こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は136話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
136話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side ジェレミー・アグリチェ②
「ロクサナは、どこにいるの?」
次の瞬間、耳元に流れ込んだシャーロットの問いにジェレミーが指先をピクピクさせた。
「お兄様は知っているわよね?」
シャーロットの表情は、ジェレミーがロクサナの行方を知っていると全く疑わない顔だ。
それは事実とは違ったが、あえて知らせる必要はない。
ジェレミーは顔には出さず淡々と反応した。
「知っていたとしたら?」
「ただ気になって」
シャーロットはそんなジェレミーを見て「さすが」という表情を浮かべる。
「アグリチェをこんな風にして、今どこで何をしているのかなって」
「アグリチェをこんな風にしたのが、なんでサナ姉ちゃんなんだ?」
ジェレミーの顔が歪んだ。
彼はシャーロットの言葉を否定しなかった。
この時点であえて真実を明らかにしてロクサナに矢を向ける必要はない。
シャーロット、この狡猾な女はどうして分かったのだろうか?
ペデリアンが攻め込む前にラントを首長から引き摺り下ろした時も対外的に名前が上がったのはデオンであり、ロクサナは表に出たことがなかった。
しかし、シャーロットはその全ての背後にロクサナがいるという事実を既に確信しているようだ。
「そうじゃないの?」
「当然違う」
ジェレミーはくだらないことを言うように答えた。
「そう」
もう少し食い下がると思ったが、予想外に淡白な反応だ。
シャーロットはジェレミーの言葉に、ただ分かったかのように頷く。
「ただ気になって聞いてみただけだから。話すつもりがないなら別に構わないわ」
そう言った後、彼女は振り返った。
ジェレミーは彼女の後ろ姿を細目で見つめる。
何と言えばいいのだろうか。
思ったより素直に退かれると、むしろ信じられない気持ちに。
しばらく鋭い目でシャーロットの後ろ姿を見ながら、ジェレミーは席から立ち上がる。
彼の足が向かった場所はシャーロットのいる場所だ。
「・・・!」
シャーロットは急速に近づく気配を感じ、さっと身を向けた。
その直後、彼女は即座に攻撃を躱す。
キン!
長く赤い髪が空中に飛び散り、ジェレミーの手は目標物の代わりに壁に食い込んだ。
「何するのよ!」
反射的に鞭を取り出して叫ぶシャーロットにヤイバのような視線が届いた。
「お前の後頭部を見ると、なぜかイライラしたから」
「はあ?それはこっちのセリフよ」
今度こそシャーロットは表情を歪めて怒った。
「以前からイライラしていたわ。ひよこのようにロクサナの後ろをチョロチョロ歩いていたあんたに。本当に吐き気がする」
ジェレミーが今このように鋭く批判している理由は明らかだ。
とにかく昔から、ロクサナ、ロクサナ。
シャーロットは、幼い頃からロクサナの後ろだけをついていたジェレミーを思い出し、イライラを露わにする。
「お前の理解なんて必要ない」
ジェレミーはシャーロットを鼻で笑った後、再び彼女を攻撃した。
彼女は後ろに退くと同時に鞭を振り回してジェレミーの手を縛る。
その後、シャーロットが皮肉混じりに話した。
「何よ、私が言ったことが違うって言ったのに。今のお兄様は、訳もなく怒っているみたいじゃない」
「違うよ?今日に限ってお前の顔がムカつくだけ」
ジェレミーは笑いながら手を巻き付けていた鞭を過激に引っ張る。
黒い皮に刺さった鋭い芯が彼の手を破った。
しかし、まるで痛みを感じない人のように、ジェレミーの動きには一点の躊躇いも見つからない。
「お前が俺をイラつかせるために嘘を言ったのだから。本当はサナ姉ちゃんのことなんて気にしてもいないのに」
「嘘じゃない!本当にただどこにいるのか気になって聞いただけよ!私があの女を気にしないと思っているの!?」
その瞬間、ジェレミーが腕の速度を落とす。
「お兄様も知っているでしょ?私が幼い頃、あの女に叱られてからどれほど穏やかに過ごしてきたのか!」
シャーロットの悔しさに満ちた叫びには、一見凄まじい思いが込められいた。
よく聞いてみるとその通りなので、ジェレミーは動きを止める。
もちろん、シャーロットの性格は今も昔も変わっていない。
しかし、彼女はいつからかロクサナにだけは無闇に襲われなくなったのだ。
以前はよく彼女に反抗して横で見守るジェレミーを怒らせていたのに。
彼は、シャーロットがロクサナに一度大きく痛めつけられたのだと推測した。
今もジェレミーの考えは同じだ。
臆病者は放っておけばいい。
ところがふとシャーロットの言葉遣いがとても気に障ったのだ。
「ねえ、姉ちゃんへの呼称が「あの女」って何だよ、生意気に」
「あっ!」
結局、ジェレミーに殴られたシャーロットが悲鳴を上げた。
それでも他の兄弟に対する時とは違って、それなりに事情を見てくれた弱い攻撃なのだが。
「ロクサナに全部話すわよ!」
シャーロットが毒気のこもった目を浮かべながら歯軋りをした。
このような姿を見ると、毒蛙のような性格は年を取っても以前と同じだ。
「お姉様がいない間、お兄様がいじけて横暴を振るっていたのか一つ一つ言うわよ!」
告げ口をするほどロクサナと親しい間柄でもなかったのに、シャーロットは公然とジェレミーを挑発する。
彼がロクサナにはびくともしないという事実を知っているためだ。
しかし、その瞬間、ジェレミーはシャーロットの意図とは違う意味で止まった。
彼女の言葉は、ロクサナが再びアグリチェに戻ってくると全く疑わない口調だったから。
もちろん彼女は詳しい状況を知らないから言えるのかもしれない。
でも。
「サナ姉ちゃんが戻ってきたら・・・」
ジェレミーを取り巻く空気が急に少し緩んだ。
シャーロットはもう一度殴られることを覚悟していたが、その考えとは違う彼の反応にむしろ緊張した。
しかし、ジェレミーはシャーロットを懲らしめるつもりがないのか、彼女から手を引く。
彼はさっきより気分が良くなった顔で振り返った。
最初は他の企みがあるのではないかと思ったが、ジェレミーは本当にシャーロットを後にしたまま歩き始める。
「何よ。そのまま行くの?本当に?」
信じられなかったが事実だ。
シャーロットは遠ざかるジェレミーを、疑問と怪しさが入り混じった目で見守った。
しかし、ジェレミーは手についた血を床に落としながら、一度も振り返らずに歩いていく。
それでシャーロットも彼の心が変わる前にすぐ後ろを向いて、さっさと自分の部屋に戻ってしまった。
シャーロットの思いがけない発言でジェレミーも少し元気になりましたね。
ユグドラシルの懇親会にはロクサナも出席するのでしょうか?
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