こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は170話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
170話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 他人行儀な話し方
あちこちから執拗で密な視線が飛び込んできた。
ロクサナとカシスは宴会場を横切って視線を遮る。
こっそりと首を回して離れてきた場所を確認すると、いつの間にか向かい合って立っているジェレミーとシルビアの姿が目に入った。
それがとても意外だったのでロクサナは少し驚く。
しかし、彼を筆頭に他の人々も他の家門と少しずつ混ざって付き合い始めた。
宴会場内のテーブル構成は、昨日とはハッキリと違っている。
昨日の夕食会の時は長いテーブルを一列にして各家の人々が群れを成して席を取っていたが、今日は丸い小さなテーブルをホールの中にぎっしりと配置し、最大4〜5人が一堂に話せるように空間を構成されていた。
カシスとロクサナは、その中の一つに移動する。
カシスのエスコートを受けたロクサナが先に椅子に着席し、その後カシスが彼女の向かいに座った。
「ユグドラシルまでの道は平安でしたか?」
カシスがまずロクサナに尋ねる。
依然として周りに聞く耳と見る目が多かったため、彼らは普段とは違う話し方で会話を続けた。
一定の距離感を置いた態度と表情、そして礼儀で。
しかし、ロクサナに向けられる目つきから温もりが感じられるのは間違い無いだろう。
「心配してくださったおかげで楽でした。青の貴公子も順調な旅だったのでしょうか?」
「いつもより長い日程になりそうで心配する気持ちもありましたが、最初の予想より順調でした」
ユグドラシルまで向かう途中、お互いに他の問題はなかったかを確認する質問。
落ち着いたカシスの返事を聞いて、ロクサナはさっきテラスにいた時、彼が送った信号が思った通りの意味であることを確認した。
(やっぱりベルティウムとは遭遇しなかったのね)
その時、食事の世話をする人たちが二人が座ったテーブルに来て食器と水杯を置き始める。
「今日の昼にユグドラシルに着いた時、部屋のテラスに出ていらっしゃるアグリチェさんを偶然発見しました」
彼らに何気なく短い視線を投げかけたカシスが、再びロクサナに向かって口を開いた。
「昨夜降っていた大雨が止んだので、しばらく風に当たりに出ていました」
「ユグドラシルには早く着いたようですね」
「ペデリアンより二日くらい早かったと思います」
カシスはロクサナがユグドラシルにいつ到着したのか気になっているようだ。
ロクサナは置かれたコップに手を伸ばす。
「懐かしいご家族とはお会いしましたか?」
その瞬間、コップを持ち上げていたロクサナの手が止まった。
懐かしいご家族。
ジェレミーのことかな?
それとも・・・。
ロクサナはしばらく言葉を選び、向かいに座ったカシスの目を静かに覗き込む。
「懐かしい人も、そうでない人にも会いました」
真珠を削って作ったような白い指がグラスにゆっくりと触れる。
「そのうちの一人はペデリアンと先に偶然会ったようですが・・・。もしかし彼が無礼を犯していないか心配ですね」
デオンとカシスが会ったことは知っていた。
その上、デオンは先日までロクサナとカシスが一緒にいたという事実に良い反応を見せなかった。
だから、もし彼がカシスをはじめとするペデリアンの人々に危害を加えたのではないかと心配になる。
昨日見たデオンの態度を考えると、少なくともカシスとは直接対決したとしても全然おかしくないだろう。
一応、表向きにはカシスにこれといった外傷は見られないが、もしかしたら彼の治癒力ですでに回復したのかもしれない。
もちろん、カシスが簡単にやられたと思わなかった。
しかし、アグリチェの特性上、デオンは暗殺に長けている。
そのような状況で、さらにカシスには守らなければならない人々までいたので、傷一つもなくデオンを追い出すのは容易ではなかったかもしれない。
ロクサナはそのような疑念を抱いてカシスを見つめた。
カシスはロクサナの心を見抜いたようだった。
「そうですね・・・」
やがてカシスの端正な唇から、その正しさとはどこか遠い感じを漂わせる声が漏れる。
「今仰った意味の欠礼なら、むしろ私が及ぼしたのではないかと思いますが」
思いがけない言葉に、グラスの上を徘徊していたロクサナの指が止まった。
カシスを見つめていた彼女の赤い瞳が、ビックリしたかのように少し大きく開く。
今なんて?
欠礼をしたのがデオンじゃなくてカシス?
じゃあ、まさかカシスが先にデオンを攻撃して被害を与えたということなのだろうか?
しかも、今のようなカシスの反応は初めてで、何か不慣れで新鮮だった。
「そうなのですか・・・?」
なんとなく戸惑った気持ちで言葉尻を曇らせ反問すると、それをどのように受け入れたのか、カシスがロクサナを注視していた視線を微細に沈める。
「避けがたい状況ではありましたが、そこに私の意志がなかったと言えば嘘になりますから。このことで私を責めたとしても理解できます」
ロクサナは瞬間的に言葉が詰まるのを感じながら、カシスの顔と向き合った。
シャンデリアの明かりの下で、彼の顔はかつてないほど清らかに輝いている。
お互いに他人行儀な話し方をしているロクサナとカシスが新鮮です。
他の家門の人々から見れば、二人は面識の少ない関係だと思われているから、いつものような喋り方だと困惑しますよね。
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