こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は221話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
221話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 脱走⑥
事実、シルビアがユグドラシルに来て一人で自分の人生を振り返り懐疑感を感じたのとは異なり、彼女もこれまでペデリアンでひたすら温室の中の草花のように保護だけを受けながらのんびりと過ごしてきたわけではなかった。
当初、家族が彼女を多少保護した理由が理由であるだけに、もしもの状況に備えて護身術をはじめ各種武術などもかなり色々な種類を学んだと自負することができる。
もちろん、これまではそのようなことを実践で使うことは全くなかった。
そのため、このようなやり方で不意打ちを食らってそれに対処するのも初めてのこと。
それで、さっきもぼんやりしていてニックスに捕まったことに少し意気消沈していたのだけど・・・。
ところがカシスはそんな自分をむしろ褒めてくれた。
シルビアが知っている彼女の兄は、絶対にお世辞を言うことはない。
だとしたら、今彼が言っていることは、本当にカシスの本心だという意味だ。
シルビアの顔に明るい生気が立ち始めた。
彼女は目を輝かせて再びカシスに確認する。
「私、本当に上手だった?」
「そうだよ。もし他の人があなたの代わりにあのような状況に置かれたとしても、きっともっと上手くやり遂げられなかっただろう」
「カシスの言うとおりだ」
いつの間にか近づいてきたリセルとジャンヌもシルビアの背中を撫でて肯定した。
「あなたがベルティウムの人形を直接相手にしたなんて、驚きだね。私もあなたの年齢の時にあんなに毅然と対処できなかっただろう。とても立派だ」
「ええ、シルビア。知らせを聞いて驚いて走ってきたけど、あなたがあの人形を制圧したんだって?すごいわ」
最近娘の気持ちがずっと沈んでいたことを知っているので、わざともっと力を入れてあげた。
その効果はかなり大きく、シルビアは彼らの惜しみのない褒め言葉を聞いて、しばらく憂鬱だった気分が全くなかったことのように再び明るく笑うことができるようになった。
ロクサナは庭を出てゆっくりと表情を固めた。
ジェレミーはロクサナと彼の後を追うアグリチェの人々の方を振り返り、口を開く。
「言いたいことがあれば言うか、それとも目に見えないところに行くか」
すると、口が痒くてたまらないという顔をしていた彼らがサッと口を開いた。
「さっき会った人がアシルって、どういうこと?」
「もうずいぶん前に死んだはずだろ?」
「さっきのがベルティウムの人形って?」
ロクサナとジェレミーはしばらく視線を合わせる。
意見を求めるジェレミーの目つきにロクサナはうなずいた。
どうせ少し前に庭での件でもあるんだし、今は彼らにもニックスについて知らせる時が来た。
おそらく他の家門の首長たちも、今頃あったことを説明しているだろう。
「中に入りましょう。話してあげるから」
庭にいた人たちだけでなく、他の部屋にいた異母兄弟たちも全員呼び集めた。
その後、ベルティウムの人形について簡単に説明する。
「本当にあれがアシルの死体だって?」
「じゃあ、これまで廃棄処分された奴らは全部棺桶に載せられてベルティウムに送られていたの?」
「お父さんおかしいの?」
これまでアグリチェで見て育ったものがあるから、今更ラントに裏切られた気持ちを感じることはなかった。
しかし、この間からラントに対する敵意を密かに蓄積していた兄妹たちは、この新しいニュースにびっくりしている。
死んだ異母兄弟たちの死体をベルティウムに送り、正体も分からない実験に使っていたとは、忌まわしいことを感じざるを得なかった。
ただ、中にはベルティウムの人形術に関心を示す者も。
その中で特に思想が健全でない奴らは、ベルティウムの人形術を学んで自分の死んだオモチャと剥製品を生きて動かせたいといううわ言を言ったりもした。
もちろん、彼らはジェレミーが目つきを光らせると、すぐに口に糊を塗ったように閉じたが。
ロクサナはその機会を逃さず思想改善が必要に見える異母兄弟たちに注目しておいた。
そんなロクサナがゆっくりと口を開く。
「ベルティウムの人形術がそんなに気になるなら、今からでもノエル・ベルティウムの部屋に行ってみたらどう?」
気怠い声が騒然としていた部屋の中に垂れ下がる。
寄りかかっていた椅子の肘掛けの上に置かれたロクサナの手が小さく動く。
長い爪がトントンと肘掛けを叩く音が低い声の上に重ねられた。
「望むなら、君たちに人形術を直接体験させてほしいと私から言ってあげることもできるわ」
まもなくロクサナの顔に寒気がポタポタ落ちてくるような冷たい笑みがかかる。
「そのようにあえて第二、第三のアシルになりたいのなら」
その美しい笑顔を見て、その場にいた皆が一瞬で凍りつく。
「直接生きて動く死体になってみることほど人形術について深く探求できる良い方法はないと思うけど、みんなそれに同意しないの?」
シルビアの気分が少し晴れたようで良かったです。