こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は173話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
173話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 花園のお茶会
ニックスがいる部屋から抜け出したロクサナは、再びドアノブにあるロック装置を元の状態に戻した。
この程度はアグリチェで食事をするようにしてきたことの一つだったので、それほど難しくもない。
最後のロックをして手を下ろしたロクサナの目つきは冷たく沈んでいた。
先ほどニックスに言った言葉は嘘ではない。
確かにデオンはこの中に入って出てきた。
ロクサナは毒蝶の合図でそれを知り、先に宴会場から抜け出してきたのだ。
しかし、彼女が来た時、すでにデオンは消えた後。
その後、彼はどこに行ったのかは知らない。
ユグドラシルの中でロクサナが使える蝶はあらかじめ取り出して隠してきた数匹だけで、それさえも能力をまともに引き出すことは出来なかったため。
せいぜいニックスを閉じ込めた部屋に植えた蝶を通じてデオンの侵入の知らせを知ったのが全て。
宴会の最中だったので近くを徘徊する人がいなかったのと、堅固なロックを信じてドアの前を守る人を置かない警備隊の安易さがデオンとロクサナの出入りを許容したのだ。
再会したニックスは、わずか数日でかなり疲れ果てた顔だった。
カシスが言ったように、彼はデオンの存在に気づいたようだ。
アシルの肉体に残っていた反作用のようなものと見るべきか。
それとも脳に残っていた記憶の残像なのか。
簡単に説明しにくいことだったが、ニックスのあの反応は本物だった。
アシルの顔をしたまま、デオンの名前に不安を感じるその姿が心を歪め、ロクサナは公然とニックスに不快な気持ちを表出してしまう。
それにニックスを見に来たデオンの行動もロクサナの神経を掻いた。
この二人が会うことはまだ想定していなかった状況であるだけに、密かに神経が尖っていた。
さらに、デオンとニックスだけが問題ではなく、今はユグドラシルの中でデオンとカシスが出会うことまで念頭に置かなければならない。
廊下の窓ガラスに映ったロクサナの赤い目が冷たく輝いていた。
彼女はさっき宴会場で見たカシスを思い出し、落ち着こうとする。
もっと長く一緒にいたかったのに。
今また宴会場の中に入ってもおかしくなるだろう。
初日からカシスと二人きりで宴会場を早く抜け出すのはあまりにも滑稽な絵で、さっき外に出たのはロクサナだけ。
仕方のないことだと分かっていながらも、物足りなさが染み込んだ。
ユグドラシルに来るまで当たり前のように一日中くっついて一緒に時間を過ごしたので尚更だった。
でも・・・。
やっぱり今は優先すべき他のことがあったから。
ロクサナは消えたデオンの位置を把握するために、他の人たちが宴会場に集まっている隙を狙って蝶一匹を闇の中に吹き飛ばした。
翌日の午後2時頃。
ユグドラシルのバラの花園には昨日とは違う活気が漂っていた。
昨日の夕べの宴会以来、緊張感が解けた5つの家門の人々の一部が外に出てお茶会の時間を持ち、対話の場を開いていたためだ。
「こんにちは、ペデリアンさん」
「またお会いしましたね、黒の首長」
ジェレミーとシルビアもそこに属していた。
ジェレミーが先に礼儀正しく挨拶をすると、シルビアもそれに笑いながら応える。
煌めく長い銀髪を綺麗に垂らし、ペデリアンを象徴する青いドレスと髪飾りで飾ったシルビアは、ユグドラシルに集まった人々の中でも目立って美しかった。
今、花園で開かれたお茶会は、同年代の若い世代が主に参加している。
そのため、シルビアに好感を示し、接近する人も多かった。
ましてや、先ほどまでシルビアのそばには彼女の兄であるカシス・ペデリアンまでいた。
そのため、彼らの周辺には人が絶えない。
そうするうちにカシスがしばらく席を外し、周囲に留まっていた人々もちょうど去った時、誰かが彼女に挨拶をしながら向かい側に座った。
それがまさにジェレミーだ。
昨日も宴会の時間を一緒に過ごしたせいか、二人の間には比較的ぎこちなさが少ない。
微笑むシルビアを見ながらジェレミーも口元を引き上げる。
しかし、今、彼の頭の中に浮かんだ考えはやや不遜だった。
(やっぱり青の犬にそっくりだね)
そのためか、このようにじっと見つめているだけでも、自ずと非情が傷つく。
けれど、ジェレミーはこれ以上、以前のように本音を加減することなく露骨に表出す情けない行為はしなかった。
ペデリアンとこのように距離を縮めるのがロクサナの意志なら、ジェレミーもやはりどれだけ気分を害してもじっと我慢して彼女の意に従う覚悟ができていた。
「昨夜は安らかな時間を過ごされたでしょうか?」
「おかげさまで気持ちいい夜でした」
家門を象徴する黒い礼服をスラリと身に纏い、椅子に緩く寄りかかって座ったジェレミーは、一匹の黒豹のようだった。
ロクサナの前ではそれこそ純粋な表情を浮かべる彼だったが、他の人の前では話が違う。
その上、漆黒のように真っ黒な髪の毛の下に現れた濃い目つきや、時々口元に描く笑みが特に魅力的でジェレミーをチラリと見ながら眺める人も相当数いた。
デオンの登場はロクサナも想定外だったようですね。
次にデオンと出逢ったら、ロクサナは何をするのでしょうか?
ジェレミーとシルビアの会話も気になります!
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