こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は236話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
236話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 巨大な嵐②
アグリチェの言葉のように、今日だけでなく普段もアグリチェとフィペリオンが近くにいる時はきわめて珍しかった。
両家の人々が顔を合わせると、必ず摩擦が起きたためだ。
そしてその主体はいつもフィペリオンだった。
特に「フィペリオン」のあの2人は、先日までアグリチェの人々を見ると、欠かさず乗り出して文句をつけていた主犯。
「フィペリオンでは今言ったことに責任を負うことができるの?私たちは今いたずらする気分じゃないから慎重に答えなければならないだろう」
閑散とした音声が鼓膜を掻いて漏れると、それを正面で向き合った人は仕方なく縮こまるしかなかった。
「ええと・・・」
その時、医者が口を開く。
「言って」
ジェレミーが短い返事をすると、慎重な声が続いた。.
「失礼ですが、毒気による症状とは思えません」
その言葉を間いて、フィペリオンの人が信じられないように声を荒げた。
「とんでもない!ちゃんと診察したのか?」
「はい、詳しいことは医務室へ患者を運んでから分かると思いますが・・・。一応今のところ絶対に毒薬反応ではなさそうで、単に気が弱くなって意識を失ったようです」
「え?」
「最近あまり眠れなかった上に疲れがたまって体が弱くなったせいだと思われます。簡単に言えば、他の外部的な要因で気絶したのではなく、ただ肉体が休息を取っているところだと言えます」
その言葉を間いて、それでももしかしたらという気持ちを持っていた他の家門の人々が安堵して胸をなで下ろした。
しかし、フィペリオンの人は、まだ納得していないように、奮起して大声を上げた。
「医者!あなたもアグリチェと同じだよね?」
「いや、それはどういうことですか!」
突然の謀略に医者が飛び上がる。
「毒じゃないなんて話にならない!」
「どうして話にならないんだ?このティーカップに必ず毒が入らなければならない理由でもあるのか?」
ジェレミーは目を伏せて尋ねた。
周りからも少しずつ違和感を感じる人が出てくるようだ。
「毒じゃなくても。そもそもデュランがこのようになったのは全部お前たちのせいだ!」
ジェレミーは眉をひそめてしまう。
その光景を見守っていた人々の反応もやはりあまり変わらなかった。
「お前らが毎日私たちを苦しめたじゃないか!」
「さっきから度が過ぎているね。アグリチェがどうしてそんなことをするの?」
「お前らが、お前らが俺たちのことを気にかけているのだから!」
毎晩押し寄せる圧迫感に極度に敏感になり心身が疲れて神経衰弱になったのは今床に倒れている人だけではなかった。
その上、毒殺の脅威まで感じた彼は不安感に包まれ、自分が何を言っているのかも分からないまましどろもどろになる。
ジェレミーは首を傾げながら言った。
「むしろ反対ではないかと思うが。親睦会が始まってから、私たちを見るたびに不満を露にしたのは、「フィペリオン」ではなかったか」
それもまた、他の家門の人々が皆同意する部分だ。
「どう思いますか?」
ジェレミーは振り向いて再び口を開いた。
「フィペリオンはアグリチェに非常に遺憾の意を抱いているようです、白の首長」
その場には知らせを聞いてきたヒアキン・フィペリオンが立っていた。
彼はある程度状況を把握した後、難色を示し、舌打ちをする。
「ガソルがとんでもないことを言ったようだね」
「首長!」
「お前は騒ぐべき時と、黙るべき時の区別がつかないのか?」
ヒアキンの冷たい一喝に悔しさを吐露した人が口をつぐんだ。
「騒ぐ気力が残っているなら、デュランを医務室に連れて行ってくれ」
これまで、フィペリオンのガソルたちがこのように大小のアグリチェをかけて倒れたことが、親睦会の間に1、2度あったわけでもなかったため、ヒアキンはかなりの苛立ちと困難を感じていた。
「医者。デュランが毒を飲んで倒れたのではないのは確かか?」
「そ、そうです」
「でも念のため、湯飲みは調べたほうがよさそうだね」
ジェレミーは彼にそっと口輪をかける。
彼の後ろにいた腹違いの兄弟たちも内心あざ笑った。
建物の中にある茶葉はすでに他の異母兄弟が処理し、一定温度以上に湧き出たお茶の水からは今使用した毒の成分を検出できなかった。
だから問題になることは何もなかった。
ヒアキンはジェレミーの方を向いて残念そうに言った。
「アグリチェを疑うのではなく、このようなことは確実に決着をつけた方がいいから、そうしてくれ。このままではみんなが忌まわしいのではないか?」
「ええ、お好きなようになさってください」
ジェレミーは素直にうなずく。
「今まで他の家でアグリチェに対してどのような認識を持っていたかはよく知っていましたが・・・」
しかし、相次いで彼が瞳を伏せて静かに詠んだ言葉は、聞く人まで同化させても残るほとの沈痛な感情を盛り込んでいた。
「罪のない私の家族が、このようなやり方で迫害されているのを見ると、惨残たる気持ちになります」
その言葉を間いて、ヒアキンが目をしかめた後、慰めるように話した。
「それはどういうことだ。誰がアグリチェを迫害する?」
「ただでさえ残酷な死を迎えた私の兄がベルティウムの手練手管で死んでまで安息を得ることができずにあんなに侮辱されているのに・・・」
それを間いてヒアキンは低く沈音した。
ジェレミーは顔に深い心配をかけながら続けた。
「それに加えて、かわいそうな私の姉でさえ、同じような酷い目にあいそうになったことで、私の弟妹たちは、このごろ、計り知れない苦痛を感じています」
それに周りの雰囲気が自ずと厳粛になる。
アグリチェの他の異母兄弟たちも、一緒に悲しそうな顔をしていた。
「ただでさえ私の家族は親睦会の間、フィペリオンと頻繁にあった摩擦で心身が不安定な状態です。それでも、ややもすると今回の会合の趣旨を色あせさせるのではないか、心の中で感情を抑えながら我慢してきたのだが・・・」
もちろん、これまで積もった恨みを晴らすかのように、アグリチェの兄妹たちは最近毎晩、フィペリオンで遊ぶことに熱と誠意を尽くしていたが、一応見た目はそうだった。
「ところが、今度はこんなとんでもない毒殺の濡れ衣まで着せられるとは」
それでヒアキンも妙に帰る状況に頭が痛くなることを感じた。
さらに、今彼の家族が軽率に発言した毒殺疑惑は、家門間の問題に広がる可能性が濃厚な深刻な事案。
これまでのように若者たちの単純な血気によって起きた争いで覆うには確かに度が過ぎた。
「それは私には分別がない。軽率に口を滑らせた間違いだね。間違いを悔いるように十分注意を与えるよ」
ヒアキンは時間をかけずにしっぽを切ることを選ぶ。
今ここには聞き耳が多すぎた。
ここで失言をすると、後で困った状況になるかもしれない。
そんな彼の考えを知ってジェレミーは心の中で冷笑した。
「単なるミスとして片付けるようなことではないと思います、白の首長」
ヒアキンが望むように、今回のことをいい加減に見過ごすつもりはなかった。
せっかくの機会だったのだから、今までプライドを曲げて伏せていただけに、汚くしっかりと食い下がるつもりだ。
「・・・きゃああ!」
ちょうどその時、庭の入り口の方から鋭い悲鳴が響いた。
かなり近い距離で間こえた音だったので、庭の中にはあっという間に薄氷のような緊張が低く敷かれた。
ジェレミーも首を回して悲鳴が間こえた方向を注視する。
庭の入り口はつるの葉でできたアーチ型の屋根で覆われていた。
その中は現在、影に隠れて暗い。
ついに腐食した鉄が擦れるような小さな騒音が緑の影を突き抜けて鼓膜を突き刺した。
「みんな後ろに下がって」
本能的に何かを感じたジェレミーが腕を上げて他の異母兄弟たちが前に出ないように防いだ。
そして、彼も一歩後ろに歩を譲った。
もちろん、アグリチェの人々は彼の保護が必要な人ではない。
しかし、これまで鍛えられた第六感が目の前に忌まわしいものがあると囁いていたのだ。
ギギギク・・・。
ついに視界に姿を現したのは、濃い青の髪の毛を持った女性だった。
彼女は使用人が着ているような服を着ていた。
そしてぬかるみから転がるように汚かった。
「外はどうしたの?先程の悲嗚は?」
ヒアキン・ウィペリオンは警戒を緩めずに尋ねる。
しかし、返事はない。
彼女は庭の人たちを不思議なほど無表情な顔でちらっと見ただけだった。
みんなが変な感じをした。
もう一度見ると、彼女の服装はユグドラシルの中で働く人々とは違っている。
その時、女の汚れた袖の下に抜け出た何かが日光に反射してきらめくのが見えた。
「・・・首長!」
庭の入り口で緊迫した声が間こえてきたのはその瞬間だった。
「前で血を流して倒れた人がいる・・・」
お茶を飲んで気絶したデュランをちょうど医務室に連れて行った男が、急いで庭の内側に入る途中、入口の前に立っていた女性の背中に体をぶつけた。
ガラス玉のような無感情な瞳がさっと横に回る。
プウッ!
誰もが状況をすぐには認識できなかった。
「う、はあ・・・」
女性の体に半分ほど隠された男が瞳孔を大きく拡張させたまま小さく呻いた。
黒い袖が小さく揺れた直後、血に濡れた刃物が男の胸元から抜け出す。
ぽちゃぽちゃ・・・。
続いて少し前まで女の手がこもっていた男の胸元から赤い血がどっと流れ始めた。
ジェレミーやヒアキンをはじめとする人々は、ユグドラシルで見るとは想像もできなかった光景を目の前にして驚愕する。
胸を刺された男が痙攣して芝生の上に倒れたと同時に、奇妙な鉄の音を出す人々が今度は庭の入口で群れをなして押し寄せてきた。
すぐに悲鳴が庭に響き渡った。
人形の襲撃が始まりましたね。
ジェレミーは心配ないと思いますが、他の人たちはどうなのでしょうか?
ロクサナの今も気になります。