こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は213話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
213話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 彼女のために
ロクサナはアグリチェを嫌悪し、その枠内にある全てのことを否定しようとしている事実をデオンは知っていた。
これまで彼女の後をあれほど執拗に追ってきた彼が、どうして分からないだろうか。
しかし、矛盾だった。
そんなロクサナも、結局はアグリチェだったこと。
ユグドラシルに入ってロクサナを見守っている間、彼女の意中はデオンの手にすぐにでも捕まるように鮮明に現れた。
どんなに清い青に似たくてそれを真似しても、結局その本質は他のどんな色にも染まらない黒。
結局はロクサナもやはりアグリチェの方式が最も合理的だということを、どうしても否定することはできないのだろう。
『デオン、もう私はあなたがいらない』
『あなたの使い道はもう終わったわ。だからこのまま何もしないで、私の目立たないところで大人しくしていて』
『それが私の最後の命令よ、デオン・アグリチェ』
デオンの魂を引っ込めた言葉が突然再び脳裏に浮かんだ。
すると、それを激しく否定しようとする欲望が再び凶暴に心臓を震撼させた。
「デオン・アグリチェ」
まさにその時、デオンの精製されていない感情を誰よりも最も荒々しく引き出す対象の一つが目の前に現れる。
割れた光が点滅するような赤い目が、標的を貫通するように動いた。
視界に入ったのは夕日に染まった銀色の髪を風に舞っている男。
カシス・ペデリアンを見た瞬間、デオンの中で一時も消えたことのない殺意が降り始める。
同様に、氷害のように固く凍りついたカシスの瞳がデオンに刺さった。
「やっぱりお前の仕業か?」
冷たい問いかけがデオンの鼓膜をかき落とす。
目の前の大敵者に直ちに駆けつけてこの場を血で染めることもできたが、デオンはそうしなかった。
代わりに彼は冷ややかな声で反問する。
「何を?」
「ベルティウムの腹心を消したこと。そして先日、ガストロの宿舎に火をつけたこと」
デオンの顔には一片の変化も現れず、彼の表情からは望むことがわからなかった。
そうするうちに、ついにゆっくりと開いたデオンの唇から漏れた言葉が棘のようにカシスの耳を閉じる。
「質問の相手が間違っているのではないか?ロクサナに聞いてみたらどうだ?」
デオンに向かい合った黄金色の目に、一瞬鋭い光が明滅した。
「話を変えるな。今この状況でお前の口からロクサナの名前が出る余地が少しでもあると思う?」
「ロクサナがしたことではないと確信しているようだ」
「彼女がしたことではないから」
今度はデオンの表情が歪む。
カシスは現象の本質をよく見抜いていた。
しかし、彼の揺るぎない目つきに向かい合う間、デオンの心は徐々に捻れ始めていく。
「そうだね、ロクサナが直接したことではない。しかし、彼女が望んだことだったとしたら?」
その言葉にカシスは氷のように冷たい冷笑を噛み締める。
「どこまで犬の鳴き声を喋るつもりなのか気になるのだけど、私はそんなに暇ではない、デオン・アグリチェ」
デオンはしばらく冷たい目でカシスをじっと見つめる。
そうするうちに何を確信したのか、やがてデオンの唇が鋭い曲線を描く。
「やっぱりロクサナに必要なのは私だ。カシス・ペデリアン、お前ではない」
カシスの表情にヒビが入る。
「彼女について最もよく知っていることも、彼女のそばにいる資格があることも私だ」
そしてついにデオンが当初カシスが聞いた内容に答えた瞬間。
「そう、私がしたことだ。ロクサナのために」
カシスの体から揺らいでいた勢いが変わった。
次の瞬間、空気中に微かに流れていた花の香りが一層濃く鼻先を刺した。
溶けていくような赤い夕焼けがデオンの視界に溢れ出るように満ちていく。
夕暮れに半分くらい食べられたカシスの顔が、その色彩とは全く違う氷の結晶のような温度を含んだままデオンを見下ろしていた。
「ロクサナのためだって?」
一気に捕まった胸ぐらに首を絞められる。
デオンはカシスによって担ぎ込まれるように激しく押し出され、花の茂みの上に身を押さえつけられていた。
騒ぎに耐えられず落ちた葉と花びらが濃い香りを含んだまま一瞬負傷したが、すぐに風で小さく舞い散っていく。
「そんなうわ言を、今あえて君の口で喋るのか?」
割れたガラスの断面のように鋭く荒い目つきが濃密な空気に入り混じって降り注いだ。
デオンは冷えた目でそれに向き合う。
「一体何がロクサナのためだというのか」
ロクサナの目指している世界にデオンは不要だと思うのですが・・・。
ガストロの火事事件もデオンが犯人だったのですね。
ロクサナも気づいている?