ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜

ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜【230話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。

今回は230をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!

アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。

そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。

その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。

アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。

最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。

ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。

シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。

カシス・ペデリアン:シルビアの兄。

ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。

アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。

ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。

シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。

デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。

シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親

マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。

エミリー:ロクサナの専属メイド。

グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。

ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。

リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。

ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者

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230話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 魔物の群れ

「ニックス」

その時に現れた誰かだ密度の高い空気を壌さなかったとすれば、おそらくニックスはそのまま窒息したかもしれない。

小さな足音を立てて近づいてきたのはロクサナだった。

彼女は直前までニックスの視界にいた男と同じように黒い服を着ていて、またそれに劣らない冷たい赤い瞳で彼を見ていた。

しかし、ロクサナを目にした瞬間、ニックスは砂漠で一滴の雨を味わったような気分に。

ロクサナの視線が廊下の突き当たりに立っている人に滑った。

2組の赤い瞳が空中で向き合う。

ニックスに向かう間、ずっとぬくもりなく凍っていた男の顔に徐々に温度が入り始めた。

しばらく微動だにせず立っていたデオンが、ついに暗黒の中に染み込むように消えていく。

「なんで震えてるの?」

その空席をしばらく静かに凝視していたロクサナカがニックスに覗線を動かした。

ロクサナの顔は表情なしに冷たく、ニックスの耳に触れた音声も同じだ。

「どうして彼を恐れるの?」

感情を完全に除去した声。

そのためか、それはデオン・アグリチェを少しも恐れる必要がないという慰めのように感じられたりもした。

もちろん、ロクサナの言葉はそのような優しい慰めの意味では絶対にない。

「勘違いしないで、ニックス。それはあなたの感情ではない」

ロクサーナは氷より冷たい声でニックスが感じた恐怖を否定した。

驚くべきことにその言葉は今までロクサーナ・アグリチェがニックスに言ったどんな言葉よりも、彼の心臓を痛切にむせびせた。

「私の前でそんなふうに分かる真似をするな」

ニックスは、冷たく詠むロクサナの顔を、さっきより一層茫然とした気持ちで眺める。

「憎たらしくて気持ち悪くて殺してしまいたくなるから」

・・・おかしかった。

大会議場で見たノエルも変なのは同じだったが、それより自分がもっと変だった。

いつからかこの女のことを思うと妙に胸がひりひりした。

しかし到底その理由が分からない。

静かにそばに待機して立っていたペデリアンの腹心が再びニックスを引っ張った。

ニックスはよろめきながら彼について歩く。

目が合うとまた胸が痛くなりそうで、背後にいる女性を振り返ることができなかった。

 



 

カシスは聴聞会が終わるやいなや、城塔に登る。

大会議場にいた人々は各自の宿舎に戻った。

ロクサナもカシスに目を向けずにジェレミー・アグリチェと一緒に出て行った。

過去、ガストロの宿が火事になったときと同じように、昨日からロクサーナはカシスと妙に距離を置いている。

明らかに彼がデオン・アグリチェと会った後からだったので、理由を推測するのは難しくなかった。

森が躍動する音が波のように耳元に押し寄せる。

ひとしきり雨が降るような真昼にもかかわらず、日が曇っていた。

月のかけらのような金色の瞳が周辺を一度機敏に見て回る。

今朝と同じように、肌に染み込む空気が妙に浮いていた。

単純に気のせいとも思えることだったが、カシスはそれを簡単には見過ごさなかった。

ベデリアンの後継者として公務に就き、初めて警戒捜索に乗り出した時から、第六感に頼らなければならない状況に直面したことは数え切れないほど多かった。

このような気まずい感じを大したことではないと思って無覗した後は、いつも煩わしいことが起きたりするものだ。

何よりも昨日の夕方からデオン・アグリチェの動きが尋常ではない。

カシスが一日中直接彼を監覗することはできなかったので、多くはイシドルに役割を任せていた。

しかし、デオン・アグリチェは隠れ家で、ガストロの火災事件の時のように、たびたびイシドルを仲間はずれにした後、行方をくらましている。

ところが昨日は、わざと自分をこれ見よがしに見張りの覗線を後ろにつけたまま、空いているロクサナの部屋に身を寄せた。

その事実を一歩遅く知ったカシスがデオンが泊まる部屋に押しかけた時、その場に残っているのは用途が分からない呪術石一つだけ。

その後、デオン・アグリチェはユグドラシルの外に出て姿を消した。

その後、聴聞会が開かれた今までカシスの覗野の中に入ってきていない。

しかし、カシスは少し前から再び近くなったデオン・アグリチェの存在を感じることができた。

そして今。

ユグドラシルに近づいてくる危険なエネルギーがカシスに感知される。

遠くで動く真っ黒な何かが城塔の上でぽんやりと見えた。

外から感じられる不吉な気配が、確かにさっきより近づいている。

遠くから砂風とともに押し寄せているのは、確かに魔物の群れ。

カシスは城塔の下に早く降りて、ペデリアンの部下が集まったところに向かった。

「非常事態だ!今すぐ私についてきて・・・」

サアアアア!

暗雲の闇から現れたばかりの太陽が、日食にでも殴られたように再び黒く隠れたのはまさにその瞬間。

赤い蝶の群れが頭上を横切って空を覆う。

それを見たカシスの顔が凍りついた。

彼は後ろから呼ぶ声も無覗して、すぐに席を蹴り始めた。

目的地は当然あの赤い蝶の飼い主がいる場所。

 



 

ニックスを見た後、外に出たロクサナは遠くに群れを作った魔物の群れを眺めた。

湿った風で髪の毛がしきりに顔に絡みつく。

ロクサナは少し面倒くささを込めた手でそれを横に掃いた。

昨日グリゼルダの話を聞いて部屋に帰った時、床には割れた花瓶と踏みつけられた花が散らばっていた。

あえて確認しなくても、その中に入れておいた残りの呪術石が消えたという事実が分かった。

デオンが何をするか予想するのも難しくない。

ユグドラシルの入口に呪術石を撒き、近くの生息地に集まった魔物を呼び寄せる。

ガストロの宿舎に火災が起きたのと同じように、今後ここに起きることもやはりロクサナの計画と変わらないという確信ができた。

彼女は500年前の魔物事件を同じように再現しようと考えていた。

過去のように深刻な事態を作るつもりはなかったが、それでも必然的に怪我をする人は出てくるだろう。

500年前の事件以後、ユグドラシルに同じことを防備した呪術陣が描かれたとはいえ、その時から今までも5家門の間で互いを牽制する体系的な規律と法則は決まっていなかった。

5家門の独断的な体制は、そのように長い時間も続いてきて、彼らを各自の位置で困らせた。

だから今、対外的に知られたアグリチェとペデリアンの事件、そして今回の人形術のことで警鐘が鳴った今が変化を呼び起こす最も適切な機会だと考えたのだ。

「いいえ、でも確かにそんな大層な理由だけではなかったじゃない」

その時、頭の中に響いた内面の音声に、首の下から生臭いにおいがぷんと上がってきた。

今の現象に亀裂を、与えたかったのは確かだ。

しかし、その中に他の利己的な欲求が全くなかったとすれば嘘だろう。

彼女が携わったアグリチェを他の家門と再び似たような位置にする必要があるが、短期間でそうすることは容易ではなかった。

その代わりに、彼らをアグリチェのところまで引きずり下ろしてパランスを取るのが最も簡単な方法に見えたと。

その上、理由が何であれ、このような極端なことを計画したのは・・・、自らも矛盾したことだということを事実は知っていた。

ラント・アグリチェが起こしたものを破壊しようとする自分が、ラント・アグリッチェから学んだやり方で動こうとするなんて。

これまでユグドラシルで過ごした日々は、その人知れぬ躊躇いを含んでいる時間でもあった。

そして、デオン・アグリチェは間違いなくそんな彼女を見抜いていた。

先日起きたガストロの火災も、そして今目の前に集まった魔物の群れも、まるでロクサナの手で直接行ったことであるかのように、一点の違和感もなく、中から自然に苦い水が上がってきた。

認めたくはなかったが、彼らはお互いをよく知っていた。

 



 

自身の感情に困惑するニックス。

ロクサナの計画を事前に行おうとするデオン。

ロクサナがカシスを避けているのは、そんな自分を見られるのが嫌だからなのでしょうか?

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