こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は155話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
155話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 母と娘の本心
シルビアはその時のことを思い出し、眉をひそめた。
カシスは「あの人形は狡猾だから、何を言おうが、どんな態度を見せようが簡単に信じてはいけない」と話した。
彼女の元を訪ねてきて落ち着いた声で説明するカシスの言葉を聞いて、シルビアはすぐにうなずいた。
地下牢で見たニックスの印象は確かに良かった。
けれど、そばにいる信頼できる人々の言葉を無視するほどではない。
自分は子供ではないので、あまり心配しないでと付け加えたかったが、兄には意味がなさそうだったので止めた。
シルビア自身も彼女がまだ他人の保護下にいることを知っている。
だから彼らが自分のことを心配するのも当然だった。
そのように考えて、シルビアはニックスのいる場所を眺めて目を引いた。
「お兄ちゃん、もう夕食を食べるみたい。あっちで用意されているみたいだけど?」
「私たちも行こう、シルビア」
「うん」
カシスとシルビアは彼らが待つ所まで並んで歩く、
背後に広がる広い空に濃い紺色の絵の具が徐々に広がっていった。
「これまでの間どうしてたの?」
このように娘と顔を合わせて会話をするのがいつぶりなのか分からない。
シエラの青い目がロクサナの顔を触った。
その直後、彼女の表情は少し和らぐ。
「顔色はよさそうね」
心配していたのとは違って、ロクサナがこれまで元気に過ごしていたことに安堵する。
「お母様も前より元気そうです」
シエラと同様に、ロクサナも目の前にいる母親の顔を見ていた。
「お過ごしに不便な点はありませんでしたか?」
「いいえ、あなたがあらかじめ細心の準備をしてくれたおかげで快適に過ごしているわ」
お互いの安否を尋ねる変な挨拶が何度か交わされる。
「サナ、あなたは?」
「私も元気でした」
どちらもアグリチェでの最終日やラントの話は口にしなかった。
親子関係なのに、二人の会話には親しみが少し足りないように見える。
だが、シエラとロクサナをよく知っている人なら、今この瞬間二人とも確実に緩んだ雰囲気を漂わせているという事実が分かるだろう。
そばにいるエミリーとベスがそうだ。
彼らはシエラとロクサナの時間を邪魔しないために静かに席を外した。
シエラはロクサナの顔をしばらく黙って見つめる。
彼女は去年の冬、あんな風にアグリチェを去った時からずっとロクサナのことを考えていた。
それでも彼女を探しに行かなかったのは、やはり娘の邪魔になりそうだったから。
しばらくして、再び小さく開いたシエラの唇から小さな囁きが漏れる。
「私は、サナが・・・」
永遠に私を訪ねてこないと思った。
だからもしかしたら、このまま二度と会えないかもしれないと思ったんだ。
しかし、シエラは後に出ようとしていた言葉を飲み込む。
ただでさえ娘の役に立たない母親。
今、心中している言葉を加減なく口に出すのは資格のない愚痴にしかならなかった。
母親になって娘を抱きしめるようなことはできなくても、そのように甘えることはできない。
それに・・・、こうやってロクサナは今、こんな自分に会いに来てくれたのだから。
「私は、サナが無事なら他のことは気にしないわ」
結局、シエラの唇の間から流れ出たのは別の言葉だった。
しかし、それはアグリチェにいた時からずっと抱いていた本心だ。
シエラの言葉にロクサナは静かに母親の顔を見つめる。
何となくこんな瞬間が見慣れないものだった。
それは今彼らが置かれている状況のためでもあり、また今直面している相手がどこか以前と変わったためでもある。
ロクサナはシエラの目つきが以前より一層強くなったことを感じた。
以前は弱い風でもすぐに折れそうだったとすれば、今はどんな強い風が吹いても簡単に折れないように感じた。
「私も・・・」
やがてロクサナが口を開けて囁く。
「お母様が怪我をすることを望んでいません」
シエラと同じく、これもロクサナがとても昔から心に留めていた気持ちだった。
そうするうちにふと、今二人が各自吐き出した真心が非常に似ていることに気づく。
シエラは娘が息子のように死なないことを望み、アグリチェにふさわしい人になることを促し、ロクサナは母親を危険にさせたくなかったため、厳しい言葉で距離を置いた。
しかしある意味では、結局相手の意思とは関係なく各自が望む方式に固執したという点で二人とも利己的に感じられたりもした。
コンコン。
「少々お邪魔します」
その時、ベスがドアを開けて入ってくる。
彼女は茶菓子を乗せたお盆を持っていた。
近づいてきたベスは持ってきたものを小さなテーブルの上に置き始める。
自然にロクサナとシエラの会話も途絶えた。
「お母様」
その間、ロクサナの視線が一度ゆっくりと周囲を見回す。
やがて彼女はさっきから気になっていた部分に対する答えをシエラに求めた。
「私が来る前に、ここに誰か泊まって行きましたか?」
カタ・・・。
その瞬間、茶碗を下ろしていたベスの手がグッと止まる。
しかし、シエラはそのような質問が出ることを予想したかのように、依然として落ち着いた顔をしたまま目の前にいる娘の顔を眺めた。
すぐに固く閉ざされていたシエラの唇が小さく剥がれる。
お互いを傷つけないようにしていたロクサナとシエラ。
これからの二人の関係に期待ですね!
ロクサナはデオンがここに泊まっていたことを知らない?
それとも別の人?
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