幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【74話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

74話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • ある仮説②

「これ全部なんですって?」

「レイモンド卿に届いた手紙でございます……」

もう一度問い返すと、侍従は困ったように答えた。

レリアはあっけにとられた。

朝起きて朝食を終えた後、侍従が大量の封筒が詰まったバスケットを持ってきたのだ。

ざっと見ても数十通はあった。

昨日届けようとしたけれど届けられなかったものと、今日新たに届いたものが合わさってその量になったということだった。

侍従はレリアの部屋の応接室にあるテーブルに手紙の飾り箱を置いて立ち去った。

「………」

一人残されたレリアは、慎重に手紙を一通一通開けてみた。

手紙の内容は「舞踏会で見せた勇敢な姿に感動しました」とか、「友情を深めたいです」といったものだった。

すべてあの舞踏会に参加していた女性貴族たちからの手紙だった。

おそらく、一人で立っていたグレイス嬢に近づいた「レイモンド卿」の姿を好ましく見たようだ。

「これではまるでプレイボーイみたいじゃないか……。」

そうしてひとつずつ残りの手紙を開けながら読んでいるところだった。

トントン、とノックの音が聞こえた。

部屋に入ってくるのを許すと、入ってきたのはロミオだった。

「何してんの?」

ロミオは真顔で近づいてきて、レリアが読んでいる手紙をのぞき込んだ。

そしてまるで自分の部屋のようにソファに腰を下ろし、侍従を呼んでお茶を持ってこさせた。

「…手紙が来たの。舞踏会で私に好意を持った令嬢たちからみたい。」

以前ならロミオは「へえ、意外にもうまく演じたみたいだな」とからかい笑っていただろうが、今はもう笑えなかった。

今やレリアが「男」だと知ってしまった以上は。

それはカーリクスのおかげでもあった。

カーリクスが昨日ロミオをつかまえて、自分の腕を引き出しながら詳しく説明したからだ。

そのおかげでロミオもその事実を自然に受け入れることができた。

他にも理由はいくつかあった。

レリアには魔力がないため、幻覚魔法を使うこともできないし、そんなことが可能な錬金薬を使うはずもなかった。

そんなものはこの世に存在しないのだから。

うぬぼれかもしれないが、ロミオは自分が知らない偉大な錬金術師がいるなどとはまったく思っていなかった。

たとえレリアが本当に魔法使いや錬金術だとしても。

では魔力を感知できる皇帝、そしてちょっとおバカに見えるけど……それでも驚異的な武力を持つカーリクスを騙せるほどのものだということになる。

皇帝やカーリクスが騙されたとしても、自分自身を騙すことはできなかった。

ロミオはレリアから魔力を使った痕跡や、錬金術の気配を感知することができなかった。

だからこそ、カーリクスの言葉どおり、レリアが男性の「生殖器」を持っているというのを信じるしかなかったのだ。

「……そうか、お前……そうなんだな。」

ロミオは何か言いかけて、口をつぐんだ。

「でも、カーリクス様はどこに?」

「うん、用事があって出かけたよ。グリフィスが数日中に首都に到着するだろう。」

「本当ですか?!数日中にですか?」

レリアが目を輝かせて尋ねると、ロミオの視線が揺れた。

レリアは気まずそうに笑った。

「ただ… 前回あまりにもすぐに行ってしまわれたので。お兄様がその方についてもたくさん話してくださったんです。」

「そうなのか?」

「はい、顔は似ていないけれど… それでもとても気高い方だと。」

レリアの返事を聞きながら、ロミオはくすっと笑い、心の中で思った。

『レオお兄様じゃなくて、お兄さんだろうな。』

まだ確信は持てないが、もしそれが違うとしたら——

お前が「レオ」か。

 



 

ロミオと一緒にお茶を飲んでいたところだった。

突然また誰かが訪ねてきた。ノックの音に、レリアが嬉しそうな気配を見せると、ロミオが尋ねた。

「誰かを待っていたのか?」

「……はい、ルート卿から受け取るものがあるんです。」

 



 

「………」

レリアはあまりにも呆れて口をぽかんと開けたままだった。

ユリアナの目には涙が溜まっていた。

泣くのは私なのに、どうして君が泣くの?

レリアはそう尋ねたかったが、じっと目をつむった。

反対側の頬へユリアナの手のひらが再び飛んできていたからだ。

パシッ!

しかしその手のひらはレリアの頬に届かなかった。

間一髪で近づいたロミオが、ユリアナの手首を掴んでいたのだった。

「今、何をしてるつもりだ?」

「恐れ多くも皇女の手首を掴むなんて?! 離して!」

「なんてひどい奴だよ…。」

「これ放して!離してってば!」

ユリアナが暴れ出すと、ロミオは彼女の腕をつかんで軽く押し返した。

その反動でユリアナは後ろによろめいて転びそうになった。

瞬間、つらい記憶でもよみがえったのか、レリアは素早くユリアナの腕をつかんで支えた。

「………」

おかげでユリアナ皇女は転ばずに済んだが、状況はやや滑稽に見えた。

レリアはユリアナが姿勢を正した途端、すぐに手を離した。

猫でも助けてやるように、さっき平手打ちされた相手を倒れないように支えている姿を見て、ロミオは言葉を失った。

「……」

レリアは熱くなった片方の頬を手で押さえながら、一歩後ろへ下がった。

彼女なりの理由があったのだ。

ユリアナが倒れそうになったその姿を見た瞬間、過去の痛ましい記憶がよみがえったからだ。

幼い頃、レリアはユリアナを突き飛ばしてしまった罪で、ひどく謝らなければならなかった。

そのときの記憶がトラウマとなり、また倒れそうになったユリアナを思わずつかんだのだ。

同じことが繰り返されるのではないかという恐れからだった。

もちろん、今回は突き飛ばしたのがロミオだったため、そんなことは起こらないだろう。

皇子であるロミオが、レリアにしたような罰を受けるはずもなかったから。

「…それだけじゃ足りなくて…!」

ぽろぽろと涙がユリアナの目に溜まり、ポロリと落ちた。

ユリアナ皇女はこの世のすべてが理不尽だと言わんばかりの態度だった。

「…私が平手打ちされるほどの無礼をしたとでも?」

「それが分からない方がもっと問題ですよ!」

ユリアナ皇女は拳をぎゅっと握りしめた。

ここまでプライドが傷ついたのは初めてだった。

実は、舞踏会でレリアがグレイスを横取りしたときでさえ、彼女はこんなに怒らなかった。

そのときはむしろ、おかしくてかわいらしく見えた。

自分の関心を引こうとしているのだと思えば、かえって興味深く思ったのだ。

だからこそ、会話でもしてみようかと考え、父にお願いして婚約候補として見てみようと思ったのだった。

しかし、レイモンド卿はルートのことをやたらと褒めて、帰って行ったらしい。

ユリアナとルートを引き合わせてほしいと言っていたそうで、その話を聞いたユリアナはとてもみじめで、プライドがひどく傷ついた。

実際には、けんか腰で拒絶されたも同然だった。それに、どうして身分の低いあの者が、皇女の婚約に口を出すというのだ?

初めは、ユリアナもルートのことを好意的に思っていた。

それでもチャンスをあげたのに、ここまでして拒絶されるというのは、本当にレイモンド卿にとって彼女は何の意味もなかったのだろう。

一人で思い違いをしていたことに気づいた瞬間、ユリアナ皇女は恥ずかしさで顔を上げることができなかった。

昨日その知らせを聞いて以来、侍女たちとも話ができず、一人で悶々としていた。

なのにレイモンド卿は、自分に謝りに来るつもりなのか、何の連絡もない。

結局我慢できず、自ら会いに来たのだった。

幼いころから皇女として育てられた彼女にとって、プライドは非常に高かった。

「………」

興味がないと思っていたのに、彼女が倒れそうになったときに手を差し伸べる姿を見ると混乱した。

本当に気がないのなら、平手打ちまでされた相手を支えたりしないはずだ。

『ルートとの友情のせいで気持ちを隠しているのか?』

そうだとしたら、なおさら嫌だった。

臆病な馬鹿にしか見えなかった。

この男はまさに間違いなく、嫉妬深い。

ユリアナ皇女はしばらくすすり泣いたかと思うと、そのまま背を向けて出ていってしまった。

あ然としたレリアとロミオは彼女の後ろ姿を見送るしかなかったが、しばらくして互いに顔を見合わせた。

ロミオが気まずそうに聞いた。

「お前……まさか本当にあの皇女のこと、好きなんじゃないよな?」

念のために聞いたのだ。

「それ」が違う男ではなく、本当に男としてユリアナ皇女を好きで、正気を失ってるわけじゃないかと心配になって。

「……ちがう。」

レリアは頬を押さえながら答えた。

正直に言えば、本当に嫌いだった。

ペルセウス皇帝も、セドリックも、デミアンも、ユリアナ皇女も。

虫唾が走るほど嫌いだった。

そのときだった。

ユリアナ皇女がバタンと閉めた扉が、バッと開いた。

レリアが反射的に驚いて身を引いたとき、ロミオが一歩前に出て前に立ちはだかった。

幸い入ってきたのはカーリクスだった。

彼を見たレリアは安堵のため息をついた。

またユリアナが来たのかと思って身構えていたが、カーリクスと目が合った瞬間――レリアのこめかみで「パン!パン!」という爆発音とともにファンファーレが鳴り響いた。

【クエスト完了!✧.∩(´∀`)∩.✧ 報酬を受け取ります!】

<報酬アイテム>

・好感度確認チケット 10枚
・特別レシピパズルのピース 5個
・Lv.3 ランダムプレゼントボックス(?)2個
・クエストジャンピングコイン

昨日以降会っていない間に、カーリクスの好感度がかなり上がり、クエストが完了したようだった。

【特別好感度対象〈カーリクス〉様の好感度を75以上にしてみましょう!!(◕‿◕)و 】

※クエストストーリー進行度:40%

[ 受ける ] [ 拒否する ]

その後すぐに次のクエストが表示され、レリアは心の中で命令を下すようにクエストを受けた。

途中でカーリクスはぼんやりと立ち尽くしていた。

「…何?どうして立ってるの?」

その姿があまりにも間抜けに見えたのか、ロミオが眉間にしわを寄せた。

「……」

カーリクスはまばたきしてから、すぐに険しい顔になった。

腫れたレリアの片方の頬を見つけたのだ。

「…何だよ。誰がやった?どこのバカ野郎が殴ったんだ?」

彼は怒った熊のようにレリアの前に近づいてきた。

「そ、それは……」

「さっき皇女が怒った熊みたいに通り過ぎたけど?あいつ?あいつに殴られたの?」

カーリクスを見て「怒った熊」を思い出したレリアは、戸惑って唇をぎゅっと結んだ。

レリアが答えなかったので、カーリクスはロミオを見た。

ロミオは殴られたことを認めて、首をすくめた。

「よくも俺の妹に手を出したな?」

カーリクスはぶつぶつ言いながら懐に入れていた短剣を取り出そうとした。

レリアの助けでサイズを小さくしたあの大剣だった。

ロミオはそんなカーリクスを落ち着かせた。

元々衝動的な性格のカーリクスが大きな騒ぎを起こす前に止めなければならなかった。

レリアもまたそれに気づき、カーリクスを落ち着かせた。

「…ご心配なく。私が舞踏会で、風車のように回されて… それでこうなったんです。」

一応は自分のせいだと話したが、カーリクスの目は鋭く光った。

「じゃあ、グリフィスは?あいつが頼んだのか?」

ロミオが話を逸らすと、やっとカーリクスは少し落ち着いた。

「…ああ。だいたい把握した。おい、お前口を開けてみろ。内側は切れてないよな?」

「はい、大丈夫です。」

「開けてみろってば?」

カーリクスはぐいっとレリアの口を開けさせようとした。

様子を確認したロミオは、その様子を見てくすりと笑った。

『カーリクス、あいつも何か気づいたんじゃない?』

軍人があんなに気を使って優しくする理由がある?

どうやらレオの弟だと思い込んでいるようだった。

カーリクスはまるで初めて弟ができて嬉しくてたまらない子供のようにうきうきしていた。

弟がどこかで殴られて戻ってくると、代わりに仕返しをしてくれる兄のように。

「まったく…女に殴られるなんて。そんなことになるくらいなら、いっそ風車のようにぐるぐる回ってみろよ、このやろう。無駄に女に傷つけられないように、俺みたいにうまく避けて生きろよ、な?」

「…はい。」

「男は体の一部で勝負するもんじゃないぞ、お前。そ、その…お前…それ、ちょっと自信あるからって調子に乗るなよ。だからこそ、もっと気をつけろ。わかったな?」

「はい…兄貴。」

レリアは、カーリクスがその呼び方(兄貴)を望んでいると察して、そう答えた。

すると、あっという間にカーリクスの表情が明るくなった。

『単純なやつ。』

レリアが心の中で何かを考えているとも知らずに、カーリクスは遠慮なく言った。

「誰かにまたいじめられたら言え。兄貴が全部片付けてやるからな。わかった?」

「は、はい…。」

 



 

 

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