こんにちは、ピッコです。
「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

90話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 集合③
夕食の時間に合わせて戻ってきたシュペリオン公爵は、新たにやってきた客人たちを喜んで歓迎した。
特にカーリクスをじっと見つめていた。
「そうか、お前がうちのレリアを助けてくれたのか。」
「……はい。えっと……ああ、そうですね。そうです!」
カーリクスは笑っていたが、何かを思い出したように急に口をつぐんだ。
おそらく、レリアが皇城で気を失ったとき、彼女を抱えて逃げたことを思い出したのだろう。
そのほかにも、レリアを助けた出来事がいくつかあった。
レリアはカーリクスの腕を軽くつかみ、そっと祖父と叔父を見て安堵のため息をついた。
それに、他の友達も無事に食事しているのを見て安心した。
「そうだね、うちのレリアがいい友達をたくさん作ったなんて、本当に嬉しいよ。でも、なんで全員……うちの子たちなんだ……?」
シュペリオン公爵はぞっとするような表情で、彼らの顔をひとりひとり見渡した。
どこに出しても見劣りしない、とても整った容姿だった。
客人が特別だった一方で、シュペリオン公爵は少し不安になった。
この中からレリアが誰かと結婚したいと言い出したらどうしようかと。
特にカーリクスを除いた3人を見つめるその表情は重かった。
皆がそろって並々ならぬ身分を持っていたからだった。
それに気づいたのか、ロミオが自然に口を開いた。
「私たちは皆、令嬢の友人ですから、どうぞお気軽にお話しください。そして…ひとつお願いがございます。」
「そうか、それなら気を使わずにな。年寄りを気にするな。」
「私たちがここに滞在することになれば、すぐに噂が広まるでしょう。公式には、私たちがここにいるのはカリウス様との縁によるものだとしてください。」
レリアのせいでここに来たとは、他の人々には知られないように、という意味だった。
その意図を読み取ったシュペリオン公爵は納得しながらもロミオをじっと見つめた。
内面が深く見える点で好感を持ちたかったのだ。
一方、レリアもまた感謝の眼差しでロミオを見つめていた。
おそらく、神殿の追跡のせいでそうしたのだろう。
「シュペリオン城がこんなににぎやかになったのも久しぶりだな。お前のおばあさまと叔母さんが到着したら、きっととても喜ばれるだろう。ジェノのやつももうすぐ来るはずだ。」
その話に何かを思い出したのか、カリウスが口を開いた。
「父上、今日変わった知らせを一つ聞きました。」
「なんだ?」
「北側に奇妙な者たちが現れたそうです。異教徒だそうですが……数がかなり多いようです。短時間であっという間に頭数が増えたようです。軍隊もいるようです。」
「そうか?」
その言葉にレリアの目が見開かれた。
彼らの話だ。
まるで狂信徒のように崇められている異教徒たち。
「領地に隣接した地域である以上、騎士たちを派遣すべきではないでしょうか?外部の領民たちが不安がっています。」
「それでは… 神殿に要請を出そう。」
「やつらをいつまで待つつもりですか?のろい奴らですから、3年後に到着するんじゃないですか。」
「それでも異教徒勢力なのに、すぐには来ないでしょうか?」
「彼らの目には、異教徒よりも錬金術師の方が問題です。」
「それなら、ジェノンが到着したら、私も行く。」
「ダメです!」
黙って聞いていたレリアが突然叫ぶと、祖父と叔父は驚いて彼女を見つめた。
友人たちもまた、どうしたのかというような目で見た。
「それは……だから……」
レリアは口ごもった。
ジェノ叔父はその異教徒との戦闘で亡くなった。
元々はシュペリオンにやって来た不幸の始まりだった。
レリアはこの時期に合わせて領地に戻ってきたことが幸運だと思いながらも、どう答えればよいか戸惑った。
シュペリオン公爵の表情がやわらかくなった。
「ジェノンが危険にさらされるかと心配していたのね。優しさでもあるし……」
「うちの優しいレリア。」
祖父と叔父が和らいだ目でそう言ったが、レリアは反論した。
「ジェノン叔父さんが優秀な騎士なのは分かっています。でも……もしかしたら危険なこともあるかも。それに……」
私が行くと言ったら反対するでしょうか?
レリアは簡単には言い出せずに、口ごもった。
そのときだった。
「領地隣接地域に現れた武装勢力を排除すればいいのですよね?では、私たちにお任せください。」
ロミオが口を開いた。
レリアは驚いて彼を見つめた。
ロミオはレリアを見てニヤリと笑った。
言葉にしなくても心の内をすべて把握しているかのように、安心しろと言うように片目をつぶってウインクした。
その合図を見て、レリアは幼い頃の記憶が一瞬よみがえった。
ロミオはいつも、彼女が何も言えなくても、言いたいことをうまく引き出して先に助けてくれた。
そして今のようにウインクをして合図を送ってくれて……。
「……」
かすかな感動にぼんやりとロミオを見つめると、ロミオがシュペリオン公爵に向かって慎ましく言った。
「ちょうどこの二人が専門です。水に落ちた子をしっかり締め上げるくらいに、きっちりと片付けるでしょう。」
ロミオが指したのはグリピスとオスカーだった。
「本当に仲の良い奴らですよ。見事な連携で異教徒を平定してくれるでしょう。」
まるで示し合わせたように座っていたグリピスとオスカー、二人は神経質な表情でロミオを見つめた。
誰と誰が仲が良いって?
しかし横にいたレリアが両手を組んで切実な視線で二人に目を向けた。
二人ならレリアも安心できる。
暴れ者も恐れない二人なら、異教徒も――
「ちょっとくらいなら何でもないはずだから。」
『お願いだから……』
ロミオが二人を見ながら言った。
「当然出てくれるよな、みんな?」
レリアをじっと見つめていたグリピスとオスカーは、仕方ないといった様子でため息をついた。
返事を聞いたロミオは笑いながら、公爵に何かを言おうとしたときだった。
グリピスが先に口を開いた。
「じゃあロミオとカーリクス、お前たちも一緒に行ってくれ。レリアが安心できるように。」
ロミオの眉間にしわが寄った。
まるで“めんどくさい”と言っているかのような表情だった。
「お前たちが出てくれるなら……私たちは安心で、感謝の気持ちしかない。本当に大丈夫なのか?」
シュペリオン公爵がそう言うと、ロミオは落ち着かない様子で襟元をいじった。
「そ、そうですね。ではできるだけ早く処理して戻ってくるようにします。問題の地域はここから遠いんですか?」
「いや、思ったより近い場所だ。」
「それなら……」
ロミオが計算の末に話そうとした瞬間、オスカーが口を開いた。
「明日すぐ出発します。一日、半日もあれば十分です。」
「おおっ……!」
信頼に満ちたオスカーの言葉に、シュペリオン公爵の目が大きく見開かれた。
カリウスはオスカーを気に入っていなかったが、シュペリオン公爵はすでに彼を好意的に見るようになっていた。
「1時間あれば十分だろう。」
グリピスが落ち着いた態度で言ったのを見て、オスカーはうなずいた。
レリアはその冷静さに驚いて目を大きく開いたが、グリピスとオスカーは終始真剣な表情だった。
「そう?じゃあ僕は1時間。」
ロミオもその落ち着いた雰囲気に乗っかるように言った。
「え?じゃあ私は30分。いや、10分!」
最後はカーリクスが決断を下した。
レリアはまるで10歳の頃のように――いや、あの頃よりもっと幼くなったような気がする光景に胸を打たれた。
その翌朝、遅くまで寝て起きて部屋で軽い朝食を取った。
ここ数日はまともに眠れなかったが、昨夜は思ったより深く眠れた。
やはり叔父の件を友人たちが手伝ってくれることになったおかげで、気持ちが楽になったのだろう。
食事を終えて服を着替えていると、ベキーがやってきた。
「レリア嬢、準備はできましたか?」
「ええ、もうすぐ終わるわ。」
「出発前に会いたいという方がいらっしゃって、応接室にお通ししました。」
「……応接室に?」
服を着替えさせていた侍女たちが出ていき、ベッキーはレリアが着ていた服のボタンを留めながら、先に知らせを伝えた。
友達が朝早くに本城を出発したという話だった。
『もう出発したの?』
一緒に行こうとしていたのに……。
レリアは何も言わずに出発した友達に、感謝と申し訳なさを感じた。
それでも友達が出てくれて、本当に安心だった。
1人や2人で行くより、4人で一緒に行ってくれた方が、より安心できる。
お互いに守り合えば、怪我をすることもないだろう。
レリアは友達が帰ってきたら、必ず感謝の挨拶をしようと思った。
ベキーは彼らについてあれこれと質問したい気配だったが、レリアは知らないふりをしながらお茶を持ってきてくれるよう頼んだ。
そして一人になると、すぐにシステムメニューの「シア構成」の円形マークをタップした。
すると今朝から突然「年金福券」システムのメニューがすべて表示されなくなっていた。
右側の構成にはゲームマークだけがぽつんと表示されていた。
もしかしてと思いもう一度押してみたが、案内メッセージが出た。
[大規模アップデートのため点検中です。さらに新しくなった<年金福券>をお楽しみに!(۹◔‿◔)۶✧]
『ねえ、で、点検って結局いつまでやるつもりなの?』
点検をしていて、いつ終わるのか教えてくれないなんて……。
胸の内がモヤモヤと煮えたぎった。
こんなふうに点検するなら、報酬はちゃんと準備してるよね?
クリスタル1万個以上はもらわなきゃ、気が済まない気がした。
それでも幸いだったのは、点検の前に必要になるかもしれない薬をあらかじめ取り出しておいたことだった。
特に祖母のための治療薬は、万が一に備えて多めに出しておいた。
全部飲ませたら副作用が出るだろうから、一瓶だけ渡すつもりだが。
そのとき、ノックの音とともに、ドアの向こうからベッキーの声が聞こえてきた。
「入ってもいいですか?」と言うやいなや、ベッキーがトロリーを押して入ってきた。
「お嬢様、お茶をお持ちしました。」
ベキーはテーブルにカップを置くと、さらに一つの知らせを伝えた。
「公爵様が元老会に行かれた方々を集めて知らせを伝えたそうです。光竜との戦争で功績を立てた英雄たちが、カリウス卿に会うために領地を訪問されたそうです。」
「そうなの?」
「はい。それで数日後に歓迎の宴を開くそうです。」
「宴を?」
「はい、お嬢様。それで今すぐ仕立屋を呼んでこようかと思うのですが、どうなさいますか?」
「私は大丈夫。」
「ではすぐに呼んできますね。はあ…お嬢様の成年のお祝いも一緒にできたらどれほど良いでしょうか?」
「………」
ベッキーは呆れた表情で両手を握りしめ、凍りついていた。
「きっと素敵な方々がお客様としていらっしゃるじゃないですか!その中の誰かが、お嬢様に惹かれるかもしれませんよ!」
「まさかそんな……」
レリアはぞっとした表情で凍りついた。
ベッキーは一人で想像を膨らませて物語を作り出し、ますますレリアを震え上がらせ始めた。
レリアは涙ぐみながら片耳を押さえ、すすり泣いた。









