こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は208話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
208話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 秘密の会談④
ジェレミーはバドリサをしばらく黙って見つめた。
ロクサナはガストロに悪感情を持っておらず、むしろバドリサ・ガストロには好意を抱いている方だと話している。
ジェレミーの目には確かに彼女ほど珍しい人はいなかった。
それでジェレミーとロクサナは一緒に決定を下す。
「赤の首長が最初から私のことを気に入らなかったということを知っています」
小さく開いたジェレミーの唇から低い声が流れる。
「アグリチェ自体に対する反感のためだということ十分に理解していますし、私もそのアグリチェの人であることを否定するつもりはありません」
柄を持った方がアグリチェだと思っているからか、バドリサはジェレミーの長い言葉を止めずに黙って聞いてくれた。
しかし、相次いで鼓膜に食い込んだ音声に彼女は微かに目を震わせてしまう。
「ただ、アグリチェが崩壊する直前、首長だったラント・アグリチェが子供たちによって既に失脚していることをご存知ですか?」
今、ジェレミーと取引を進めている姿だけを見ても分かるように、そもそもガストロは裏工作のようなものとは程遠い。
だから今ジェレミーが話すアグリチェの内部事情も初めて聞くのだった。
さらに、ラント・アグリチェが下剋上を受けたなんて、信じ難いことだ。
「私たちは確かにアグリチェで生まれ育った父の子供たちですが、今のアグリチェを維持している私たちの兄妹と父親の間には、以前からかなりの理念的違いがありました」
ジェレミーは落ち着いて話し続ける。
心にもないし、また似合わないことを言おうとすると、とても体が痒くなってしまうが、この程度の包装は必要なことだった。
「私がアグリチェを守るために他の首長の前で頭を下げたことを覚えていると思います」
そして続いた言葉はバドリサの声を高めるのに十分だった。
「そこまでした理由は、私たち姉弟なりの信念を守るためでした」
「信念だって?」
ジェレミーが詠んだ言葉がどうも不慣れに感じられ、彼女は思わず反問してしまう。
こんなことを言うとは一度も想像できなかった対象の口から流れ出た音だからだろうか?
他の誰がこのようなことを言っても、今のように驚くことはなさそうだった。
バドリサの反応にもかかわらず、ジェレミーは声にさらに力を入れる。
「私と他の兄妹は、今までと違うアグリチェを作っていくことを願っています」
バドリサは奇怪な姿を見る目でジェレミーを見た。
それは隣にいたリュザークも同様だ。
リュザークは予想できなかった家門の真実に衝撃を受けていたが、ジェレミーの口から出る意外な言葉を聞いて、何とも言えない表情を浮かべてしまう。
「これから私たちが歩む道は、父が歩いた道とは全く違うでしょう」
しかし、ジェレミーの顔は真剣で、彼の言葉にも否定できない真正性が込められていた。
バドリサはそれを見抜いて言葉が詰まるのを感じてしまう。
「ガストロの件もアグリチェが蒔いた件なので、アグリチェで刈り取るのが当然だと思っています」
彼女の目の前にいる青年の顔が、さっきより少しハッキリと目に入ってくる。
バドリサが軽蔑したラント・アグリチェのような髪を持つ若大将。
しかし、彼の両目はラントとは全く違う清明な光を帯びていた。
「ですので私たちが提案しようとするのは・・・」
今彼女が聞いている内容も、やはり相手がラント・アグリチェだったら想像もできなかっただろう。
「麻薬ではなく、その解毒剤をガストロと取引してほしいということです」
それでジェレミーが彼女の目を覗き込みながら提案した瞬間、バドリサは心臓がドキドキするのを感じてしまった。
「解毒剤があるというのか?」
このような場で感情を表すことが自分の元手を完全に表すことであることを知りながらも、リュザークは急いで問い返すしかなかった。
リュザークがそうでなければ、バドリサが同じ反応を示したに違いない。
「外部には徹底的に秘密にしていますが、本来アグリチェで改良して商用化したすべての薬には解毒剤があります。そもそも万が一の事態に備えて同時実験を行うからです」
その後、ジェレミーは少しぼやけた表情を見せた。
「この前見せた私の不明な態度は申し訳なく思います。冬のことでアグリチェ内部の全てがかなり壊れたので、まだ生えてきた薬草の苗を新しく植え替えたばかりなんです。それで、必要なだけ解毒剤を再生産できるか最終的な確認が必要でした」
前回、バドリサとリュザークが不快に思っていたジェレミーの態度は、すでに一つも重要ではなかった。
「そして先日アグリチェに送った者を通じて最後に確認してみた結果、今この場で確答できるようになりました」
ジェレミーが提案したのは麻薬の解毒剤。
これでガストロ家はジェレミーに対して一生返せない恩が生まれましたね。