こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者

14話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 犬と主人⑦
カチャン。
ついにドアが完全に閉まった。
カシスがわずかに顎を上げてこちらを見てきた。
その金色の瞳が私と視線を交わした瞬間、なぜか言葉が喉で詰まった。
もちろん、男性の裸の体を見るのは初めてではないし、目の前の相手がカシスであることも当然初めてではなかった。
先ほど医師が丁寧に処置を施して去っていったが、カシスの傷を手当てするときには私自身も彼の服を脱がせていた。
しかし、その時の私は彼の裸の体に対して特別な感情を抱くことはなかった。
しかし……。
なぜ今になって、こんなにも奇妙な動揺が心をかき乱すのだろう?
さっきまでと周囲の暗さが異なるから?
それとも、何の動きも見せなかったカシスが、今や生気にあふれた動作で私に反応しているからだろうか?
まるで誰かの秘密めいた光景を覗き見ているような気分になった。
燭台の赤い炎が、暗がりの中にいるカシスをひときわ際立たせて見せていた。
その時、カシスがゆっくりと口を開いた。
「……洗わないといけない。」
ささやきに近い低い声が耳元に響いた。
たくましい指が彼の手からぱたりと離れ、鍛え上げられた背中の筋肉がわずかに動いているのが見えた。
「え、ああ……」
私は無意識に答えてしまった。
次の瞬間、はっとして冷静さを取り戻した。
いやいや、たかが上半身裸を見たくらいで、私がなぜこんなふうになる必要があるの?
それに、この変な空気って一体何?
やはり燭台の光をほんのりと明るくしたことが問題だったのだろう。
しかし、ここまで来て再び周囲を明るくした途端、カシスが服を脱いでいることが気になり始めた。
今まで静かにしていたくせに、いざとなると彼がシャツを脱いだとき、光を明るくするのは少し変だと感じた。
もちろん、こんなことを考えてしまう自分自身が、いかにカシスを意識しているかの証拠だともいえる。
私は少し眉をひそめた後、澄んだ声で彼に尋ねてみた。
「この扉の向こうは浴室よ。いつも私が気にしている場所だから、不便だと思うかもしれないけど、浴室だけは別にしておいたの。」
この部屋には小さいながら浴室もついていた。
もちろんその中にあった危険な物はすべて取り除いてある。
部屋が一般的な形状ではなかったため、カシスのいる場所からは壁の別の扉が見えなかったようだ。
彼は私の示した方向に視線を移した。
「これだ。」
その直後、カシスが静かに腕を上げて私に見せてきた。
「鎖のせいで服を着たり脱いだりすることができない。」
ああ、なるほどそういうことか。
手首と足首にしっかりと固定された鎖が、大きな問題ではないにしても、確実に服を脱ぐ際の妨げになっていたようだ。
では今、どうやって服を脱いだのだろう?
そんな疑問を抱きながら床を見つめていた私は、やっとその答えを見つけた。
少し前にカシスが脱いだ服が完全に裂けているような状態だったのだ。
彼のシャツはもともと地下牢での拘束中に乱暴に扱われ、さらに獣に襲われたことによってズタズタに引き裂かれていた。
そのため、今も服をただつかんで破り取るようにして脱いだのだろう。
服を脱ぐときは、そうやって処理すればいいと言わんばかりだったのかもしれない。
とはいえ…。
確かに鎖をつけたままの状態では、腕や脚の間を通して服を脱ぐことが不可能だった。
私は少し考え込んだあと、カシスに提案をした。
「手首と足首の鎖を解いてあげるから、その代わりに首輪に変えるのはどうかな?」
「……。」
カシスは黙り込んだ。
当然ながら、私の提案をあまり好意的に受け取っていないようだった。
私を見る彼の視線は少し鋭さを増したようにも感じられた。
「体に四つも鎖をつけているよりは良いと思うけど。」
もちろん、拘束具はそのまま残るだろう。
しかし、拘束具は抑え込んだ対象の力を制約する道具だった。
特に、攻撃性を示す行動を取る際には動きを制限する機能があった。
一般的な村で使われる拘束具よりも、より大規模な生物を対象とした拘束具のほうが、その強制力はさらに強いものだった。
しかし、過去にサレナとの一件で拘束具が破壊されたことがあり、カシスにもその効果が完全に適用されているのか疑問に思っていた。
今、カシスが拘束具を身に着けているにもかかわらず、私を攻撃するかもしれないという懸念もその一因だった。
とはいえ、反対に言えば、拘束具がカシスに完全な効力を発揮していないのだとすれば、鎖はもはや意味をなさない代物だった。
とはいえ、いくら手首や足首の鎖を外して首輪に替えたところで、結局のところごまかしに過ぎなかった。
しかし、私の立場では何の対策も取らないというわけにはいかなかった。
カシスは何も答えなかったが、その瞳には微妙な光が宿っていた。
もちろん、彼が首輪を好むわけではなさそうだ。
それでも、必要なたびに拘束具の鎖をいちいち外すのは煩わしいと考えていることは明らかだった。
やがて彼は、私にやりたいようにさせるかのように腕を下ろし、私を見つめてきた。
私はすぐにカシスの方へ歩を進めた。
実際、彼の服を準備させる際に首輪を指示しておいたのだ。
服を着る際に鎖が障害になるかもしれない、ということまでは深く考えていなかったが、彼が少しでも動けば金属音を立てるその鎖が耳障りで仕方なかった。
もちろん、私の命令で首輪を準備した使用人が、私をどのような目で見ていたかは……あえて言及しないでおこう。
やはり、まだこの部屋には他の人間を入れるつもりはなかった。
結局、私が直接カシスに首輪を付けなければならなかった。
そのためには必然的に彼に近づく必要があったというわけだ。
カシスもその事実を知っているのか、私の接近を受け入れた。
「不便でも少しだけ我慢して。」
私はカシスと向き合う。
一瞬、彼の視線が私の顔の上をよぎった。
しかし、カシスはすぐに視線をそらし、私を避けるように横を向いた。
もう少しじっと見ていても良いのに、と内心で思った。
私の美貌はこれまで幾度も武器となってきたが、カシスにとってはそうではないのかもしれない。
それとも、彼が他の男性たちのように私に惹かれれば、もっと状況が簡単になるのにと思った。
少しだけ物足りなさを感じつつ、私は手を伸ばしてカシスの首に触れた。
私の手が彼の首に触れた瞬間、カシスの喉仏が小さく動いた。
しかし、それ以外の動きはなく、私は問題なく彼に首輪を付けることができた。
「………」
そして、黒い首輪を身につけたカシスを見つめた。
しかし……
周囲に漂う雰囲気がさっきよりもさらに奇妙に感じられた。
科学的な傷跡に覆われた状態で首輪を付けている青年が、ここにいるとは。
まるで私が変質者になったかのような気分がして、思わず目を細めてしまった。
そして、カシスもまた、私と似たような表情をしているのを見つけた。
私は、カシスの腕と脚に付いていた拘束具を外し、そのうちの一つを首輪に繋げた。
まだ拘束具をつけている状態ではあったが、それでも拘束具が少しでもなくなったことで動きやすくなったのか、カシスは軽やかに手首や足首を動かした。
「この屋敷は迷路みたいな構造をしていて、兄弟の中でも時々迷う者がいるくらいだよ。」
カシスが油断して心を開いてしまうのではないかと心配になり、私は口を開いた。
「アグリチェに初めて来る人は、当然のように出口がわからず、この屋敷の中で迷ってしまうものだよ。」
私がさりげなく発した言葉に、カシスが一瞬だけ視線を私に向けた。
「もちろん私は出口までの抜け道を知っているけどね。」
後ろを振り返ると、金色の瞳が静かに光を放ち、視線が交わった。
私は自分が今どんなことを言ったのか思い返しながら、カシスに向かって微笑みを浮かべた。
「中に入って、身体を清めて。」




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