こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は109話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
109話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 兄とのお茶会
「ということで私が来ることになったんだ」
結局、ロクサナがいる応接室に入って来たのはニックスだった。
ロクサナは、ニッコリ笑っているニックスを冷たい目で見つめる。
もちろんダンテはとても気に入らなかったが、ニックスが先に自分が直接ロクサナを接待すると乗り出したのだ。
そして、「ノエルにある程度事前に指示を受けた事項があるので大丈夫だ」と話した。
ダンテはやむを得ずニックスを応接室に入れることに。
むろんニックスの言葉だけなら、不審でも彼の言葉に従わなかっただろう。
しかし、ダンテも今回の件はニックスの役割がかなり重要だという点は、既にノエルに聞いて周知していた。
「無駄足を踏んだわ。あなたとは話すことがないのに」
もちろんロクサナは躊躇なく席を立とうとした。
そんな彼女の足を引き止めたのは、相次ぐニックスの声。
「そうなの?私はむしろノエルがいないから楽に話せると思ったのに」
音もなく滑り落ちた赤い瞳が、再びニックスの顔に触れた。
しかし、ニックスは終始一貫して毅然とした表情のまま。
「それは、あなたがノエル・ベルティウムより率直だという意味かしら?」
小さく開いたロクサナの唇から低い音声が漏れる。
「もしかしたら『私』だから答えられる内容があるかもしれないという事さ」
ニックスがロクサナの微笑む。
「・・・」
ロクサナは椅子に座り、冷たい目つきで彼を見守った。
ニックスはロクサナの沈黙を無言の受諾として受け入れる。
「好みが分からないから、ベルティウムにある一番良いお茶を用意したよ」
ニックス自らがお茶の用意をする。
動きがとても自然なのを見ると、このようなことに慣れているようだ。
しかし、ベルティウムでの彼の役割を奴隷や使用人と考えるには、視野に映った姿があまりにも優雅で品位があった。
余裕が感じられ、ニックスの態度には屈従する感じがない。
ロクサナの視線が彼の右手にしばらく留まる。
もっと正確に言えば、彼女の視線が届いた場所はニックスの手の甲にある傷跡。
「もしかして甘いものは好き?そうだったら嬉しいけど」
ティーカップに続き、トレイの上に会った各種デザートが並べられていく。
見ただけでも甘く見えるケーキの種類が特に多い。
「食べてみて。自分で作ったものだから、味は保証するよ」
ロクサナはニックスの勧めを静かに見下ろした。
「これはあなたが直接作ったの?」
「うん。ベルティウムにいる間、何となく身に付くようになって」
その後、ニックスはロクサナの向かい側の席に座る。
「本来はこの場にノエルがいなければならないけど、状況が状況だからね」
「だから仕方なく」とニックスは微笑んだ。
彼の微笑はどこか妙なところがあった。
ロクサナが見たベルティウムの他の人形とは違って、ニックスの笑顔はまるで本物の人間のように自然に見える。
もしかしたら、彼女が彼の顔を見て無意識のうちに記憶を振り返り、兄のことを思い出しているからかもしれない。
目の前のコップを持ち上げて液体を一口飲む。
その後、彼女は容赦なく評した。
「砂糖の塊のお茶に、砂糖の塊のケーキなんて。好みが酷いわね」
ニックスはロクサナの言葉が予想外のように目を大きく開く。
「そう?ごめんね、君が甘いものが好きそうだったから。私の考え間違えのようだ」
「どこから出た考えなのか知らないけど、とんでもないわね」
「そうだね」
ニックスの言葉に、ロクサナは黙ってティーカップを傾ける。
ふと子供の頃を思い出した。
幼い頃からアグリチェの子供たちは、家風によって耐性を育てるために毒を摂取しなければならなかった。
甘いケーキや蜂蜜を入れた飲み物などに毒を少しずつ混ぜたりして。
今ニックスを見て、ふとあの時のことを思い出す。
反射的に浅い懐かしさが込み上げてきたが、ただそれだけ。
今この場に一緒にいることが事実ではないという事実は、誰よりもロクサナが最もよく知っている。
「ロクサナ」
その時、優しい声が彼女の名前を呼んだ。
ロクサナは静かに目の前の顔を見る。
「こんなに近くで向かい合ってみると、なぜか変な気分になるね」
本当に言葉通り、ニックスはぎこちない表情を浮かべていた。
人形と呼ぶには、あまりにも躍動感がある。
ロクサナの目が少し低く沈んだ。
彼女も変な気分だった。
このように実際に生きて動くアシルを再び見ることができるとは想像すらしたことがないのだから。
アシルの姿をした人形がロクサナに向かって再び口を開いた。
「うん、そうだよ。ずいぶん前から知っていた人に久しぶりに会ったような気分だ」
その瞬間、ロクサナの唇の間から浅い笑い声が聞こえる。
「人形のくせに人の感情を分かったかのように言うなんてね・・・」
鮮やかな笑みが浮かぶ。
「本当におかしなこと」
ロクサナは椅子にもう少し深く身を寄せる。
「まさかその体だけでなく、魂まで知っていると主張するつもり?」
ニックスが甘い言葉で誘い出したとしても、ロクサナはそれを信じないだろう。
それでも敢えてデタラメを言うつもりなら、それを聞いて嘲笑うつもりだった。
兄の姿をしたニックスとの会話。
今のところ、ロクサナがニックスに寄り添うつもりはなさそうですね。
ニックスの意図も気になるところです!
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