こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は168話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
168話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- エスコート要請
昨日と同じく、今日も各家の人々はお互いに交わることなく、別々に昼の時間を過ごした。
おそらく宴会場の中の風景もそれほど変わらないだろう。
やはりホールに入るやいなや混ざらない水と油のように群れをなしている各家の人々が見えた。
特にアグリチェは微かに逆立ちした気運を流している。
去年に冬にあったことを知らない人は今ここに誰もいなかったので、他の家の人たちはそれぞれ頭を突き合わせて潜めながらアグリチェとペデリアンを注視していた。
アグリチェが時々鋭い目つきを送っている対象には、フィペリオンも含まれている。
特に調べる必要もなく、ユグドラシルの入り口で起きた摩擦が原因のようだ。
毒蝶を通じて見たものもあったし、そうでなくても人々の間で既に噂になっていたので、私もそのことを知っていた。
各家門の首長でも出てこれば雰囲気が少し変わるだろうが、彼らもひとまず今はじっと状況を見守っているだけだ。
ジェレミーと私を見つけた人々の表情は明るくなる。
彼らはまるで他の区域の獣たちと領域争いをし、遅れて来た援軍を発見した獣たちのように私たちを激しく歓迎した。
アグリチェの人々の間にデオンはいない。
首を回してペデリアンを見つめた。
カシスは既に私を見ている。
そばでシルビアも私に向かって目を輝かせているのが見えた。
私はしばらく降りると視線を辺りを見回す。
その後、ジェレミーから手を引いた。
彼には既に話していたので静かに私の手を離す。
しかし、そばにいたアグリチェの人々は、離れている私たちを見て、不思議な視線を送ってきた。
私は彼らに微笑む。
「今回のユグドラシルの会合は、5つの家門の親睦のためのものだから、趣旨に合ったことをしなければならないわ」
そう言って私は席から引き返した。
長いスカートの裾が波のように足首を覆う。
突然、私の歩く方向がどこなのか確認した人々の目が丸くなった。
あちこちで息を吸う音が聞こえてくる。
けれど、私はただ自分の前にいる一人だけを見て、揺らぐことなく一歩を踏み出した。
「カシス・ペデリアン」
そしてついに近くで向き合った人を見上げ、彼の名前を呼んだ。
シャンデリアの光を浴びたカシスの金色の瞳がいつにも増して深く輝いていた。
私はゆっくりと腕を上げて、彼の前に手を差しだす。
「今日、私の手を握る機会を差し上げます」
事実上のエスコート要請。
その瞬間、宴会場の中で蜂の群れのような騒音が起きた。
昨冬、アグリチェを直接攻撃したのはカシス・ペデリアン。
それは3年前の彼に行われたアグリチェの極悪非道な行為に対する報復であり、その報復が成功し、現在アグリチェとペデリアンの関係は最悪に突き進むことになったと言っても良かった。
ところが、アグリチェの所属である私がこのように先に彼を選んでエスコートを要請したので、皆が驚愕に値している。
その上、私の態度は少しも縮こまったり躊躇する気配さえなく、非常に堂々としていた。
もし私が動かなかったら、カシスが先に私のところに来ていただろう。
彼と私の関係だけでなくても、ペデリアン側もこのような硬直した雰囲気をいつまでも持続するつもりはないだろうから。
今や人々は息を殺してカシスの反応を待っていた。
その数多くの視線の中でついにカシスが口元を浅く引き寄せ、手を上げて丁寧に私の手を覆う。
続いて低い声が静かな宴会場に響いた。
「この上ない光栄です、ロクサナ・アグリチェさん」
手の甲を覆った手袋の上に、すぐに熱い唇の烙印が押された。
「この上ない光栄です、ロクサナ・アグリチェさん」
カシスの受け入れが落ちるやいなや、宴会場内でさらに大きな騒ぎが起きた。
カシスがロクサナの手を取り、礼を尽くして手の甲にキスをする。
その後、二人は手を取り合ったまま一緒に動いた。
一連の過程は水の流れのように自然だ。
「え?」
多くの家門の中でも特に驚いたのはアグリチェ。
「これはどういうことだ?」
「なぜロクサナはペデリアンにエスコートを申し込んだの?」
しかし、彼らの混乱混じりのざわめきは、ジェレミーが氷のような声で詠んだ瞬間、一気に消えた。
「みんな口を閉じて。お前たちが雰囲気を把握できずに、ずっと闘犬場の犬の群れみたいに騒いでいるから、サナ姉ちゃんが出たんだよ」
すると彼らもそれぞれ気にしている部分があるのか、ひとまず静かに口をつぐんだ。
けれど、実はそう言うジェレミーの内心もそれほど穏やかではない。
今すぐにでもカシス・ペデリアンとロクサナの手を離したくて体がむずむずしていた。
それでもこれ以上衝動的な感情に巻き込まれて分別なく行動するつもりはない。
昨日、ジェレミーとロクサナに二人は実に久しぶりに再会し、一緒に長い会話を交わした。
そしてロクサナが低い息づかいを吐きながら彼の手を握った時。
『今までお疲れ様、ジェレミー』
その一言で、ジェレミーはもう他のことは何でも構わないと感じた。
もちろん、そもそも彼はロクサナを恨んだことなど、一度もなかったが・・・。
これまで心の中で知らずに溜まって錆びた感情が、その瞬間全て溶けてなくなるようだった。
ロクサナとカシスの公式の場での再会。
これをきっかけに、宴会場の雰囲気は変わるのでしょうか?
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