こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は141話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
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どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
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141話 ネタバレ
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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- カシスの存在
カシスの手が私の耳をくすぐる。
彼の親指が耳元をゆっくりと撫で、もう一つの指は耳の丸い形をなぞるように動いた。
カシスの手の流れる道沿いに何とも説明しにくい野蛮な感覚がこもっている。
本来イヤリングをしていたが、ニックスによって切られた正にその部位だった。
「ベルティウムで私があなたを初めて発見した時・・・」
今は確かに小さな傷跡一つ残っていないのに、カシスはあの日残った血痕を思い出すかのようにその箇所を撫でつけた。
低い声が彼の手の上を横切る。
「もしあなたがあの人形を見てあのような表情をしていなかったら、私は彼をその場で殺してしまったはずだ」
その言葉通り、当時ニックスに向き合ったカシスから噴き出る殺気は凄かった。
一瞬、私まで窒息してしまう感じがするほどに。
「ロクサナ」
カシスが私の目を正面から覗きながら囁く。
「今後、あの人形が君を傷つけることはできない」
揺らぐことなく頑固な音声。
私はカシスがどういう意味で言ったのか難なく気づいた。
「知ってる」
それで私も彼の頬を手で包み込み、躊躇うことなく告げる。
「彼がアシルでないことを知ってる」
単に彼を安心させるために心にもない空言や嘘を言ったわけではない。
「だから心配しなくてもいいわ。私は大丈夫だから」
一瞬でも隙を見せたのは、過去一度でも溢れていた。
だから、二度は決して許さないだろう。
カシスが心配しているのは、私の心を痛めることだと知っていた。
カシスは、実は私にとってどんな存在なのか知っていたから。
アグリチェにいる時、私はいつも私の中に残っている「亜美」を他の誰にもバレないように隠さなければならなかったし、私自身もそれを他人に見せることを望まなかった。
でも今、カシスとはこの全ての感情を共有できた。
その事実が幸いだと思うし、一方では少し嬉しい気持ちもある。
「カシス」
以前はカシスにも私の弱い姿を見せたくなかった。
けれど、今は自然にそのような部分をカシスに表現することができる。
「あなたが来てくれて嬉しかった」
だからといって私が弱くなったのではなく、ただ私はもう私一人で全ての悲しみに耐えなくてもいいという事実を知っただけ。
「ありがとう」
そう囁きながら、そっと頭を傾けてカシスに唇を突き合わせた。
息と息が一つに混ざる感覚が甘い。
私はより深いところに溜まっている息づかいまで欲しがるように彼の香りを深く吸い込んだ。
後ろ足に移ったカシスの手が私の頭を引き寄せる。
すぐ口の奥深くまで彼に掘り返された。
キスをしている間にふと何かを忘れたような気がしたが、それはすぐに比類のない強烈な刺激に押されて消える。
カシスの膝の上にいつの間にか座っていた。
彼が私を引き寄せたのか、それとも私が先に上がってきたのか分からない。
もっとも誰の意志が先であれ、そんなことに何の関係があるというのか。
いつの間にか下に流れたカシスの手が、私の体の輪郭をなぞるように優しく通り過ぎる。
私も彼にもっと近寄った。
「あ」
そうするうちに彼と私の胸が触れ合った瞬間、口から冷たい呻き声が漏れた。
その瞬間、カシスが動きを止める。
今ちょうど私が吐いた音がいつもと少し違うことに気づいたようだ。
接していた唇が離れる。
まぶたを持ち上げると、近くで私を見つめているカシスの瞳が視野に入った。
「いや、これは怪我をしたからじゃないわよ」
カシスの表情は変わっていない。
「本当に違うの?」
彼が再度確認する。
本当に大丈夫なのに、信じないのね。
どうやらカシスは、今私が出した音の音源をベルティウムで負った負傷だと思っていたようだ。
私はさっきより少し固まったカシスの目つきを指でなぞる。
そうするうちに彼を見ながら目尻をそっと折って微笑んだ。
「本当に心配なら直接確認してみる?」
ロクサナがデレました!
弱さを見せることができるカシスの存在は大事ですよね。
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