こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は231話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
231話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 複雑な感情
「生意気に」
ロクサナの顔に白い花のような冷たい笑みが咲く。
やはり気分が悪くなった。
火炎に包まれた建物を目の前にした時と同じように、魔物が黒くうようよと群がるのを見ると、中から蠅な生臭いにおいが漂ってくる。
何とかして目の前に広がる現象を全面的に否定せずには到底耐えられそうになかった。
デオン・アグリチェはどこかで自分を見ているに違いない。
先日の夜、ロクサナがユグドラシル近くの魔物生息地に立ち寄った時と同じように。
その時、彼女は外に持ってきた呪術石を利用して近くにある魔物たちをユグドラシル前の生息地に呼び入れた。
そんなロクサナの姿を見て、デオンはやはり私の考えが間違っていないと言って喜悦したのだろうか?
ロクサーナはため息をつくように苦笑いした。
ファアアアッ!
彼女はしばらくの間まともに使うことがなかった殺戮の蝶をすべて呼び寄せる。
ユグドラシル一帯に赤い嵐が吹き荒れた。
その頃には建物の中にいた人たちも外の異変を感じて驚いていた。
しかし、それがロクサナがしたことだという事実を知っている人は極めて少数に過ぎない。
ファアアッ!
巨大に体を膨らませた赤い獣が、距離を縮めて走ってくる魔物の群れを凶暴に飲み込んだ。
今、ロクサナがやろうとしていることは、デオンの期待を正面から無残に打ち砕くことに他ならなかった。
蝶たちが乱暴をするほど、体から気力がどんどん抜けていく感覚に。
それでも以前とは違って、毒蝶を制御するのが難しくはなかった。
これはきっとカシスのおかげだろう。
数匹の蝶はユグドラシルの周りに散らばっている呪術石の血のにおいを追って動いた。
一部はロクサナの毒蝶に発見される前に破損していた。
カシスと彼の命令で動いたペデリアンの部下たちがしたことだ。
ユグドラシルに向かって近づいてきた巨大な波が静かに沈むまで、それほど長い時間はかからなかった。
建物の中にいたほとんどの人は、外で起こった正確な事件を知らずに、ただ一帯をひっくり返した奇異な赤い嵐についてだけうるさく話した。
ロクサナは暗闇の中で目を覚ます。
彼女がいる場所は建物の中ではなかった。
雨に濯れた草の葉の匂いが濃く漂うのを見ると、ユグドラシルの境界の外にある森やその近くのようだ。
ロクサーナは誰かの胸に抱かれていた。
「カシス」
静かに名前を呼ぶと、少し冷たい手がロクサナの頬に触れる。
横顔を浅くこすり、ゆっくり頬を擦る動きが慎重で柔らかかった。
最後に彼女に向かって走ってくるカシスを見た記憶があり、今彼と一緒にいることが意外に思えなかった。
月明かりに青白く染まったカシスの顔が薄暗い覗野に入ってきた。
近くで見ると、彼の瞳が低く沈んでいるのが感じられた。
「私は長い間眠っていたの?」
しばらく状況を把握して、声がかすんで聞いてみると、ずっと固く閉ざされていたカシスの唇がついにゆっくりと開いた。
「いいや、雨が降って日が旱く暗くなっただけだよ」
優しい手とは裏腹に、索漠とした声。
ロクサナもそれを感じた。
しかし、そぶりを見せずに手を上げ、頬に触れたカシスの手を優しく覆う。
「・・・こうしてると昔のこと思い出すね」
ふと思い出した昔の記憶に、ふと笑みが浮かんだ。
昨年の冬、ペデリアンに向かう途中、このようなやり方でカシスの世話を受けたことを思い出した。
また、数年前にアグリチェで血を吐いて倒れた彼女をカシスがこのように抱いてくれた記憶も思い出した。
まだ小雨が降っているのか、水滴が落ちる音がかすかに聞こえる。
今、ロクサナとカシスがいるところは、生い茂った木の葉がつるのように絡み合って、まるで洞窟のような形をしたところ。
そのため、彼らには雨が届かなかった。
カシスがロクサナを連れてここに来たのは、ユグドラシルの外が治癒能力を使いやすいため。
2人はわずか2時間ほど前、ユグドラシルの結界付近で起きたことを別に口を開いて話さなかった。
しばらく静かな雨音だけが彼らのいる空間に溶け込んだ。
「本当は、あなたももう知ってるよね?」
そうするうちに、先に沈黙を破って口を開いたのはロクサナだった。
「今日、ユグドラシルに魔物を呼んだあの石、もともと私が持ってきたの」
「・・・」
カシスの表情に変化は見られない。
「だから以前もそうだし、実は今こうしているの。全部私の自業自得なわけなんだけど」
長い金色のまつげがカシスの指をくすぐりながら、なみなみと舞い降りたが、再び持ち上がった。
ロクサナは頭を傾け,カシスの手に顔を少し深く寄せる。
「実は聴聞会でもね。あなたが私をかわいそうに思ってくれることを願って、わざとそんな話を切り出した理由もあったわ」
気弱な気持ちだった。
昔ならきっと嬉しくないと思っていたはずだ。
しかし、今はカシスが自分をかわいそうに思って同情するのも悪くないと思った。
カシスに自分を気の毒に思う気持ちがあるなら、これから何が起ころうとも自分を簡単に見捨てることはできないだろうから。
ロクサナは向かい合った目を見上げ、ささやくように尋ねた。
「私がこんな人だから軽蔑する?」
カシスは何も言わずにロクサナを見下ろしている。
この複雑な感情を何と定義して言うべきかは分からなかった。
ただ、自分に腹が立ったり、すでに死んでしまったラント・アグリチェに腹が立ったりもした。
そして、ほんの少しぐらいは、今目の目の前にいる人に怒っているような。
しかし、ロクサナに向けられたのは、それよりは他の種類の感情が圧倒的に大きかった。
魔物の襲撃は無事に鎮圧されましたね。
ロクサナの問いに、カシスは何と答えるのでしょうか?
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