっかり気持ちを確かめて告白します!」
力強く決意を込めた言葉に、レリアは顎を撫でた。
散歩をしているうちに、いつの間にか本城の近くまで来ていた。
レリアはそれに気づいて立ち止まった。
「そろそろ戻ったほうがいいでしょう。とにかくできるだけ早く告白してください、ルート卿。」
「……え? わ、わかりました。」
ルートは戸惑ったようにモジモジするレリアを見て疑っていたが、すぐに後をついていった。
レリアは胸をなでおろした。
皇城で過ごしている間、彼女はできる限り本城の近くには寄らないようにしていた。
姿を変えてはいたが、突然ペルセウス皇帝に出くわして戸惑うかもしれないからだ。
邸宅に到着すると、ロミオとカーリクスが戻ってきたのか、あちら側の邸宅の使用人たちが慌ただしく動いているのが見えた。
「ちょうどよかった。」
この二人にも舞踏会に一緒に行くように頼むつもりだった。
レリアはノックをして、ロミオの部屋に入る。
ちょうど彼はカーリクスと会話をしているところだった。
「浮気者の役は?うまくやった?」
カーリクスが彼女を見つけると、ニヤリとしながら尋ねた。
レリアは自信たっぷりに顎をくいっと上げて笑った。
そして今日あったことを話し始めた。
末には舞踏会に一緒に行こうという言葉も添えられていた。
「また何の集まりだよ。」
カーリクスがうんざりしたようにつぶやいた。
「平和の時代じゃん。」
「この平和を誰が作ったと思ってるの?犬っころでもないのにさ」
レリアは二人の会話を聞きながら思った。
『カーリクスはダメね。』
絶対に行く気がないようだ。
レリアは希望を胸にロミオを見つめた。
正直、一人で舞踏会に参加するのは少し怖かった。
だから友達だけでもそばにいれば少しは安心できると思った。
「まぁ、いいよ。」
ロミオはあっさりと顎を上げた。
カーリクスは意外そうに反応したが、ロミオは平然としていた。
レリアは安堵のため息をついた。
ロミオは何事もなかったように微笑みながら、レリアナの手首のあたりを軽くつついた。
その後、レリアナは今日のティーパーティーでどのように浮気者のふりをしたのかを詳しく説明した。
その話にカーリクスとロミオは腹を抱えて笑った。
そしてその途中で、ロミオが尋ねた。
「それより、声がちょっと変わった気がするけど?」
「えっと、これは…私を育ててくれた人が用意してくれたんです。」
「なるほど。」
ロミオは大したことではないというように答えた。
カーリクスはまったく気にせずソファに横になり、
レリアはロミオが特に疑うことなく通り過ぎたことで、内心ほっと息をついた。
確かに単純だった。
あの二人は。
しかしレリアが視線をそらした瞬間、ロミオは誰かが見ていたら驚くほど冷たい表情を浮かべていた。
その夜。
レリアナはベッドに横になり、昼間に進めていたゲーム画面をもう一度開いた。
【system:最適化 100%進行完了!】
ウィンドウと一緒に、画面の隅にある小さなUIがピカッと光った。
その後、空中に四角い形をしたふきだしが一つ浮かび上がった。
【こんにちは!錬金です!✨٩(•̀ᴗ•́)و ✨今から錬金があなたのガイドになります。】
「……」
いつもクリスタルを満たしていたあの目的のような、ごく馴染み深い口調だった。
何かすごいものかと思っていたのに……レリアはあきれながら吹き出しを見つめていて、もしかしたらと感じた心にチクリとした。
まさかとは思うけど……
『ずっと吹き出しがついてくるってことはないよね。』
【そうです!あなたの “ALLレシピクリア” のために錬金がいつでもお手伝いします!! (◕‿◕)و✧】
「もうキャンセルしようかな。」
【あっ! ≡(゚д゚) でも『サポートモード』はクエストやレシピクリアだけでなく、日常生活でもとっても役に立つんです!】
その言葉に、レリアは動きを止めた。
本当に役に立つのかな?
もし本当なら、ルートのあのイライラするクエストを、できるだけ早く終わらせることができるかもしれない。
『そう、もしかしたらね。』
とりあえずはだまされたふりをして、ルートのクエストが終わるまでだけ使ってみよう。
そう心を決めたそのとき。
【あっ!Σ( ゚o゚) あなたに正体不明の「追跡魔法」がかかっています。今すぐ解除しますか?】
…なんですって?
予想どおり、しばらくしてカーリクスは舞踏会に出席しなかった。
レリアはきちんとした服装で、ロミオと一緒に宴会場へ向かう。
貴族女性は通常エスコートされて行くものだが、そうでなくても特に問題はなかった。
宴会場は皇城の北側にある大きな塔のホールで、今いる場所からはやや距離があった。
そのため、レリアはロミオとともに馬車に乗り込んだ。
馬車の窓からは、自分たちと同じ目的地へ向かう複数の馬車が見えた。
レリアは緊張したまま、隣に座るロミオを見つめた。
彼は無表情で窓の外を見つめていた。
だが、それを見守っていたレリアの手のひらには汗がにじんでいた。
数日前。
レリアは「錬金」の助けを借りて、自分がいつも着ていたカフスボタンに追跡魔法がかかっていたことを知った。
自分に追跡魔法をかけるような人?
ロミオ以外にはいない。
しかも、手首にはめていたカフスボタンをくれた本人がロミオだったのだから。
レリアは、ロミオが原作でもものすごい実力の魔法使いになるという事実をようやく実感した。
その事実を知った瞬間、汗が滝のようにあふれた。
これまでまったく知らなかったけれど、いざ知ってみると、ロミオは今もなお自分を疑っているようだった。
もしかするとどこかに逃げるかと思って、追跡魔法をかけておいたのだろう。
「まだレオを殺したと誤解しているかもしれない。」
レリアは悟られないように手のひらの汗をぬぐった。
「じゃあ、カーリクスは……」
カーリクスではない。
2回目の好感度クエストが開かれたのを見れば……
追跡魔法に気づいて以降、レリアはロミオを見るたびに言動や話し方がぎこちなくなっていた。
そのため、ロミオはすでに気づいているかもしれない。
自分がその追跡魔法を解いたことを。
それでもなお、何事もなかったかのように振る舞っているのだ。
『あんなに狐みたいに育つなんて。完全に食えないやつじゃない。』
そのとき、ちょうど向かいに座っていたロミオがレリアを見てニッコリ笑った。
「僕、実は舞踏会向きの体質じゃないからさ。観客席から見るだけにするよ。」
「はい、どうぞ。」
「君、今日“風の精”の役をやるんだって?いっぱい踊ることになりそうだね。」
「…はい。」
レリアは唾をじっとこらえた。
実は、追跡魔法の事実に気づいた日から、レリアは悪夢を見るようになっていた。
友だちと再会したあの日のように、彼らがレリアを殺す夢を。
特に夢の中のロミオは、今のように優しく微笑みながらも、彼女に刃を向けていた。
そして、なんの前触れもなく――ズブッ……
夢から覚めると、レリアは目をぎゅっと閉じた。
ロミオは夢の中で死んでいく自分を見ながら、内心で微笑んでいた。
毒を秘めた華やかな仮面のように、明るく。
「どうしたの?」
そのとき、ロミオが夢の中のように微笑んで尋ねた。
「なんでもありません。」
レリアは平然と答えて、窓の外を見つめた。
『こうなった以上、聖物を手に入れてカーリクスを治し、できるだけ早く賢者の石を手に入れないと。』
目の前が真っ暗になった。
幼い頃、原作の運命を避けてからは、こんなふうに「死」を恐れることはなかった。
でも――友だちの手によって死ぬかもしれない、それが一番怖かった。
だが、もし本当に友だちの手で死ぬことがあっても、レリアは死の瞬間まで真実を明かさないつもりだった。
もしその瞬間に真実を明かしたとしても、どうせ禁じられた魔法のせいで自分は死ぬことになる。
『その事実を知ったら、あの子たちはきっと自責の念で苦しみ、悲しむに決まってるから…。』
レリアが実は善人だったと後になって知り、悲しんだ原作のペルセウス皇帝のように。
だからレリアは、いっそ本当に「レオの仇」として死ぬつもりだった。
友人たちがレオの復讐を果たしたと思い、残された日々を心穏やかに過ごせるように。
もちろん、そんなことが起きないように、何としてでも未然に防ぐつもりだった。










