こんにちは、ピッコです。
「政略結婚なのにどうして執着するのですか?」を紹介させていただきます。
今回は54話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
54話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 真夜中の事件③
再び現在。
実際、カレインも当日まで確信が持てなかった。
計画が成功すればこの上なく良いが、失敗した時のリスクを思い出さざるを得なかったためだ。
しかし、夕方ずっと父の書斎で話を交わすナディアを眺めながら決めた。
彼女から父の寵愛を引き離してやると。
カレインは騒ぎで目が覚めたかのように目をこすって部屋のドアを開ける。
ちょうど廊下の前には、切羽詰った顔の侍女長が歩いてきていた。
「いったい何がそんなに騒々しいの?」
「ナディアお嬢さんがいなくなったということで。ひょっとしてお嬢さんさえも間違っているのではないかと思って確認しに来ました。無事でよかったです」
「え?お姉さんがいなくなったって?」
「はい、担当の下女が言ってました。夜明けにトイレに行こうとして寝室のドアが開いているのを発見したのですが、長女がいなかったと。他の所を見回してもお嬢さんの姿が見えませんでした」
「なんてこった、それは大変だ」
「え・・・?」
カレインが本当に心配だというように話すと、侍女長はむしろ戸惑った表情をして見せた。
彼女が知る限りでは、公爵家の2人の姉妹は、片方が行方不明になったからといって心配してくれるような仲では全くなかったのだ。
(しまった)
侍女長の当惑した表情に、カレインは自分の間違いに気づいた。
自然に行動しなければならないのに。
彼女は急いで自分の間違いを収拾した。
「お姉さんが公爵が私にいる時に太陽を着たら、ウィンターフェル侯爵が黙っていると思う?うちの家門に責任を問うだろう。そんな疲れることが起こる前に、早くお姉さんを探さないと」
「ああ、もちろんそうでしょう」
やっと自分が知っているカレインお嬢さんらしかった。
「庭園や離れは調べてみた?公爵、あの外に出た人はいないだろう?」
「はい、男の使用人たちが家全体を捜索しています。歩哨に立つ彼らの話によると夜中に抜け出た人はいないそうですが・・・。どうかそうなることを祈らなければなりませんね」
首都全体を捜索するなら警備隊に連絡しなければならず、そうすれば十中八九日が大きくなる。
ウィンターフェルの耳に入るのは時間の問題だろう。
「ところで地下のほうは探したの?」
「え?」
侍女長の目が丸くなった。
このような時に地下室の捜索は後回しにされるものだ。
誰かがナディアを拉致したとすれば外部に出ようとするが、四方が塞がった地下室に入ろうとする確率は少ないためだった。
「いいえ、まだです。夜明けだから人が足りなくて・・・」
「では、私たちだけで確認してみよう」
カレインは躊躇いがちな侍女長に代わって先に足を運んだ。
「お嬢さん!危ないかもしれないので、部屋の中にいてください」
「いや、こんなことが起きたのに黙っているわけにはいかないわ」
実際、侍女長はナディアが地下室の近くにいる確率は低いと考えた。
そのため、地下室に向かう廊下に立った時、地下室のドアが少し開いているのを見てびっくり仰天してしまった。
彼女は地下室に近づくカレインを怖がらずにつかまえて言った。
「お嬢さん、私が男の使用人たちを呼んできます。お嬢さんはここにいてください」
「ちょっと待って、誰がいるかだけ確認してくるから」
カレインは足音を抑えながら地下室に近づいた。
門に耳を寄せてみると、かすかな人の気配が感じられた。
引き出しの開け閉めの音。
物をとんとんと下ろす音。
下に人がいるという証拠だ。
「ナディア?」
その瞬間、地下室から出ていた騒音がぴたりと止まる。
本当によくかかってくれたね。
カレインの口元が歪む。
「下に誰かいるみたいだけど?人の気配が聞こえるわ」
「少々お待ちください。人を連れてきます。危ないかもしれません」
「その間に消えるかもしれないじゃないか。私が降りてみる」
「ああ、お嬢さん!」
侍女長が必死に彼女を引き止めたが、びくともしなかった。
侍女長の引き止めを振り切ったカレインは、灯りとともに慎重に階段を降りた。
石段の涼しげな寒気が足を伝って上がってくる。
彼女は提灯で地下室を照らし、自信満々に姉の名前を呼んだ。
「ナディアお姉さん、ここにいるの・・・うん?」
しかし、予想とは違って、下に降りてきたカレインを歓迎したのは誰もいない空間だった。
「・・・え?」
がらくたがたまっている地下倉庫。
前もって準備しておいた通り、地下室の壁は開いていた。
秘密の場所に通じる扉だ。
「確かに人の気配が聞こえたんだけど?隠れたのかな?」
明かりであちこちを見てみたが、人どころかその影さえ見えない。
成人女性が身を隠すような場所をすべて探した後も同じだった。
「どういうこと・・・?」
地下室に幽霊がいたということか?
そうでなければ、何かしっかりと間違っていたに違いない。
背中に鳥肌が立つ。
地下室の片側の壁面はまだ広く開かれていた。
誰かがこの場面を見れば、しっかりと誤解を招くことは明らかだ。
「早く抜け出さないと」
彼女は怯えたまま急いで向き直ろうとした。
「カレイン、夜中にそこで何をするんだい?」
「・・・」
階段の上から聞こえてきた声に、心臓がドキっと落ちるようだった。
ゆっくりと首をかしげるカレインの視界の中に、階段の上に立って下を見下ろしている父親の姿が入ってきた。
そして、その傍らで灯を持っているのは、まさに彼女の姉、ナディアだ。
「・・・」
あの子がなんであそこにいるの?
なんでお父さんと一緒に登場するの?
カレインの目が衝撃で大きく開いた。
「あ、えっと・・・」
しかし、驚く時間は十分ではなかった。
すぐに父親の追及が続いたためだ。
「私が聞いたではないか。そこで何をしているんだと」
「あ、これは・・・」
カレインは答えられなかった。
当然のことだ。
姉に濡れ衣を着せようとして事がこじれたとは言えなかったから。
娘が何の返事もできないと、わずかにしかめっ面をした公爵が階段の下に足を踏み入れる。
直接答えを求めるためだった。
カレインがびっくりして叫んだ。
「ああ、来ないでください、お父様!」
「え?」
しかし、彼女の叫び声は父親の足取りを止めることができなかった。
いや、むしろ逆効果ばかり買ったという方が正しいだろう。
「今いったい何を・・・」
ついに下まで降りてきた公爵は、大きく開いた壁面を見て驚いた。
「・・・」
あれは公爵城の設計図にも含まれていない秘密の空間だ。
自分の同意がなければ、絶対に開かれてはならない場所だった。
信じられないというように目を見開いた彼が娘に視線を移す。
「お前があれを開けたのか?」
「私は知らないことです!ここに降りてくる時からあんな状態だったのに・・・。私はこんな場所があることも知らなかったんです!」
「・・・君が来た時からドアが開いていたって?」
「私はただお姉さんがいなくなったという話を聞いて探そうとしたのですが・・・地下室で人の気配が感じて降りてきただけです」
言うことがますます見ものだ。
色々な条件を合わせてこそ、難しく姿を現す空間が自動的に開かれたはずがなかった。
呆れたようにため息をついた彼が追及を続ける。
「人の気配が聞こえたなんて!ここにあなた以外に誰がいるというのか?」
「わ・・・わかりません。しかし、確かに誰かがいました!動く音が聞こえたんですよ!」
まだ間に合う。収拾できるよ。
カレインは震える心を落ち着かせ、ナディアに話しかけた。
「お姉さん、いったいどこに行ってたの?使用人たちがお姉さんを捜すと大騒ぎだったけど・・・みんな心配したじゃないの」
「どういうこと?まさか今騒々しいのが私を探すためにそうしたんじゃないよね?」
ナディアは首をかしげて答える。
本当に妹が何を言っているのか分からないという人のように。
「私はずっと寝室の中にいたわ。騒ぎで目が覚めて外に出てきたんだけど、ちょうどお父さんが2階に下りてきていたんだ。それでどういうことなのか調べようとお父さんについてきたんだけど・・・」
彼女は同意を求めるかのようにバラジット公爵の方をちらっと見る。
すると、彼がナディアの言葉がすべて正しいというように軽くうなずいた。
カレインの髪の毛がうじゃうじゃと飛び立つ瞬間だった。
(どうして?ナディアが出てくるのを確認しなかったらジェリーが仕事を始めなかったはずなのに・・・。いや、その前に私が聞いた人の気配は何だったというの?)
事がどのように運ぶのか分からなかった。
確かなことは計画がしっかりこじれていて、下手をするとすべて自分が被ることもありうるということだった。
焦ったカレインが何か言おうと口を開こうとしたとき。
しかし、侍女長が割り込むのがもう少し早かった。
「え?ずっと部屋の中にいたんですか?」
「ええ、一体どうして私がいなくなったと思うのかわからないわ。何があったの?」
「お嬢さんの担当下女が急に私を起こしました。トイレに行くために廊下に出たのですが、寝室のドアが開いていてちらっとのぞいてみたそうです。それで寝室の中にお嬢さんの姿が見えないと私に言ったせいで・・・。もしかして何かあったのかと思って、使用人たちを解放して探しているところでした」
「ジェリーが誤解をしたみたいだね。私が消えた夢でも見たのかしら?それで地下室まで探していたの?」
「はい、カレインお嬢様がナディアお嬢様のことをとても心配していました。それで直接取りに来たんです」
最後の2つの言葉は、それなりにカレインを弁護するために吐いた言葉だった。
しかし、逆効果もそのような逆効果はなかった。
公爵はため息をついて口を開く。
「・・・ああ、どうしてこの夜明けにこんな騒ぎになったのか分かった」
明敏な彼の頭は、目の前に見える状況と二人の会話を総合して、すぐに結論を下した。
どういうことか大体見当はつくが、もっと正確に真相を把握するためには、そのジェリーという下女の話を聞かなけれはならないようだった。
「侍女長、今日ナディアの担当下女役を演じた子をすぐに探せ。その子を見つけたら私の執務室に連れて来い」
「はい、公爵様」
「そして、カレイン」
公爵の鋭い視線が青ざめた次女の顔に触れる。
彼はため息をつくように言った。
「あなたも私について来い」
カレインの悪巧みは成功しませんでしたね。
地下室に降りた影の正体は?
ナディアも何か対策をしていたのでしょうか?